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「その女、ジルバ(第3話)」役者たちの演技が光る、深夜に沁みるドラマ

金曜の23時代に、ずらりとドラマが並ぶ状態の中、このドラマだけは、時間にあった内容で、しっかりとした感じに仕上がっている。そう、深夜帯だから、こういう心に沁みる題材はいいと思う。多分、一緒にお酒を飲みながらでもちょうどいい感じである。

今回が3回目だが、今回のラストのパーティーシーンをみていて、このお店、広さといい、作りといい、とてもいい感じのお店だと思った。とにかく、お客さんが自由に動けたりするくらい広さがある。そして大きなステージ。広さがあると、ダンスもできる。昔の社交場としては、こういうところは結構あったのではないか?そして、こういうお店の上にグランドキャバレーみたいなところもあった訳である。昨今は、ビルのテナントを少しでも多くするために、狭いスナックやクラブが多いが、アフターコロナでは、このくらいのクラブやバーが賑わうことになるのではないか?と少し思った。

今回は中田喜子の結婚詐欺にあった経緯から、人生のほろ苦さを語るドラマ。その詐欺男を演じる人、誰かと思ったら、大石吾朗さんだったんですね。歳をおとりになったものである。中田喜子は、シワこそ増えているが、「岸辺のアルバム」に出ていた頃から雰囲気は変わらない。そして、中田さん、可愛さをうまく表現していらっしゃる。最近は、化られる分、女の方が若く見える時代なのかもしれない。

そして、今回のもう一つの動きは、会社の同僚の江口のりこと真飛聖が、「ジャック&ローズ」のお客としてデビューしてしまうというトピックスがある。昨日の書いた「俺の家の話」の中でも江口のりこの話を書いたが、本当に、最近のバイプレーヤーの動きの中では、一番目立っていることは確かである。最後の真飛と会社で会話をするときの表情も実にリアルな感じでよかった。このドラマ、現在の高齢者の問題を色々と真正面から描いている点では、多分、ドラマが終わった後も、ストリーミングなどで、何度もみられる作品になると思う。リピートしても飽きないくらいに役者の演技はしっかりしている。

その江口はいつもは、バナナを持っているのに、バーに付き合った後、茶色い袋を持ち歩いてるのがすごく気になっていたが、これが、「ジャック&ローズ」に対して、リスペクトのプレゼントだったんですね。なかなか、この流れは好きでした。

次週の予告を見ると、真飛さんが、きれいになってきて、宝塚の人に戻ってきている。そして、中尾ミエさん登場。どんどん楽しい異空間になっていく感じが「観たい」につながるのは、上手い脚本なのでしょうね。とにかく、役者たちに惹かれるドラマである。

アフターコロナ、飲み屋の空間は、昔の雰囲気に戻っていくような気がしますよね。そして、そこは日常から解放される最高のエンターテイメント空間であるべきなのだとこのドラマを見ていて思ったりもします。

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