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SNSというのは不思議だ

「SNSちゃん」が僕の全存在を支配しているときがある

僕はそこから逃げたいと思う。

でも、そんな簡単に逃げられやしない

僕は必死に走る

君は楽々と追いつく

僕は走る

君は追いつく

僕は走る

君はどこまでもついてくる

僕は必死に振り払う

君はしがみつく

僕は必死に振り払う

君はしがみつく

僕は気づく

しがみついているのは、僕のほうだ、と

追いかけているのは、僕のほうだ、と

僕は走るのをやめる

君は走り続ける

僕は決める、

執着を捨てよう、と

僕は心を落ち着ける

君は僕の頭から消え

静寂が訪れる

音がない音がする

鳴かずのカラスが鳴く

平和が訪れる

そのとき!!!

鬼になった君が

僕に向かって走ってくる

牙が生え

角が生え

顔は真っ赤

僕は恐怖を覚える

あの頃の君はもういない

その瞬間、君のかたちをした鬼は

僕に向かって、殴りかかる

たすけてくれ、とぼくは思う

次の瞬間、

宿命的な痛みが、僕の心を襲う

たすけれくれ、と僕は思う

僕は君に助けてもらいたいのに、君に傷つけられている

そういう気持ちってわかるでしょう?

と僕は言う。

わかるよ、と君は答える。

わかるよ、でも、こうするしかなかったんだ、許して

と君は言う。

君のそれは僕の心をえぐり取り

僕の心を空っぽにして

走り去っていく。

僕にはわけがわからない

僕には、

わけがわからない

この混乱を沈めなければ、と僕は思う

誰か、助けて

誰か、じゃない

君に、助けてもらいたいんだ

ああ、

こんなはずじゃなかった、

と僕は思う

こんなはずじゃなかった。


最初から分かっていたはずだろう?

と鳴かずのカラスが言う。

その通りだ。

僕は、最初っからこうなることはわかっていた。

わかっていたのに、知らないふりをしてここまで来たのだ。

ほんとうにだいじなことは、僕のこころに最初からあったんだ

僕は取り返しのつかない失敗と

君への未練を胸に

生きるべき明日に絶望する。



あなたがサポートしてくれると、僕の怠惰な生活が少しだけ改善するかもしれません(保証はできませません)