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山羊座の冥王星(順行へ)

10月9日 4月30日から逆行していた冥王星が順行になります。

冥王星

ギリシャ神話

冥王星は、ギリシャ神話のハーデスです。


ウォルタークレイン「ペルセポネの運命」1877年


ハーデスは、クロノスとレアの息子として生まれました。
冥府を支配するようになる以前は、兄弟たちに協力的な頼れるお兄さんでした。
ゼウスが父であるクロノスに戦いを挑んだ時も共に闘いました。

クロノスに勝利した後、ハーデスは死者の国である冥府を支配するようになります。
(これはくじ引きで割り当てられました。)
これにより、ハーデスはオリンポスを離れることとなり「オリンポス12神」ではなくなります。

ハーデスの神話はほぼ1つしかなく、デーメテール(乙女座の女神)の娘ペルセフォネをさらい
冥界に略奪していきます。
デーメテールはこのショックで豊穣の神としての仕事を放棄してしまったため
地上の作物は枯れ、地上には冬が訪れます。
このペルセフォネーの略奪には、ハーデスが実行するわけですが、
ゼウスやヘーラー、アフロディーテ―も絡んでいます。

デーメテールは娘を奪還するために、この略奪の主犯であるゼウスに掛け合います。
地上の荒廃をみたゼウスは、ハーデスにこのことを伝え、ハーデスも、デーメテールの懇願を聞き入れ、ペルセフォネを地上に返してあげることを決めます。
その条件として、冥界の食べ物を口にしていないという条件がありました。
ところが、ペルセフォネは冥界のざくろを食べてしまったため、地上には戻れなくなってします。
そこで、1年の2/3は地上で1/3は冥界で過ごすことになりました。
この結果、2/3はデーメテールが豊穣を司り、ペルセフォネーが冥界にいる間地上には冬が訪れることで四季が出来上がりました。

ペルセフォネは、冥界の女王としても描かれており、このペルセフォネーが冥界に降りたのも彼女の意志によるものとする話もあります。

後にハーデスは豊穣神(作物は地中から芽を出して成長する)として崇められるようになりました。
このように、ハーデスは、単に冥界を支配しているだけとして神話は終わるのですが、この冥界を支配しているというのが、力があることそのものを表しています。

冥界の描写は、原初のギリシャ神話に書かれていてハーデスはまだ君臨していません。
ハーデスが冥界を率いた後の世界観はダンテの神曲「地獄編」によって、より深く語られることになります。それが故に、ハーデスは悪の権化として絶大な力を持つ「敵」として描かれることが多くなります。

山羊座の冥王星

占星術における冥王星は蠍座の支配星で「破壊と再生」の意味を持ちます。
冥界の支配者たる、ハーデスの力の片鱗が垣間見えますね。

しかし冥王星はなんでもかんでも破壊しているわけではありません。
冥王星が破壊するのは実は「偽りの上に成り立つもの」です。
 役に立たなくなった体制やしがらみの上に成り立つもの
 自分には必要のないもの、
 まやかしであるもの
これらを破壊して、新たな再生を促します。
それは単なる再生ではなく、変容(トランスフォーメーション)です。

ハーデスの神話の中で、最後に加えられた「豊穣神」としての神話ともリンクする話だなと思います。

山羊座は、社会的なステータスを表すサインです。
この「破壊と再生」の力は、社会的なコントロールから解放し、幻想への執着を手放すことで、
現実的な人生を歩むための学びをうながすことにも繋がっています。
 信じてすがっていたこと、
 自分で自分に課していた制限
こういったことも同時に破壊し手放していきます。

ちなみに、冥王星は”毎年”7か月ほど逆行しています。
順行も逆行も意識することはほとんどできませんが
それでも冥王星がもたらす影響というのは、強大で不可逆的なものだといえます。


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