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「大陸電気力学」?

 19世紀における電磁気学の成立過程において語られることが多い「大陸電気力学」(Continental Electrodynamics)。  通常の通史的な理解[1]では、19世紀初頭(ちょうどエコール・ポリテクニクの形成と同時期ぐらい)にラプラスのパラダイム――物理現象を距離の逆二乗に比例する遠隔力が働く不可秤量な(imponderable )流体の運動に還元する――にしたがって、電気・磁気作用を数量化したフランスのビオやポアソン、同じく遠隔作用の立場に基づいた理論をつくっ

    • 自己紹介

      Yuto.Tです。以下の興味関心に沿ったツイートが多めです。 興味関心 ・科学史 主に19世紀-20世紀初頭にかけての物理学史で、特に電磁気学史に興味がある。目下のテーマは、19世紀における磁性体に関する理論の進展。(どのような理論的、実験的、社会的背景から、物体の磁性というマクロな現象を分子のようなミクロな要素によって説明するという考えが生まれたのか。)他にも、明治時代日本における電磁気学やベクトル解析の移入、19世紀イギリスにおける「エンジニア」層の形成など、関心は多

    「大陸電気力学」?