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MMORPG昔話

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1990年~2006年ぐらいまでの MMORPGの思い出を書いていきます
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MMORPG昔話:Everquestの思い出 (1999年ー何年か後)

ask.fmのこの記事「MMOの楽しかったエピソードをお願いします。」を加筆修正したもの。字数制限から解き放たれたので丁寧に書きなおした。

第二のMMORPGとなる『Everquest』、1999年からの話。

1999年。『Everquest』はリリースされて間もなかった。夫とわたしは毎日のように夢中でプレイしていた。初心者2人でちまちま街の外のgnollを狩っていたらSherwoodというキ

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Second Lifeと別れ

Second Lifeと別れ

『Second Life』(以下、主にSLという略称を使う)というメタバースがある。2022年、VRがいよいよ盛り上がる時世にあって、VR進出をあきらめたLinden Lab社の運営する世界だ。(Linden LabはVRメタバース『Sansar』を開発していたが資金難で売り払った)先んじて広い仮想世界を生み出すことには成功したけれど、時代に乗り遅れ機を逃して、『Second Life』はデスクト

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MMORPG昔話:Ultima Online(1)

ずいぶん長い間、様々なオンラインゲームをプレイしてきた。
おもしろい体験もいろいろあるので、そろそろ書き残しておきたいと思う。ぽっくり死ぬ前に。

これは1997年の話。

はじめてプレイしたPCゲームは『Ultima Underworld』だった。海外のゲームはだいぶ趣が違うな、と思った。次に『Ultima Underworld 2』を遊んだ。うまく言語化できないけれどなにかすごいな、と感じた。

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MMORPG昔話:Ultima Online(2)

1997年

王都ブリテインはものすごく治安が悪い。そして薄汚い。しかもやかましい。数日住み着いてそれがよくわかった。

盗み、殺し、乞食、詐欺。狂人、裸体、幽霊。絶叫、剣戟。断末魔。
人々が集まる銀行の前は犯罪銀座だった。富める者がいらないアイテムを捨てれば、みすぼらしいなりの者がすかさずおこぼれを拾いに来る。戦闘に負け続け、あるいはプレイヤーキラー(以下、PKと記す)の餌食になって装備を失った

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MMORPG昔話:Ultima Online(3)

1997年
すこしだけ筆者の当時の状況を記します。

内臓の病になって会社をわずか2年で退職し、実家に戻った。仕事のできない厄介者だった。『Ultima Online』の世界のEstellaは、冒険ひとつ満足にできない貧乏人だ。どちらもだめな奴だった。誰もわたしを咎めなかったが、申し訳ない気持ちが常にあった。病身のまま勤まる仕事はなかったので、家でただぶらぶらしていた。食事や身の回りの世話は母がし

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おもしろPKはなしをおねがいします(Ultima Online,1998年)

asm.fmの、この記事を転載加筆修正したもの。主に一人称を改めた。

はい きょうはほーちみんのはなしにします。『Ultima Online』ね。
1997年か1998年。

わたしのいたサーバはPK団の巣窟で、知っているだけでも10ぐらいの極悪PK(player killer、プレイヤーキラー。中身入りのキャラクターを殺すプレイを行う者)ギルドがあった。その中に”Ex-Presidents”(

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もっと懐かしゲームのPKのお話が聞きたいです。(Ultima Online,1998年)

ask.fmの、この記事を転載加筆修正したもの。
カジュアルな話口調のままだけれど、そこは変えないでおいた。なんとなく。

なつかしPKというともう『Ultima Online』のしかないんだよね。それでいいなら何人分でもある。前ちらっと話したBill C.のことでも。奴の名前の元ネタは当然ながらビル・クリントンで、悪名高きPKギルド”Ex-Presidents”のコアメンバーだった。こいつは、あ

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GM Chef PKの話はやくして(Ultima Online, 1998年)

ask.fmのこの記事を加筆修正したもの。

SkRiLlA KiNgというPKがいた。名前は強引に訳せば「銭大王」ぐらいの意味だと思う。大文字と小文字をまぜこぜにする、こういう綴りの名前の奴はたいていPKで、彼もまたそうだった。

彼は常にGM Chef(グランドマスター・シェフ、料理のスキルが最高値の100を記録している称号)であり続けたPKだった。鉄仮面に薄汚いグレーのエプロン、真っ赤なロン

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MMORPG昔話:Ultima Online(4)

もうこの街、いやだ。

わたしは王都ブリテインを去ることに決めた。早速銀行に行って「荷造り」を始めた。「bank」のコマンドでアイテムボックスにアクセスする。持ち物を全部中にしまう。死して復活した時にお情けでシステムから与えられる、灰色ローブだけを身に着ける。これがソーサリア(『Ultima Online』の世界の名)流の荷造りだ。殺されても失うものがない状態で旅をする。これで物取り系PKのターゲ

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ストーカーされた子の身代わりになってオフ会に行った話(前)(2006年? ファイナルファンタジーXI)

『ファイナルファンタジーXI』(以下、FF11)の話になる。いろいろなものの安全のため、以下の一文に同意できる方のみ読み進めてほしい。
→<<<このエントリは事実をもとにしたフィクションです>>>

■いつごろ
Windows版FF11がリリースされ、筆者が同作品にかかわる雑誌コンテンツを「ファミ通」及び「電撃PlayStation」などで執筆していたころ。おそらく2006年。
■登場人物(年齢は

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ストーカーされた子の身代わりになってオフ会に行った話(後)(2006年? ファイナルファンタジーXI)

これの転載 前編を先にお読みになってね
この話は巧妙? にフェイクを加えた読み物 嘘だと思っておけばいいよ

あらすじ:股間エモートモンスターが現れた
登場人物:
C(はっきりしない若い女子)
E(Cと相方になった男性)
S(Cを追いかけまわしているおじさん)
わたし(オンラインゲームおばちゃん)

CはEとくっつき、Cが欲しかったSは異常行動に走り、LSメンバーは見て見ぬ振りをした。LSには異様

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