小説:「一寸先は光りと望み」第1話-①
【あらすじ】
バラエティショップのコスメコーナーで働く三空光は、仕事も家庭も順風満帆な一児の母。化粧品には、気持ちや日常までをも彩ることができると信じ、同僚やクレーマー、母親に連れられてきた男子学生、婚活中の女性たちの人生に花を添えていく。
ある日、「恋に効くもの、ありませんか?」とうつろな目で前田望美が声をかけてくる。彼女の様子が気になりながらも、丁寧に応対した光。
それから数週間後、電車に乗ろうとホームに向かう光の耳に、電車の急ブレーキ音と悲鳴が届く。視線をやるとそこには