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牡羊座の金星

牡羊座の金星のお話です。

アフロディーテ

金星はアフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)
アフロディーテは、クロノスによって切り落とされたウラノスの男性器にまとわりついた泡(アプロス、aphros)から生まれました。
(ヘシオドス『神統記』)
生まれて間もない彼女に魅せられた西風(アネモイ※のゼピュロス)がキュテラ島に運んだ後、キュプロス島に行き着いたとされています。
アフロディーテ―が島に上陸すると愛と美が生まれます。


『ヴィーナスの誕生』 サンドロ・ボッティチェッリ作 (1485年頃)

※アネモイは風の神たちの総称です。
東西南北の各方角を司っており、各々が様々な季節・天候に関連付けられていました。
東風:エウロス
西風:ゼピュロス、
南風:ノトス、
北風:ボレアース

左上:ゼヒュロス(西風の神)とフローラ(春)
中央:ヴィーナス(アフロディーテ―)
右:ホーラ(時間の女神)

金星


占星術における金星は、牡牛座と天秤座の支配星です。
牡牛座:五感の価値観やお金
天秤座:バランス、調和、他者との出会い

美しいものを司る美の女神は、調和がとれていることを是とします。
価値あること、楽しむこと、喜びとして経験されるあらゆることを享受・受容する力のすべてを包含するのがアフロディーテ―です。

価値があるもの、喜びといかに付き合っていくか、素直に価値があると認識することの素晴らしさそういった事柄全般を示すのが金星です。
感受性が豊かであり、受け取る喜びとして、美意識や芸術、対人関係も表します。

牡羊座の金星

牡羊座は、火の活動宮です。火はパッション、始めようとする意図をそのままに体現していく場所。そんな、火のサインの中での金星は、持ち前の対人関係や調和・バランスを保つ能力をやや失ってしまう傾向にあります。

牡羊座は、新しい誕生を表し、自分本位・自律のための歩みをはじめる場所です。この牡羊座では一人一人が自律して自分自身を完全に表現することを求められます。
そんな牡羊座は金星にとり、普段の金星らしさを発揮するには居心地のよくない場所となります。


金星も牡羊座のエネルギーにより「欲しいものを求める」ようになります。金星が欲しいものとは、愛であり、芸術であり、受けとる喜びすべてが当てはまります。
アフロディーテ―が求める愛は、すべてを包括する深く広いものであり、
その愛を女神アフロディーテ―が求めたなら、徹底的に求めることとなるのです。
女神アフロディーテの力は絶大で、ギリシャ神話では
「神も、人間もその力に抗うことは叶わない」
とされ、現在私たちが認識する「恋愛」に近い愛の姿とは全く異なる
生に対する渇望に近い「愛」の力を発揮すると考えられています。

金星は牡羊座の中で、自らが欲するものを強く求め手に入れようとします。
欲求が高まり、そのために声を上げ、手に入れるための力を発揮していくことが可能になります。

しかし、私たちはアフロディーテ―ではありません.
求めただけの愛や美を受け入れる器は、実はありません。

牡羊座のエネルギーに任せて、器を超えた愛を求めてしまったあと、
器からあふれたそれは、「嫉妬」へと姿を変えて、
私たちを飲み込んでいきます。

その愛(アフロディーテ)に魅了されて風を吹かせたゼピュロスが
キュテラ島で独占しようとしたけれども叶わなかったのと同じように。


自分本位だけで欲しいものを求めてしまいがちになってしまいますが
その根源は、とても純粋なもののはずです。
純粋に求めていたはずなのに、いつのまにか、損得感情に支配されてしまうのです。
自分にとって心地良いものを、そのまま受け取る所で抑えておくのが、ポイントなのかもしれません。



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