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水瓶座の満月

8月12日 水瓶座の満月です。

水瓶座の神話

ピーテル・パウル・ルーベンス『ガニュメデスの誘拐』(1612年頃)


ガニュメデス

ゼウスの住まうオリンポスでは、宴会が開かれ給仕としてヘベが勤めていました。ヘベはヘラクレスと結婚するため、給仕をやめオリンポスを去ることに。代わってゼウスが探し出したのは、トロイに住む美少年「ガニュメデス」でした。
ゼウスは鷲に姿を変え、ガニュメデスを浚います。
驚くガニュメデスにゼウスは「給仕として天界にくるのであれば永遠の若さと命を与える」「トロイの街の繁栄させる」ことを約束します。
ガニュメデスは人間でありながら、自分とトロイの街のために天界に上るのです。(木星の衛星「ガニメデ」はガニュメデスが由来です)

水瓶座の月

月は感情や無意識、感覚、内なる子供といった意味があり、繊細な感情を表します。月が入るサイン(星座)によって、さまざまな影響を強く受けてそれを私たちに反映しています。

水瓶座は、山羊座で作られた組織を受けてより広い繋がり、コミュニティや社会を俯瞰します。
その俯瞰は、時に精神的で、公平で、知的で、社会的で、
一見すると自分らしさから一番遠いところにあるような感じもします。
そんな社会性や公共性のサインである水瓶座の中に、とても繊細で感情的な月があります。

水瓶座の中での月は「公平な感情としての同情心」を深めています。
公平な同情心ってどんな心境なのでしょうか。

同情というと、良いイメージが沸きにくいものですが、
「他者の気持ちを慮り、かつ、寄りそう」という感じを「同情」と言い表します。
そういう意味での他者への同情を通じて、保護・援助をしたいという気持ちにあふれています。
それには一人一人の「かけがえのなさ」も感じるセンサーが働いています。
そして、そんな「同情心」は公平でたゆまなく愛をもって振りまいていくのです。

しかし、他者に対する真の同情や真の援助を行うには、まず、自分のケアが出来ていてこそ。その上で、より深い支援、真の同情(他者へ寄り添うこと)を知ります。

満月図をみてみます

月は4ハウス、太陽は10ハウスにあります。
4ハウスは家族や家を表すハウスで、プライベートや個人的な時間を確保する場所です。
一人ひとりのプライベートを養うところなので、一番奥深くにしまっておいてあまり表には出さない事柄ということで、家族や家があてはめられています。自分の深い所や大切にしている所を表すと同時に、自分らしさを取り戻す場所ともなっています。
4ハウス水瓶座は、実際にその場にいなくても心の中で繋がることを知っています。
集団の中にあっても自分らしさを失わない、自分一人でいたとしても集団との繋がりを失わない
そんな場所です。

そして、水瓶座の月は水瓶座の土星とほぼ重なり、そして満月のラインには、ほぼ正確に牡牛座の天王星が関わるTスクエアというアスペクトを作っています。
2週間前の獅子座新月のころにも、水瓶座、獅子座、牡牛座のTスクエアができあがっていました。この時期、牡牛座の天王星と水瓶座の土星での緩いスクエアができています。天王星□土星は、2021年に長く作られていた配置で、不動宮の意匠と、天王星と土星の衝突が繰り返されていました。

すっと内省したい水瓶座の月に対し、10ハウスという力のある場所から照らす太陽、7ハウスにある天王星、そして、この時期チャートには示されていませんが、ノードのラインが牡牛座と蠍座にあります。
牡牛座にはドラゴンヘッド(ノースノード)、蠍座にはドラゴンテイル(サウスノード)
これらが関わる、グランドクロスという形にもなっていて、緊張感が高まっています。
今回の満月は、やはり2週間前の獅子座新月から続く緊張感も極まる配置になります。

水瓶座満月のグランドクロス(8/12)    獅子座新月のグランドクロス(7/29)

グランドクロスを構成する天体が少し異なりますが、この形がしっかりと作られています。
新月の時には、木星が中和する形でかかわっていましたが、今回の満月では、満月(月と太陽)がしっかりと天王星を捉えています。天王星が満月に難題ともいえるようなテーマを与えている、という風にも見えます。また、土星は制限やカルマを強調する天体でもありますので、内面の困難な気持ちが増幅しやすいともいえます。
外からは、改革や変革を強制され、内側では憂鬱な気持ちを抱える正直しんどい配置なのですね。

しかし、水瓶座の月のテーマをここで思い出すと、「他者への同情」というテーマがありました。そしてそのために必要なことは「自分自身のケア」でした。
一般的に満月は、「形を成す」一つの集大成を表すとされています。今回の満月で、しんどい気持ちが最大になるということも意味していますし、自分自身のケアや他者への同情の気持ちに一つの区切りが訪れるとも読めます。

今できることは「前に進むこと」です。
区切りが訪れるまでは、夜明け前のような感じになります。
ただひたすらに、歩みを止めずに行くことが必要であり、これはものごとの進む流れにすべてを任せることでもあります。
水瓶座の満月で、いろいろな気持ちや新しいチャレンジが形として完成していきます。
この形は、8月19日の牡牛座下弦の月のころに最高潮を迎え、次の乙女座新月へと受け継がれていきます。



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