BL短編集「眼鏡をとると彼はエロイ」試し読み
会社で気になる人がいる。
同い年の同僚の一人、いつも物憂い顔をしたコミュ障の眼鏡くん。
輪の中心で輝く俺とは対照的で、仕事でもプライベートでも接点なし。
仕事をする以外、だれも彼に関心を持たず、空気あつかいしているのだが、たまに俺の目は釘づけになる。
眼鏡くんの手にだ。
手タレもびっくりの美しい形をし、指先まで神経が通ったような、しなやかで細やかな揺らめき。
気をつけないと、時間を忘れて見惚れてしまうし、口を開けたまま、涎を垂らしそうなほど惹かれてやまず。
そりゃあ、