それぞれの世界
高い所が苦手だ。
夢に見るほど苦手で怖い。
飛び降りないと次の場所に行けないけど、怖くて飛べない。
そういう夢。
ここ数年、自然を題材にしたテレビ番組をよく見る。
巨樹を見に行くものや、地質を見に行くもの。
動物の生態や、自然が年月とともにうつり変わる様子をみるもの、などなど。
そして、登山だ。
今朝も出かける用意をしながら見ていた。
山の稜線を歩いている。
積雪の上だ。
一歩一歩に生命がかかっている。
ドローンだろうか。
遠く高くから写した映像を見ると、とんでもない所を人が歩いている。
私は安全な部屋から見ているけれど、山のふもとにいる人たちも、まさか、あの山の稜線に人がいるとはそうそう思うまい。
知らないだけで、見えないだけで、いろいろな場所で真剣に何かに打ち込んでいる人がいる。
今、私はピーナッツを食べているけれど、この瞬間にも、下の部屋の人は命がけで何かをしているかもしれない。してないかもしれない。
みんな、それぞれの世界で生きている。
時々、別の世界を知って、ハッとする。