ばばあもどきの日常と非日常 その6 「実はちょいちょいバレてます」

こんにちは。
“ばばあもどき”のルル山ルル子(ルル)です。
女の容れ物(身体)に男の魂が宿っています。
「トランスジェンダー」とか「FTM」とかの呼称がどうもしっくり来ず、
普段は「見た目は女 中身はおっさん」と自己紹介をしています。

喋るとバレる


第1回目の中で、
「普段は上手いこと「女に擬態して」過ごしていますが、油断すると中におっさんが入っているのがちょいちょいバレます」
と書きました。
今回はその辺りのことを書いていこうと思います。

私は、女の容れ物に入って生まれたけれど、中身は男です。
でも、男だけど可愛いものや綺麗なものやメルヒェンチックなものも大好きです。
たまに、“お姉さんと妹がいるせいで女子といることが苦にならない、なんなら女子力高めの男子”っているじゃないですか。
私は、自分ではあんな感じの位置付けだと思っていたのですが、
容れ物は完全に女で、しかも女子力とかはあまりありません。
コロナ禍でマスクをして暮らすようになってからは、化粧もやめてしまいました。

ワンピースやスカートを身に付けることもありますが、そういう時は決まって「今日は女装してる」と言ってしまったり

女子が集まって何か(お菓子とか)を早い者勝ちで選ぶ時「いいよ、女の子から先に選びな!」と言ってしまったり

転職先の同僚(男性)から「ルル山さんって合コンとか参加したことあんの?」と訊かれ、
「あるわけないじゃないすかー、“こっち側”で出られるならまだしも、“あっち側”で参加して何か良い事あるんすかー?」と答えてしまい、
「……“こっち側”で出たいの、やっぱり?」
「……あ゛」ってなったり

コンビニで働いていて、レジでピッとやっても値段が表示されない化粧品があった時、
上司に電話で相談したら「テキトーにそれっぽい値段で売っちゃって良いよ」との指示があり、
とはいえ女物の化粧品なんて安物しか買ったことのない私は、
あろうことかお客様に「こういうのっていくらくらいなんですかね?」と訊いてしまい、
お客様に「なんでそれを私に訊くのよ⁉︎」と怒られ
「いや、やはりこういうのは女性の方のほうがお詳しいんじゃないかと思いまして……」と答えるも、お客様からしたら意味が分からなかったとみえて
「あんたも女でしょーっ‼︎」とまたまた怒られ
焦るあまり「あ、いや、本物の女性のほうが……」と言ってしまい「あんた、何なの⁉︎」と更に怒られたり
(私も知りたい)

女友達が「最近の下着って、流行りの“くすみカラー”が多いよね。下着くらいビビッドな色の方が元気出そうなのにね」って話してるのに対し
「私もこの前、女物の下着を買ったんだけどさ……」と言ってから、
「(やってること普通なのに言ってることが変態っぽいのは何故?)」って思ったり

男友達から恋愛相談を受けて答えてると「なんでそんなに男の気持ちがわかるんですかー!」って言われたり

便利なこともなくはない


ただ、女の容れ物に入っていることで便利だなと思うことも全くないわけではありません。
それは、街で迷子を見かけた時と、街で困っている小中高生を見かけた時と、道や駅などで具合の悪そうな女の人を見かけた時と、道で倒れているお年寄りを見かけた時です。
見た目が普通(体重が重いかどうかは今 関係ない)のおばちゃんだと、圧倒的に警戒されることなく頼ってもらえます。
私は見た目がお節介おばさんのお節介おじさんなので、しょっちゅう迷子を親と引き合わせ、困ってる知らない子どもの相談に乗り、具合が悪い人にポカリを買って渡して家まで送り届け、時には救急車や警察を呼んだりしていますが、
もし私が本来の容れ物(男の身体)に入っていたとしたら(それは取りも直さず私の父親と同じ外見だったということなので、正確に想像が付くのですが)、
ここまで警戒せず人に頼ってもらえることはなかったと思います。

……などと綺麗事を書いていますが、
本音を言えば、人助けなんかしなくていいからちんこ欲しかったな。

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