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遅くて、退屈で、つまらない場所

SNSには書かない(書けない)ことを中心にnoteを月に4本更新します。中身は藝大院の話、プロジェクトの過程、アイデアの種、苦しんでいる葛藤の様子などを書き散らかしてます。
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2023年7月の記事一覧

「理解する前に行動するのは無責任である」アルフレッド・ジャー展/広島現代美術館

先日、広島現代美術館ではじまったアルフレッド・ジャーの個展を観に広島まで行ってきました。このインタビューを読んで、今年の春くらいから行くことは決めていたのです。 2年前にMAKI FINE ARTSでこちらの作品を鑑賞して以来気になっており、色々調べていた時期もありましたねぇ。そしたら翌年の藝大院試の小論文で出題されるという…。 この前も東京のギャラリーで拝見することができました。 アルフレッド・ジャーは僕自身、結構勇気をもらったアーティストでもあります。なぜかと言うと

TOKYO MIDTOWN AWARDの反省/振り返りなど

いつかは獲りたいと思っている国内アートコンペのひとつ「TOKYO MIDTOWN AWARD」 ファイナリスト6人に入ると、六本木ミッドタウンでの展示に向けた制作費100万円が支給される上に、さらにその中からグランプリに選ばれると賞金(最大100万円)+ハワイの大学で研修+単発で終わらないサポート(展示機会など)と、国内の美術コンペの中ではかなりゴージャスな内容となってます。 当然これだけ内容が良いと(年齢制限は39歳までですが)必然的に応募者の人数もレベル上がります。

フランス留学半年だと思ったら1年だった件【どうしよう】【アートコンペの結果やその先の課題など】

「君たちはどう生きるか」が公開された日からずっと旅をしています。 富山で美術を教える仕事を終えた後、受講者のひとりが「富山でめっちゃ当たるタロット占いがある」というので、全く占いの類を信じない僕含めたアーティスト3人で行ってきました。 中々クセの強い店主で、過去・現在と、3〜4ヶ月先の未来までならいけると言うので、正直占って欲しいことなかったけど「フランス留学どうなるか」についてタロットで見てもらいました。 「あなた何も準備してないでしょ」ということをバッサリ言い当てら

【藝大先端WIP展 講評メモ】作品の強度をより高めるためのステップと、今後学びたい技法など

前回の続き。藝大先端の教授陣から受けたフィードバックから、作品をより良い方向へ発展させていくための分析を行います。 総じて、ダメ出しとして言われたのが「ここがどういう場所かわかりにくい」ということ。 明らかにここが港区にある赤坂プレスセンターであるということがわかる建物の前を通るシーンも入れていたのですが、あまりにも説明的過ぎるなと思い最終消してしまったんですよね。 その意図としては、自分が米軍基地問題に対して明確なイデオロギーを持っていないので(賛成か反対かみたいな)

映像作品を単体でみせること、その強度とフィードバック【藝大先端WIP展 講評】

東京藝術大学取手校地で開催していた「WIP展」が閉幕しました。 「WIP(Work In Progress)」とは「制作途上」や「進行中」を意味し、要は来年の卒展・修展に出す作品の途中経過を見せろという、先端芸術表現科で恒例となっている展示です。おそらくだけど、先端を作ったひとりでもある川俣正さんが概念として使用する「ワーク・イン・プログレス」から来ているのだと思います。(ちなみに自分は休学するのでこの作品が修了制作になるわけではない) 余談はここまで。久しぶりに先端の教