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射手座の満月

6月14日 20:52 射手座の満月です。

射手座のギリシャ神話

ポンペオ・バトーニ「アキレウスとケンタウロスのケイローン」(1746年)

射手座のモチーフは、ケンタウルスの賢者ケイロンです。
ケンタウルスは下半身が馬、上半身が人間の半獣半人の一族で、大変乱暴な一族です。
そのケンタウルスの中でケイロンは突出した知性を持つ勇者でした。
ケイローンは、太陽神アポロンから音楽、医学、予言の技を、
月の女神アルテミスから狩猟を学びます。
ケイローンはペーリオン山の洞穴に住み、薬草を栽培しながら病人を助けて暮らしました。

また、請われてヘラクレス(ゼウスの子供でヘーラーの怒りを買う)や、
カストル(双子座の双子の兄弟の兄)たちに武術や馬術を教え、
イアソーン(牡羊座の神話で、黄金の羊の皮を得る)を養育し、
アスクレピオスには医術を授けます。アキレウスの師傅でもありました。
アポローンの息子アスクレピオスは、ケイロンの指導の下医学の才能を開花させました。

アスクレピオスは医学の力を付け、やがて多くの英雄(人間)の命を助けるようになります。
やがて、命を助けるだけでなく、死者の復活させる力も持つようになりました。
冥界の王ハーデスは、アスクレピオスによって冥界から死者が生き返っていくのを
「世界の秩序(生老病死)を乱すものである」 とゼウスに強く抗議します。
ゼウスはこれを聞き入れ、雷霆をもってアスクレピオスを撃ち殺すのでした。

アスクレピオスは、死後天に上げられてへびつかい座となります。

射手座

占星術における射手座は、牡羊座から数えて9番目の星座(サイン)です。
人間の成長の9番目を表していて、真実の探求、哲学などを表します。
火のサインの柔軟宮。
火は「アイデンティティ」を求め、柔軟宮は「ヒーリングと回復」に関ります。

そして、支配星(ルーラー)は「木星」。
拡張、成長、自由の天体である木星によって射手座は支配を受けています。
このため、射手座は全体として自由で公平な視点をもつ一方で、
細かいことにも気を配る一面もあります。
火のサインよろしく、新しいことやコンセプトを吸収することにも長け、
かつ、理想主義的でもあります。

ということで、占星術の射手座もまた、
ギリシャ神話のケイローンが意匠するものと同じように、
「深い理解・洞察を得る場所」となります。

占星術における射手座は、知恵を求めより高い目標を目指すことを助けます。
望んだ現実を明示する高次を知る、高尚な場所ともいえます。

射手座の月


射手座の中での月は真実と理解を探します。
双子座の太陽と牡牛座の天王星もあり「真実の探求」がより強調されています。

射手座の中での月は、真実と理解を探します。
射手座は、公平性に加えフェアな精神性での「競争」することを善しとします。
単に公平であるだけでなく、その中で競うこと、切磋琢磨することを求めます。

月は感情をあらわし、実はちょっとは贔屓もして欲しかったりします。
蠍座までを旅してきて、それはそれは色々あったから、
射手座までたどり着いた私(月)を褒めて欲しい、そんな淡い期待もあるかも。

しかし、射手座が真に評価するのは
「客観的にみて優れているか?」「ズルをしてないか?」

フェアプレーで勝ち進んできたのなら褒めてくれますが、ズルをしていたら叱咤の嵐です。

自分の感情を満たすために、卑怯な手法をとったとしたら
それは恥ずべき行為であって、感情のためにだけの行動は万死に値する!!
そんな強烈な批判を射手座の中では浴びることにもなるのです。

射手座という高い精神性の世界の中で、
月は「本当の感情とは何か」、
「真の心遣いとはどういうことなのか」
そしてそれを「どのように学ぶのか」という価値観を探し始めます。

それは蠍座で見つけた探求とは異なる、新しい探求とも呼べます。

満月図を見てみます。

射手座の満月


月は12ハウス(無意識のハウス)にあります。
満月(双子座の太陽、射手座の月)のラインは
2ハウス魚座の海王星とTスクエアとなります。
また1ハウス水瓶座の土星が、調停のラインで関わっています。

これまで蓄積してきた我慢が解放されるような雰囲気です。
魚座の海王星はやる気十分な場所にあって、その力が増幅されています。
そして、これらのサイン(双子座、射手座、魚座)は、
柔軟宮と呼ばれるサインに属しますので、
これまでの様々な我慢を、ゆるりゆるりと緩められていくようなそんな雰囲気です。

我慢というと、やはり今はコロナ禍とそしてそれ以上に
武力侵攻による不安が真っ先に挙げられます。
もっと個人的なことであったり、もっと社会的なことであったり、
その「柔軟性」のある振れ幅が大きく振れることになると思います。
心の不安を、ぐっと引き締めてくれるのが水瓶座の土星です。
秩序や立場を整えることで定まらない心にある意味規律を持ち込みます。
土星は現在逆行しているので、この規律は、自分自身を取り戻すためにも
あった方が良い規律、ということになりそうです。

大きな社会的な不安の前に、何もなす術はないと悲観的になりがちですが
満月で大切にするために必要なことは、普段接している身近な人に
小さな気持ちを言葉にして相手に伝えていくことなのではないかと思います。

月がある射手座は全体を見回す場所、
太陽がある双子座は、細やかに調べていく場所です。

満月は、全体から受ける不安に敏感になり
太陽はその小さな気持ちに蓋をしがちになります。
柔軟性があるが故に、このくらいだったら我慢しよう、
この程度の事は自分にはなにも影響がないはず
というブレーキが働きやすいですので
感情はちょこちょこと小出しにしてため込まないようにしましょう。

そして、私の中の小さな私、もう一人の私にも
気持ちを伝え、心の声を聴いてみてあげてください。
「私、今楽しいな」「私、怒ってるかな」
と、自分の感情を確認することも、「表現」の一つになり得ます。



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