マガジンのカバー画像

無題

17
ノージャンルで言葉を紡ぐ、自由な随筆。
運営しているクリエイター

#新年

1月7日——七種粥に舌鼓

カレンダーを見たら「小寒」とあった。昨日のことだ。 ここから節分までさらに寒さが厳しくなるらしい。【寒の入り】。 今日が何の日か、私は忘れていない。午前の仕事を切り上げて、近所のスーパーに向かって「【春の七草】セット」を買う。 積み重なった山から1パック手に取ってカゴに入れるだけでいい、便利な世の中。だって、想像してほしい。昔の人はきっと極寒の野原を見渡して、雪の下から微かに春の兆しを伝える七草を探し、家族の分を摘んで帰ったのだから。 湯を沸かし、青菜を刻んで塩でさっと

1月1日——元日の夜明け来たりて

年越しの季節がやってきた。 紅白歌合戦を見終えて、「蛍の光」を聴いて、「ゆく年くる年」を見て。 ゴーン、とテレビ越しのどこかの神社で除夜の鐘が鳴ったら、みんなで口々に新年を祝いあって——これを【御慶】と言うらしい——、それぞれの部屋へ帰る。 それが我が家のお正月。 【初日の出】を見る人は、早起き。 日が昇るまで寝ていたい人は、スヤスヤ夢の中。 【元旦】の食卓は、関東風の鶏ガラの【お雑煮】。餅つきをした近所の人がおすそ分けしてくれた、新鮮なお餅をこんがり焼いて中に入れる