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「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜(第6話)」マラソンの伴走と恋の伴走と

このドラマ、毎回、視覚障害者の生活の問題の一つ一つにフォーカスを当てることで成立している感じで、観ている方としてはとてもわかりやすい。ある意味、回を飛ばしても理解できる感じなのは、テレビドラマにとっては有効だと思う。

今回は、マラソンの伴走をする話から、恋模様のお話に。そして、最後に杉咲と杉野のキスでまとまる感じ。まあ、恋の花が咲き続ける回でしたね。

今回の主役は杉咲の同級生の田辺桃子。彼女は走ることでは負けたくないということで、マラソン大会に向けて特訓中。障害物につまづき倒れることが何回か続く。ここで、夜の方が白線がみやすいから夜走るというのは、私的には新しい発見。そう、健常者からしたら、絶対夜の方が危ない感じがするが、弱視の人は色ではなく濃淡を感じているということなのでしょうね。

そして、マラソンの伴走者とを繋ぐヒモのことを「キズナ」というのも知らなかった。障がい者のための道具の名前は、あくまでも前向きなものにしてあるのだろう。こういう名付けも、バリアフリーで、世の中の全てのものの名前が前向きになる日が来るといいなと思ったりする。考えれば2、30年前に比べれば、障害者を差別するような名前で呼ばなくなった今日ではあるが、それでも、健常者に内在する差別的な見方は完全に拭い去られた訳ではない。私はエンジニアだったが、設計者が左右非対称なものを「チンバ」というのは今もあることだし、世の中には無意識にそういう言葉は残っているのだ。そう、バリアフリーとは世の中から汚い言葉を一掃する運動なのかもしれない。そういう気持ちを皆が持てば、言葉を大切にしていけば、確実に前に進むということだ。

そう、杉咲の職場でも、先週いがみ合っていた同僚とうまくいってきている。そう、人の優しい心が明確なら、そして、友好に向かう気持ちが明確なら必ず、どんな障害があろうが、前に進めるということをこのドラマは描こうとしている。そう、それを綺麗事だという人はまだ多いだろう。でも、こういう形でドラマにして提示することが意味あることなのだと思う。

田辺が悩んでいるのを、杉咲と杉野がなんとかしようとして、杉野が田辺の伴走をして練習をする。杉咲が杉野に渡したコースは、視覚に訴えなくても、二人が目一杯楽しく走れるコースだった。そう、これ、五感を目一杯に感じながら散歩やジャギングをすれば、世の中、目が見えなくても楽しいものだということなのだろう。

そして、田辺のマラソンの練習の邪魔をしていたのは元カレだったことが判明。まあ、なかなか恋心と障害者を思う気持ちはうまくバランスが取れないということでしょうか?

話も後半に入ってきたが、奈緒と鈴木伸之の恋もなんか、近づいてきた感じだし、どのようにこの物語、、ケリをつけていくのか?まあ、微笑ましいラストに向かって言ってる感じはしますけどね…。


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