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『蜘蛛の糸』が収録された本が家に6冊ある


 違うんです。
 『蜘蛛の糸』コレクターなわけではないんです。ただ結果的にそうなってしまっているだけなんです。

 ただ、せっかく6冊も私の元へ集まってきてくれたので、購入順に紹介しようと思います。



1冊目 角川かまわぬカバー『蜘蛛の糸・地獄変』

 多分1番最初に買った『蜘蛛の糸』です。やはりかまわぬカバーは可愛い。角川は買いたくなる表紙を作るのが上手いなあと個人的に思います。


2冊目 新潮文庫『蜘蛛の糸・杜子春』

 これは大学生の時に買いました。
 卒論で芥川龍之介の児童文学をやったので、芥川と児童文学が全て収録されている新潮の『蜘蛛の糸・杜子春』はかなりありがたかったですね。


3冊目 全集(岩波)第2巻

 猫の毛だらけですみません。めっちゃ猫の毛つくんですこの本。
 これは社会人になってから買いました。
 岩波の全12巻の全集ですね。毎日ちまちまと読んで、ようやく第6巻の折り返し地点を通り過ぎました。毎日一編ずつ読んでいたからこそ『蜘蛛の糸』を再読した時、なるほどこれは傑作だなと思ったのを覚えています。
 というか、この頃(大正7年)の芥川龍之介はすごいです。大正7年の作品に『蜘蛛の糸』『地獄変』『開化の殺人』『奉教人の死』などがあります。強すぎるラインナップ。
 岩波の全集は年代順に収録されているので、読んでいる時はかなり凄みがありました。


4冊目 雑誌『赤い鳥』復刻版

 これは雀の涙ほどのボーナスをはたいて買いました。
 『蜘蛛の糸』は第一号に収録されています。挿絵が入ってるのがいいんですよね。
 赤い鳥1号には芥川の他に、北原白秋、島崎藤村、泉鏡花、徳田秋声などが寄稿していてかなり豪華です。創設者の鈴木三重吉が漱石の門下生なので、そこで繋がった人たちが多いのかなという感じがします。


5冊目 近代文学館『傀儡師』復刻版

 これは本当に最近買って、一昨日届いたばかりです。まだ読んでません。しかしやはりかっこいい。
 出版された当時を再現して作られているだけあって、かなり特別感があります。昔の本って箱付きで、そこもまたいいんですよね。


6冊目 角川100分で楽しむ名作小説『蜘蛛の糸』

 これはまさに今日、いまさっき買いました。もう見てわかる通りのパケ買いですね。角川は、手に入れやすくてカバーが可愛いので、ついうっかり買ってしまいがちです。
 字が大きいので、おばあちゃんになっても読めそうです。素晴らしい。



 『蜘蛛の糸』は知名度が高く表題作に選出されがちなので、たくさんあることが実感しやすいです。
 あまり収集癖がなく、かつ芥川を好きになってから日も浅い若輩者の私でこれなので、もっと歴の長くて収集家な人はすごそうですね。

 同じ作品でも、単行本収録に際して変更されてるからその比較のために……とか、初版だと文章がこうだけど2刷目以降は差し替えられてるから比較のために……とか。
 そういう集め方したら、もう大変なことになりそうです。大変そうだけど、楽しそうです。

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