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自灯明法灯明 Podcast #22 George Pohleさん Part 3

このPodcastでは、私がスティーブン・バチェラーさんのセキュラーな仏教のプログラムで出会った欧米の方々にインタビューをしていきます。先週に引き続き、アメリカ在住のGeorge Pohleさんにお話をお伺いします。

英語+日本語版(逐次通訳)

英語版

George Pohle さん
アメリカ・フロリダ在住。NASA、TEXACO、Shellでキャリアを重ね、退職を前に精神的な不安を抱えていた頃に心理療法士より勧められて瞑想を始め、仏教に出会う。チベット仏教の寺院にも通ったが、献身的な信仰への抵抗感から、現在はより現代的な瞑想のグループに参加しながら、パーリ語の初期仏典を読み、瞑想、法話の視聴を続けている。

今回のエピソードから、印象に残ったところを取り上げてみます。

スティーブン・バチェラーさんの影響で、ギリシャ哲学に興味を保つようになりました。いま読んでいるのは、ストア派のマルクス・アウレリウスの「自省録」(英語タイトル Meditation)です。Meditationというタイトルからは、座ってする瞑想をイメージするかもしれませんが、そうではありません。考えることを、知的に、システム的に、問題を分析していくもので、ストア派が信じていることや提唱していることを端的な文章で示しています。ストア派と仏教には、物事は移ろいゆくものであると考えていることであったり、似ているところもあります。一方で、宗教にならなかったものと、宗教になったものという違いもあります。

私が仏教の問題の一つとして捉えているのは、仏教の考え方を行動に移すこと、いかに世の中、人生に持ち込んでいくのかということだと思っています。自分自身は常にそこに関心を持ってきました。社会には色々な課題があります。貧困、飢餓、気候変動といったことなどです。これは長い道のりと捉えたいと思っています。いきなりスーパーで知らない人に話しかけるということはしませんが、何らかの形で出会った方々には、できる限り正直に、包み隠さず、適切なやり取りをしていきたいと思っています。

私は、自分の人生と仏教とをいかに組み合わせていけるかに興味があるのです。八正道は、自分の人生を考える上でとてもよい枠組みだと思っています。適切な見方をすること、適切な意図を保つこと、適切な行動を取ることといったことです。Sam Harrisさんの表現を借りると、仏教のおかげで幸福度が10%は上がったと思います。全ての問題が解決するとか、幸せが2倍になったとかいうことではないと思うのです。私にとっては、人生の大変なところ、角を取ってくれるのが仏教だと思っています。何かに反応するといった反応性を軽減してくれました。もう以前よりも怒らなくなりました。

参考:スティーブン・バチェラー Stephen Bachelor
イギリスの仏教者、瞑想指導者。初期の経典(パーリ仏典)に遡り、仏法(Dharma)を現代に生かすための再解釈を行なってきた。チベット仏教僧、禅僧としての修行・指導を経て、ヨーロッパを拠点とした瞑想指導を行いながら、1980年代から、欧米におけるセキュラーな仏教(宗教性のない、世俗的な、時代にあった仏教)を牽引している。邦訳に、ダルマの実践(四季社、2002年)、藤田一照訳(原著:1998年 Buddhism without Beliefs - a contemporary guide to awakening -)がある。

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