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青として、恋のような

最初から一人ぽっちの恋だから 大海原で赤い糸噛む

三日月の舟ごと沈む切なさはシーツの波に寄せては返す

うつつとは思えぬ夜の逢瀬から庭の白露止めどなく編む

思い出すのはその広い春のような背中ばかりで 雨柔らかに

あなたとの距離は百里を越えるから洗面台で月を映して

車窓から海が見えたら青として生きよ 終点三崎口駅

(「みずつき」9,2020年初夏)

 初投稿連作でした。今思えば脈絡の無い水関連の短歌を集めただけのデコボコな印象の連作ですが、一首ごとはそれなりに思い入れがあります。

 一首目は夜中に自分の境遇を泣きながら作った一首。

 二~五首目は(一首目もそうですが)遠距離恋愛を題材にしたものです。

 六首目は高校三年生の時に、受験勉強がなんとなく嫌になって終点の方まで電車を乗ったら海が見えて気持ちが良かったという一首です。…が、全体としては失恋から立ち直る歌とも読めますかね笑

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