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【異世界】「聖女付きメイドは憧れの騎士に溺愛される」感想

 今回はTLではありません。プラトニック、と言っていいくらい、すっきり清廉な恋の物語。
 そして、前回の記事に引き続きすみませんが、今回の御本も、好きな理由が「静かだから」wです。

書籍の概要

作者:冬瀬 先生
イラスト:仲野 小春 先生(本文中挿絵なし)
 紙の書籍は発売されていない模様。各配信サイトで電子版が読めます。連載版と完全版があります。
 私は、最初ピッコマで無料で読める、物語の一章(1)~(5)までと、その日のチケット分の(6)を読んで、広告付き動画見るのもしゃらくさいし、続きを即知りたいと思って、rentaで完全版(1)(2)を買って一気読みでした。
 なろう原作で、そちらでは別タイトルで掲載されています。

読んだキッカケ

 ピッコマで、サムネのシンプルさに惹かれて。
 あと、ヒーローがヒロインを抱き上げているのはよくあっても、主人公ふたりがどちらもカメラ目線ではなく、完全な横顔で向かい合う構図というのも珍しいなと思って。カトレアちゃんのはにかみ表情もかわいいし、ゼノイスさんのビジュアルも、ゴテゴテしていなくてステキなんです。


以下、ネタバレを含みます


あらすじ -以下、ネタバレを含みます-

 新しく城に聖女として取り立てられたシエラという伯爵令嬢付きになったメイドのカトレアは、ある日、5年間憧れ続けている騎士のゼノイスから婚約を持ちかけられる。事情を聞くと、ゼノイス自身に降りかかっている縁談を躱すために「ふり」をしてくれる者が必要だと言われ、カトレアは協力することに――

好きポイント

  • カトレアちゃんのさっぱりと嫌みのない性格
     恋愛に関して、読みとり方によっては諦観が強いようにも見えちゃうんだけど、自立してて意見があって推しがいて、手抜きしない、素敵な女の子なのです。ヘンに弱々しくなく、相手に思わせぶりなことをする訳でもない、しゃんとした子。
     ゼノイスさんから婚約解消を言い渡されたときも、彼のことが好きな気持ちに未練なく、彼の幸せを考えて承諾するのも、最初に決めたことをやり通した結果で、物語の最初から終わりまで、嫌なところがない。ほんと好きになりました。

  • ゼノイスさんの普通さ
     いろんな苦労(特に身分とか)した彼は、それを乗り越えた今は達観してしまったが故に淡々としているようにも見えるんですが、カトレアのことを意識するようになると、案外普通の男性が思うようなことを考え始める。そこが何だかかわいくて読んでてニヤニヤしました。
     このカップルにおいては、たぶんゼノイスさんのほうが煩悩というか雑念が多くて、より相手のことを欲望という意味で好きなんだと思う。そこがまたニヤニヤ…でした。

  • ふたりの関係性
     冒頭でこのお話はTLではないと書きましたが、それどころか、職務以外のデートは確か一回だけ。キスは二回…だったかな。清い!! でも、別にふたりとも禁欲している訳でもなさそう(そしてそれが不自然ではなくストーリーは進行します)なの。彼らは主人を優先するので、自分が自由に使える時間が少ないのです。それが故に、相手の姿を遠くから眺めたり、ときどきランチを一緒にしたりすることの尊さよ…。
     給湯室の戸棚にカトレアちゃんがゼノイスさんへの差し入れを入れておいて、共用ロッカーみたいな使い方するところとか、キュンだよ!!…って、そんな要素も良かったので、現代のオフィスものに通じる萌えポイントがあるお話と言うこともできるのかも知れません。

その他

 このお話、きっとこの同一世界線でシリーズ化するつもりもあったんじゃないかな、と思わせるんですよ。
 私、初見のときは、カトレアちゃんが仕えてる聖女さまと、ゼノイスさんの主人であるルシウス第二皇子とのお話が主軸で、今読んでいるのがスピンオフなんじゃないかと思って「氷の皇子は聖火の乙女に解かされる」ってタイトル(作中に出てくるんですよこのタイトル!ww)を調べてしまったもの…。
 あと、カトレアちゃんが寮で同室のリサちゃんが気になってるんです。いい女キャラなんです。きっと、いい仲の騎士さまがいたりするんじゃ…って勝手に妄想してます。えへへ。
 続編かスピンオフ、ほんとにほしい。でも、これはこのまま独立しててほしいとも思うんですよね。あ゛あ゛、ジレンマです!!

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