あれは偶然を自ら迎えに行ったようなそんな出来事だった、などと思いながら、洗濯物の入ったIKEYAのブルーのデカ袋を担いで横断歩道を渡った。 偶然について思い巡らすのはなにも僕だけではない。写真家の藤原新也は80歳になったいまも、決定的な瞬間を写真に収めたときの撮影体験を振り返って、そのような偶然とも必然とも簡単に割り切れないような出来事のことを、「偶然に至ること」の意味で「偶至」(ぐうち)と表現して探求を続けている。 ◇ 森下駅近くの喫