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業務データをSharePointOnineへ移行した話

各種業務データをSharePointOnlineへ移行するPJを実行し、なんとか終了させることができたので記念にアウトプット。

今後、データ基盤としてSharePointへの移行をするかもなーみたいな人の、ちょっとでも参考になれば幸いです。

移行する前の状態はどうだったのか?

まずは参考程度に、会社の情報を簡単に書いてみました。
(一部フェイクも入れております)

・設立数年目のベンチャー企業(非IT事業会社)
・従業員数約150人程度(業務委託含む)
・オンプレ資産なし
・PCはWindowsのみ
・M365 Business Standard導入、全社展開済み
・コミュニケーション基盤はSlack
・社内のITリテラシーは、低いわけではない
(Teamsの会議開催・参加くらいなら、それぞれ独力でできる程度)

で、肝心のデータ保存はどういう運用になっていたかというと、しっちゃかめっちゃか状態。調査したところ、メインで使用していたツールは3つでした。
データ保存サービスを2種類と、Slackですね。
なぜこんなことになってしまったのか・・・。まあツールが乱立してしまうのはベンチャー初期あるあるなのかもしれませんね(?)

Slackはデータ保存サービスではないのですが、
😃「最新版?あ〜Slackのhogeチャンネルにアップロードしてるやつだよ」
みたいなことが普通に行われていたりとかね。きっとあるあるですよね情シス先輩方?・・・え?ない?

まあ当然、これらをうまく使い分けられるはずもなく・・・。
以下のような問題が発生していました。
・どこになんのデータが保存されているのかわからない
・最新版がどれかわからない
・だれがなんのフォルダを見えるのかわからず、利用者・管理者双方で手間が発生

これらの課題を解消するべく、白羽の矢が立ったのが2月に入社したばかりの私だったわけですね。

なぜSharePointへ移行することにしたか

結論:M365を中心とした社内IT環境を目指すこととしたから

経営層もふくめて相談をおこなった結果、上記結論にいたりました。
・業務においてOfficeソフトは必要であること
・今後情報セキュリティ面の強化も必須であること
・社内IT環境を改善してはいきたいものの、潤沢な予算は用意できないこと
上記のことから、M365を使い倒していくほうがいいんじゃないっすか?という提案で進めました。
私がジョインした時点では、M365はOfficeソフトとメール用途でのみ使われているのが実情で、EntraIDなどは活用できていない状態でしたし。プランをアップグレードする必要はありますが、IntuneやMicrosoft Defender for Business(EDR)も使えますからね。

SharePointで守ったほうがいいこと

SharePointでいくぞ!と決めたはいいものの一つ問題がありました。
そう、恥ずかしながらワタクシ、SharePointの構築経験ないのでした…。

↑ いやーほんとこれが脳裏によぎりました。
まあでも、ピンチはチャンス!ということで、SharePointについて猛勉強しました。こんなときに頼りになるのはやはり情シスSlack。過去ログを見まくりました。本当にありがとうございます。

他にも、以下の通り数多くの情報を参考にさせていただきました。

・Microsoft Learn(公式ドキュメント)
 https://learn.microsoft.com/ja-jp/sharepoint/

・Sharepoint Technical Note
 https://shanqiai.lekumo.biz/sharepoint_technical_note/

・ひと目でわかるMicrosoft 365 SharePoint運用管理編
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%B2%E3%81%A8%E7%9B%AE%E3%81%A7%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8BMicrosoft-365-SharePoint%E9%81%8B%E7%94%A8%E7%AE%A1%E7%90%86%E7%B7%A8-%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%82%A4%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE-%E5%B9%B3%E9%87%8E/dp/4296080059

・学びのよろず屋
 https://www.youtube.com/@manabinoyorozuya

そして、最低限守るべきルールとして以下を周知することにしました。

・フォルダ階層を浅く保つこと
・権限設定はシンプルにすること
・外部共有の設定は特に注意すること
・最新のデータは必ずSPOに保存すること

SharePointは本当に多機能で、使いこなせば非常に生産性向上につながるツールだと思いますが、なかなかそこに至るまでのハードルは高いなと感じました。
例えばメタデータなんかがそうですね。すごく素晴らしい機能だと思いますし、個人的には使いこなしてみたいと思うのですが、これを全社員に強いるのは逆にストレスになりかねないかな…なんて危惧してしまいました。

なので、この移行PJ時点では、最低限守って欲しいルールのみをアナウンスすることとしました。より便利に使いこなしていくのは、のちのち勉強会を開いたりできたらいいな〜なんて思っています。

移行はどうやったのか

私が一括で移行するのではなく、各部署と協力しながら移行しました。
・サイトの構築・設定は私が実施
・データをどのように分けるか(ドキュメントライブラリをどう作るか)
 各部署とヒアリングして設定
・各部署から担当者を選出していただき、その部署に関係するデータはその部署が責任を持って移行
といった流れです。複数部署に関係するような資料については、こちらで調整・移行を実施しましたが、基本的なデータ移行は各部署に主体的に実施してもらうよう協力をお願いしました。

このように進めた理由としては、
・フォルダ階層を浅く保つこと
としたことが関係しています。

データを保存するとき、一般的に業務種類や日付などでフォルダを作成し、その仕分けに応じて保存していくと思います。昔ながらのファイルサーバーを利用したことがある人はイメージがつきやすいと思います。

長年使えば使うほど、階層が深く複雑に・・・

この構造を、SharePointでそっくりそのまま移行しまうのはNGとされています。結局フォルダをひとつひとつたどっていく必要があったり、検索に時間がかかってしまったりして、目的のデータへ素早くアクセスすることができる環境にはなり得ないからです。詳細はSharepoint Technical Noteにわかりやすく記載されているので、そちらを確認いただいたほうが確実かと思います!

実際にSharePointへの移行を実施してみて、Sharepoint Technical Noteに書かれた下記文章に首を縦に振りすぎて首がもげました。

そもそも「移行」という言葉は誤解を招くと私は考えており、新たな環境に「再構築」するという方が適していると思います。

出典:https://shanqiai.lekumo.biz/sharepoint_technical_note/2022/04/sharepoint-filemanagement-from-my-point-of-view.html

まさに再構築…!
既存の複雑怪奇なフォルダを「分解」してSPO上に「再構築」することとなったわけです。


実際に移行してみた結果

いやはや、めちゃくちゃ大変でした。
でも、以下の通り成果も得られたので、なんとか無事に終わりホッとしています。

・SharePointの知識習得、構築経験が積めた
・データが一元管理され、当初の課題が解消された
・外部共有を活用することで、PPAPを廃止できた
・既存ツールを廃止し、コスト節約に貢献できた
・社員からも全体的に好評で、ポジティブな意見を多く頂けた

ただ単にデータをコピーするだけ、という安易な手段をとるのではなく、きちんと構築できてよかったと思っています。
前向きに協力いただいたメンバー、理解いただいた経営層に支えられてなんとかできたなぁという感じでした。

終わりに

SharePoint使いにくい、なんて意見もいろいろ見聞きしたのですが、移行して使ってみるとそんなに悪くないツールだと思いました。
どんな道具であっても、いかに上手に使いこなすかですよね、きっと。

しかし奥が深い世界なので、もっと使いこなせるように勉強していかんとな…と思う日々です。今回はこんなところで。
読んでいただき、ありがとうございました!

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