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ニュージーランドでビールに浸る

200を超えるブリュワリーがあるニュージーランド。
ビールの製造に欠かせないホップはニュージーランドの主要な産物のひとつであり、輸出もされている。

だからこそこの国のビールは多種多様で、とにかく楽しくて美味しい。

月曜日の職場で同僚に『週末は何してたの?』と聞かれて、「とくに何も。昼間からビール飲んでた」と答え、同僚に『めっちゃキウイスタイルじゃん!』と爆笑される。
そんな私の飲んだくれ備忘録。

★★★★★…超おいしい 絶対にまた舞う
★★★★☆…すごくおいしい きっとまた買う
★★★☆☆…おいしい 気分しだいでまた買う
★★☆☆☆…まあまあ セールしてたら買うかも
★☆☆☆☆…私には合わなかった

※注意※
味は私の感覚です。誰もがそう感じるとは限りません。「おいしさ」は私の主観です。
したがって、星の数はあてにはなりません。私に合うか合わないかというだけです。
そもそも、自分のための備忘録なので。

※時間があるときにゆっくりと更新します。


ビールの種類

ビールは種類によって味わいに特徴があるので、覚えておくと買うときにイメージの味に近いビールを買うことができます。

ニュージーランドでよく見かけるビールの種類と特徴を書いておきます。

まず、ビールはラガー(Lager)とエール(Ale)の二つに分けられます。

ラガーは10℃以下の低温で発酵させたビールで、軽い味が特徴です。

いくつかの種類がありますが、いちばん有名なのが「ピルスナー(Pilsner)」です。
黄金色で、辛口ですっきり、のど越し爽やか。という特徴で、世界中でその国の定番のビールといえばこれです。

とくに何も書かれていないビールの場合は、ピルスナーだと思って間違いないです。
キンキンに冷やして、爽快さを味わいましょう。

エールは15~25℃くらいの温度で発酵させたビールで、歴史としてはこちらの方が古いです。
香りが高く、複雑な味が特徴です。ラガーを飲み慣れているとクセがあって呑みにくいと感じることもあります。
製法によって種類が多く、味わいも全く異なります。
冷やしすぎると味や香りを感じにくくなるので、飲む前に少し冷やすか、しばらく常温に置いてから飲む方が美味しく感じられます。

・ペールエール(Pale Ale)
Pale は「薄い」という意味で、色が薄いことを示します。
といっても、ピルスナーよりは濃いことが多く、昔のエールは茶色っぽかったことから「薄いエール」ということで Pale Ale と呼ばれます。

ホップの華やかな香りと苦みが特徴です。
メーカーによってだいぶ味わいが異なるので、自分に合う一杯を探すのが楽しいビールです。

・IPA
India Pale Ale のことで、イギリスでつくられたペールエールをインドまで輸送するために防腐剤としてのホップを大量に使ったのが始まりです。
華やかさや青草のような香りといった、ホップの香りを強く感じます。苦みも強いので、苦いビールが苦手だと飲みにくいです。

・ヘイジーペールエール (Hazy Pale Ale)
・ヘイジーIPA (Hazy IPA)
「霞んだ」という意味の Hazy が冠されたビールです。にごり酒のような見た目です。
濁りは麦芽のたんぱく質やホップの香り成分からできています。

ホップの香りをつよく引き出しつつ、苦みを抑えるという製法でつくられています。
したがって、華やか、トロピカル、カンキツ、といった香りが強いのが特徴です。
苦みは少なく、ビールが苦手でもこれだけは飲めるということもあります。

・スタウト (Stout)
いわゆる黒ビールです。
麦芽を乾燥させるときに温風を当てるのですが、黒くなるまで温風を当てた麦芽を使ったビールがスタウトです。

コーヒーのようにローストの香りと苦みを感じますが、ホップの苦みは少なく、他のビールとはことなる苦みがあります。


・白ビール (Wheat Beer)
ビールは大麦を原料として作られますが、小麦 (Wheat) もまぜて作られたのがこのビールです。
色がとても薄く、白っぽく見えることから「白ビール」と呼ばれます。

まろやかな甘さが大きな特徴で、苦みは少なく、華やかな香りがします。


・その他
American Pale Ale, Red Ale, New England Pale Ale など、いろいろな種類があります。
詳しくはそれぞれの銘柄の紹介で。


Steinlager


・Classic ★★★☆☆

日本の定番ビールより濃いめの味でしっかりとしたコクがあるので、冷やしてもその味を堪能できる。
かといってくどくなく、ホップのさわやかな苦みと辛口のキレで後味もすっきり。

乾燥した夏のNZでのどを潤すのにもってこいの一杯。

・東京ドライ ★★★☆☆

「ドライ」の名がついているように辛口で、すっきり。
苦みやクセが少ないため、クリアでのど越し爽やかという日本の定番のビールのような味を楽しめる。

Steinlagar のブランドを所有しているのが LION で、その LIONの 株式を所有しているキリンホールディングスにちなんで、日本式の製法でつくられたもの。


・Pure ★★☆☆☆

ほんのり香るモルトの甘みと、シンプルなホップの苦み。とくにモルトの甘みが全体的に優しくまろやかに感じる。
Classic よりもクセがなくクリアな味わい。

Tui


Speight's


Monteith's

・Original Ale ★★★★☆

重厚な苦みで、奥深い味わいのビール。
しかし、くどさなくて飲みやすい。
エールビールの基本をしっかりと味わえる一杯。

・Gold Dust Juicy Hazy Pale Ale ★★★☆☆

Juicy の名の通り、カンキツの果汁を思い起こさせる甘くて爽やかな香り。カンキツの香りと爽やかなホップの苦みで、グレープフルーツのような感覚になる。

・Sounds Hazy Pale Ale ★★★☆☆

豊かなシトラスの香りと深めの味わい。
苦みはほとんどなく、ビールの苦みが苦手でも豊かな香りと深い味わいをしっかりと楽しめる。
Hazy Pale Ale の特徴がしっかり出ている一杯。

・Black ★★☆☆☆

ロースト感はそれほど強くなく、酸味が目立つ。
苦さや重さはなく、あっさり系の黒ビール。

Mac's

・Interstate American Pale Ale ★★★★★

エールでありながらクセが少なく、ラガーのようにすいすいと飲める。
苦みは少なく、カンキツを思わせるポップの香りが加わって、さわやか。
エールの香りとラガーの飲みやすさが合わさった一杯。

・Black Mac Porter ★★★☆☆

ローストした麦芽の香りと苦み。
コーヒーのような典型的な黒ビールだけと、わりとあっさり。
 手軽に黒ビールを味わうにはちょうど良さそう。


・Hazy Showboat New England IPA ★★★★★

これは強烈!
プルメリア、イランイラン、ハイビスカスといった熱帯の花を思い起こさせる甘い香り。
缶に描かれている熱帯のジャングルのイメージそのまま。
苦みはほとんどなく、とにかく華やかという言葉がぴったり。
口当たりは柔らかめ。

ビールの苦みが苦手でも楽しめるはず。
とにかく飲んでいて楽しくなる一杯。

ニューイングランドはイギリスではなくて、アメリカの北東部の地域のこと。この地域が発祥だから。
IPAと名がついていても本来のIPAに特徴的な苦みが少なく、華やかな香りが特徴。

・Magic Hour Hazy Pale Ale ★★☆☆☆

フルーティーな香りがするものの、だいぶ弱め。苦みも少ない。
そのため、とくに香りが特徴の Hazy Pale Ale にしてはだいぶ物足りない。
味わいは深め。

・Apparition Hazy IPA ★★★★☆

わずかなシトラスの香り。若草のようなホップの香りは控えめ。
味わいは深めでモルトを少し感じる。
おとなしめのIPAという感じ。

Hop Federation

・Pilsner ★★★★☆

ピルスナーといえば、日本の定番ビールのようにすっきりののど越し爽やかというビールだが、これはホップの若草のような香りがガツンと来る。
後に残る苦みは少なく、ピルスナー特有のすっきり感は健在。
雑味なしでとにかくホップを味わいたいという場合におすすめ。

・Hazy IPA ★☆☆☆☆

ホップの若草のような香りとトロピカルな香りのバランスが良いので、香りを楽しめる。しかし、味わいが軽すぎてちよっと物足りない。

・APA ★★★★☆

爽やかさと深みの二つの苦みを同時に感じる。
ローストやカラメルのような焦がした苦みが広がり後にも残るので、最初から最後までしっかりとした深みを感じる一杯。

・Pale Ale ★★☆☆☆

しっかりとしたホップの苦みと麦芽のまろやかな甘みを感じる。
苦みが勝っていて甘さがうまく引き出されていないのがちょっともったいない気がした。

PhatHouse 

・Midnight Espresso Coffee Stout ★★★☆☆

深くローストした麦芽の豊潤な香り。豊かなローストの苦みはあるものの、後を引く苦みはほとんどなく味わいはすっきり。黒ビールが苦手でもその魅力を楽しめそうだが、深い黒ビールを求めると少しあっさりしすぎ。

・Phat Pale Pale Ale ★★★☆☆

まろやかなモルト。
苦みは控えめで、味わいはクリア。
エールの入り口として飲みやすい。

・All Day Sesh IPA ★★☆☆☆

わずかなロースト感とモルトのまろやかさを感じる。
IPAにしては苦みやホップの香りが少なく、物足りない。


Lakeman

・Stout ★☆☆☆☆

一般的に黒ビールは深い苦みが特徴的だけど、これは苦みは控えめで酸味が強め。
味わいもあっさりめなので、黒ビールの深い味わいが苦手でも楽しめるかも。
逆に、黒ビールの深さを期待するとちょっと物足りない。

・Taupo Thunder NZ Pale Ale ★★★☆☆

わずかなシトラスの香りと強い若草の香り。
ニュージーランド産ホップががっつり効いている。
味わいはクリアで、ホップの苦みをしっかり楽しめる。

・Lager ★★★☆☆

ふんわりとした麦芽の甘みとまろやかさを感じる。
苦みは少なく、味わいはクリア。
麦芽を感じることができる優しいビール。

・5 O'clock Somewhere Hazy IPA ★★☆☆☆

シトラスの香りと強めの苦み。ホップが効いている。
味わいはやや複雑で、スパイシーな苦みが残る。

・Big Hairy American Pale Ale ★★☆☆☆

注いだ瞬間に強く感じるカンキツのようなホップの香り。そして喉を刺激するスパイシーな苦み。
とにかくホップが強い。
味わいはクリア。

・Hairy Hop IPA ★★☆☆☆

スパイシーなホップの苦み。
苦みはあまり強くなく後を引かないが、スパイシーさが刺激的。
味わいはクリアでシンプル。

・Primate Pilsner ★★★☆☆

若草のようなホップの香りがやや強め。
わずかなモルト感と、クリアな味わい。

Sawmill


・White Hazy IPA ★★★★☆

大麦麦芽に小麦麦芽を合わせて作られた白ビールの一種。
カンキツの香りが高く、ホップの青草のような香りもたっているので、とても爽やかなビール。
口当たりがなめらかで飲みやすい。

・Vintage Barleywine ★☆☆☆☆

柔らかな麦芽の甘みを最初に感じ、続いてローストしたホップの香ばしさが広がる。
苦みは少ない。
どっしりとした深い味わい。
しかし、10.5%と高い度数のために、強めにアルコールを感じて、深い味わいが消されてしまうのが惜しい。

・You Do Yuzu Hazy Pale Ale ★★★☆☆

シトラスのフルーティーな香り。
苦みは弱めで、わりと深い味わい。
柚子の香りはするけどだいぶ弱めで、「言われてみれば柚子っぽい」と感じるくらい。

・Hazy Riwaka IPA ★★★★☆

Riwaka ホップによる、それほど強くないけどしっかりしたトロピカルフルーツの香りと、若草のようなフレッシュな苦み。
味わいはやや深め。

Moa


・Hazy Pale Ale ★★★☆☆

オレンジのような香りで、さわやか。
ホップの香りと苦みは強くなく、ビールが苦手でも楽しめそう。

・Motueka Hazy IPA ★★☆☆☆

ポップの苦みがしっかりとくる一方で、味わいはラガーのようにあっさり。
純粋に深いホップの香りを楽しめるが、味わいの特徴が捉えにくいのがちょっともったいない。

Stoke

・Hazy Juicy Pale Ale ★★★☆☆

甘いパイナップルのような香りが広がり、苦みはほとんど感じない。
シンプルで軽い味わい。ビールというよりカクテルのような雰囲気。

ビールの苦みや複雑な味が苦手でも楽しめると思うが、ホップの豊潤な味を求めるとちょっと物足りない。

Garage Project


・HĀPI DAZE Pacific Pale Ale ★★★★★

南国のフルーツを思わせるトロピカルな香り。
ホップの青草のような香りと苦みがかなり強く、ホップ好きじゃないときついかもしれない。
ガツンと来る刺激的なビールが欲しい時には最適。

Emerson's


・Dear Dublin Irish Stout ★★★★★

深くローストした麦芽の豊潤な香りと深い苦み。
わずかに香るホップ。
酸味はなく、黒ビールの深みをしっかりと味わえる。

・Rebel Red Irish Red Ale ★★★★☆

少し焦がした麦芽のロースト感による苦みがあり、ホップの香りは弱め。
酸味は少なく、どっしりとした味わいを楽しめる。
一気に飲むよりも、ゆっくり飲む方がちょうど良い。

NZで Red Ale は珍しい。

・London Porter ★★★★★

かなり強いロースト感。
同じ系統の "Dear Dublin Irish Stout" よりホップが効いていて、苦みも強め。
黒ビールの深さを追求した一杯。
初心者お断りの感じだが、黒ビールを追求する方にはおすすめ。

・Juicy Gossip Hazy NZ Pale Ale ★★★☆☆

柑橘系のホップの香りがガツンと来る。深い苦み。
やや複雑な味わいだけど、飲みやすい。

Tuatara

・Regenerate Hoppy Pilsner ★★★☆☆

ピルスナーにしてはにごり感があるめずらしいタイプ。
モルトのまろやか感がしっかりしていて、ホップの苦みは少なく、全体的に丸くふっくらした感じのビール。

・Hazy Pale Ale ★★☆☆☆

爽やかなカンキツの香りと青草のような苦み。
味わいはクリア。
苦みはけっこう強めで後に残る。

・Hazy IPA ★★☆☆☆

マンゴーや桃のような甘めのフルーツの香りがあるものの、控えめ。
若々しいホップの香りは強い。
味わいは軽い。
香と苦みのバランスが合わない。

Parrotdog


・Yellowhammer Hazy Pale Ale ★★★★★

パイナップルのような甘くて華やかな香りと、青草のようなさわやかな香り。
味わいは軽いけど、二つの香りのバランスが良く、後に残る苦みも嫌な感じではなくすっきり感を楽しめる。

・Stout ★★★☆☆

ロースト感はそこまで深くなく酸味が少しあるため、軽めの黒ビールとなっている。
ホップの苦みは強め。

Cassels

・Fogged Up Hazy Pale Ale ★★★☆☆

爽やかなカンキツの香りをしっかりと感じる。
苦みは少ないものの、青草のようなホップの香りは強め。
ちょっと刺激的な Hazy Pale Ale を飲みたいならちょうど良いかも。

・Lager ★★☆☆☆

クリアであっさりという典型的なピルスナースタイルのラガー。
ホップのフレッシュな苦みがあるもののそれほど強くないので、ホップ感が苦手でもホップの香りを楽しめるはず。

・American Pale Ale ★☆☆☆☆

スパイシーなホップの苦みがかなり強い。
一方で、味わいはラガーのようにあっさり。
ホップがとがりすぎてバランスが難しい。

・Nectaron IPA ★★★★☆☆

パイナップルのような華やかな香りがして、すぐにフレッシュな苦みに変わる。
味わいはとてもクリアでさわやか。
Nectaron ホップの香りと苦みを思いきり楽しめる。
※Nectaron Hop…NZで開発されたホップ

・Woolston Pale Ale ★★★★☆

濃厚なトロピカルな香りと青草のようなホップのフレッシュな香り。
二つの香りのバランスが良く、苦みが後を引かないクリアな味わいと相まって、華やかでありつつも爽快な一杯。

・Milk Stout ★★★★★

かなり強めのロースト感に加えて、味わいはかなり深いので、濃厚に感じる。
一方、後に残る苦みは少なく、黒ビールの深みを楽しめる。

・Double Cream Milk Stout ★★☆☆☆

かなり深めのロースト感で、カカオのような苦み。
刺激的なホップの苦み。
そして、8.1%という強いアルコール。
黒ビールを極めたいという上級者向け。

BRB


・Southern  Pale Ale ★★★★☆

濃いめのホップの苦みにわずかなロースト感という、深みのある味わい。
深い味わいのビールをしっかりと味わいたいときにちょうど良い。

・APA ★★☆☆☆

最初にモルトの甘みが口に広がる。ホップの苦みが強めで、のどに残る苦みのクセがかなり強い。味わいはかなり深め。

Spring + Fern

・Norty Chocolate Porter ★★★★☆

コーヒーのような強めのロースト感と軽めの苦み。
味わいはあっさりで、黒ビールの魅力を気軽に楽しめる。

・The Goat Doppelbock ★★★☆☆

NZでは珍しい、ドイツ系の Doppelbock スタイル。
麦芽のまろやかな甘さとロースト感を同時に感じる。
味わいは深めで酸味が少し。
麦芽を楽しめる一杯。

・Broken Axe Scotch Ale ★★☆☆☆

かなり強めのモルトの味わいがどっしりとくる。
ローストしたモルトのカラメルのような香り。
ホップの香りは少ない。
6.5%という高めのアルコールも加わって、とにかく深い一杯。


McLeod's


・Paradise Pale Ale ★★★★☆

かなり強めのカンキツの香りと、甘いトロピカルな香り。
強めの若草のようなホップの苦み。
クリアな味わい。
ということで、実に爽やか。カンキツの香りと苦みはまるでグレープフルーツ。


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