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施設看護師の仕事

施設によって様々だと思うが、私が勤めている施設での業務を掻い摘んで何回かの投稿に分けて少しずつ話して行こうと思う。

いろんなタイプがあるが、うちの施設では、介護業務と看護業務が完全に役割分担され、簡単に言うと保健室の先生のような業務形態である。
主に、看護師資格がないと出来ない仕事以外はほぼ患者に関わらない。
経管栄養、採血、喀痰吸引、簡易な創部の処置、導尿、バルーン交換などだ。
なので患者100人に対して、6人しか看護師がいない。常時3人勤務で日勤のみの勤務体系。

ではこの仕事以外に何をしているかのというと、介護職員の患者への疑問、訴え、に対してかかりつけ医に報告、指示をもらい、介護職員に返答する。
一言で言うと簡単に感じるかもしれないが、一般人の報告とは違い、看護師としての報告で医師に報告する必要がある。

現場から上がってくる報告は、「何かおかしい」「熱がある」「いつもと違う」など、目的をもって観察項目を情報収集して報告してくる内容とは違い、抽象的なものから訴えを整理し、目的は何か、何を改善してほしいのか、それは医師に報告しなければならないものか、医師に報告する際に看護診断を行い、情報収集をし根拠を述べながら推測を立て、報告する必要がある。

ただし、看護師が患者と直接関わってるわけではないので、現場の介護職員から情報収集するのだが「わからない」「出来ない」が存在する。
たとえは、排便状況を伺うも、「この方は自立なのでいつトイレに行ったのか把握してない、工夫なんて人員不足のためできない、自分の勤務以外のことなので私に聞かれてもこまる」とかがよくある。聴診にて腸雑を聞き、蠕動運動の状態は悪くないか、触診し、下行結腸から直腸までに便は触れないか、腹部の膨満感、既往歴の疾患を看護診断し医師に報告する。その際にも、医師に報告した目的は、このような根拠から便秘を疑い下剤の調整、処方を検討して頂けないでしょうかと報告しなければならない。その際の現場の報告は「今、ご飯のあとに吐いた」のみの報告である。

Drへの報告業務、他科受診の付き添い、家族への説明、ケアマネージャとの連携、介護職員への返答、が90%を占める。

それは特別養護老人施設には医師が常駐していないことで普段の患者の状態を医師が把握できず看護師の報告の情報のみでの判断になること。しかしながら看護師も患者と関わる機会が少なく、現場職員の情報に頼るしかないと言う面が大きく関係している。

それがもし看護師が関わっていた場合に患者の異変の報告があると、観察項目、根拠を述べるように促しそのまま医師に報告することで済むだろう。ただ現場の職員にそこまでは求められないし、医療知識や根拠を求めても「わからない」が成り立つのが現状である。

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