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「六本木クラス(第13話)」復讐の相手を飲み込んで、愛を確認し、全てが未来に向かう

全13回、勢いが落ちることなく楽しめたと言っていいだろう。土台のドラマの構成がしっかりしているということもあるが、日本の脚本家も最低レベルでこのくらいのオリジナルが書けるようになれば、日本のエンタメは世界をも相手にできるのかもしれない。

最後の香川照之の出番はあまりなかったが、まあ、引き際は華麗に演じられていた。この先、彼が役者として復活するかどうかはわからないが、一つのけじめみたいなものが、ドラマの役とシンクロしてしまうとは、なんとも皮肉である。香川のことを後に語るときにもこのドラマは重要な位置を占めるということだ。

主役、竹内涼真、最近、もう一つパッとしなくなっていた感じはしたが、このドラマでまたオファーが増えそうだ。先日観た映画「アキラとあきら」でも、なかなか好演していたし、その項でも書いたが、彼の並外れた身体の大きさは、役者としての大きな武器だ。彼を主役にすることで、物語が大きくなる感じがする。役者としては、まだまだ山がありそうだが、今後に期待する。

そして、その竹内と最後に愛を誓い合うことになる平手友梨奈。まだ、21歳だが、このドラマの中で、すごい女になっていったような感じがする。もちろん、演出上、メイクを変えているわけだが、まだまだいい女になれるし、いい役ができそうな感じ。彼女をどう使いこなすかというのは、日本のエンタメの一つの挑戦でもあるような気がする。良い演出家に出会ってもらいたい。

そう考えると、新木優子は、キーになる役な割には、もう一つ面白みに欠けていた。最後は、内部告発で竹内をアシストしてあげる役なわけだが、彼に対する愛情、嫉妬みたいなものを顔の表情だけで芝居しようとするのはなんとかならないのか?この間の「ガリレオ」でも思ったが、身体全体で役になりきっていないような気がするのだ。これも、演出家のせいではあると思うが・・・。まだまだ、経験値が足りない。

とにかくも、ドラマ全体としてなかなかまとまりがあり、観ていてもワクワクする感じは、やはり脚本のうまさだろう。そういう、全体の構成力という点で韓国のドラマは日本のはるか先にいることは確かだ。まあ、それを真似することはないが、日本独自の面白さを追求する作り手の仕事が感じられないのが今の閉塞感の一番の要因だろう。多分、その面白いものを作る先にビッグビジネスが見えてこないのもダメな要因。マンガのように、話を作り、キャラを創出していく起点から、ビジネスの膨らみを感じさせるようなドラマ作りというのはできないのだろうか???もはや、エンタメ全体が、グローバルに広がりを持てる時代だ。ドラマもそういう視点の中で作ってほしい。

とはいえ、今期のドラマの中で、このドラマが一番、ワクワク感はあったと思う。そして、描かれるテーマ性は基本的なものであり、ある意味、直球勝負の作品であった。そんな中で役者たちがいい顔で芝居しているのが観ていて心地よかったということだろう。ただ、ビジネスドラマとして見た場合には、かなりスカスカの感じがある。そう、わかりやすくするためには、それでいいし、見終わった後、なんか未来が見えてくるようなものの方が大事なのだろう。


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