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小休止の提案

朝 昼 夜
家族には秘密の文字の交換がリズムをなし
それが軽快な時はそのままでいい

ただ
このリズムが背負う運命(さだめ)なのだろうか
月日の中でマンネリズムへと形を変え
軽い筋肉痛のよう

ある日
あなたの意識の主が
いつもの時間に返信しないという行動によって示された
小休止の提案

代わりに
どっくんどっくん
動悸を打ち始める私の心臓

表の私には冷たい風が吹き荒ぶ
でも
裏の私はどこか安堵を覚えている

 本当は
 そろそろ休みたかった

この小休止は
あなたからの提案でもあり
水面下の私からの提案でもある

全ては秘密の絆とその輝きを守るため

輝きを保てなければ
家族という元の鞘へ戻るのが賢明
そんな間柄だから

握りしめていたスマホはバッグの奥にしまい込む

行間よりも広い隙間から垣間見えるもの
心臓に流れ込み
漲るのを感じる愛おしさの記憶
そして欠乏

遠くから
次なるリズムへの胎動が聴こえる

さあ
もう一度作っていこう

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