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「あの頃、文芸坐で」【81】ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画の絢爛豪華さに、私は何も感じなかったという結末

1982年6月24日、文芸坐で「ルードウィヒ神々の黄昏」と「ベリッシマ」の二本立て。時はヴィスコンティのブームという中にいて、とりあえず見ていかないといけないと思い向かったと思うが、まあ、眠り薬のような映画で、なかなか3時間は辛かったという記憶。「ベリッシマ」は109分という作品だから、まあ、よかったが、合計しても4時間30分超。当時の文芸坐の椅子は、まあフカフカなどと言えたものでなく、その上横幅もなかった。その椅子で眠気が襲うのだから大したものだと思った。

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まずは、コラム。「長く熱い夜」という映画をネタに、テレビや映画でガールハントしているという話。最近の若者は、どうなのかね?女優さんをベッタリと好きになってしまったり、プロマイド、いや写真でデレデレするのだろうか?昔は、それがあることで、スターと一般人の垣根があったものだ。昨今の監督や俳優のセクハラ話は、こういう時代があったことで、スターやスタッフになった途端に、自分は時別だと思い込み、女優志望などという人は性的に自由に扱っていいと思うところから起こるのだろう。同じ男としては、本当に情けない話と思うしかない。俳優のKさんについては、もともと顔も演技も好きでなかったのは、そういういかがわしさだったのだなと納得したりしている。でも、女優さんはデレデレしてしまうくらいでいいとは思う。昨日、ヤクルトX巨人で関水渚嬢が始球式をやっていたが、私はデレデレしてしまった。(デレデレするのは犯罪ではないし、文春に書かれることもないとは思う)

プログラムは文芸坐は、この間書いた007特集まで。文芸地下は、清順特集の後、「ロマンポルノ異色作集」変わった監督のものや、変わった出演者のものですね。こういうのは、お客さん、結構入ったのですよね。オールナイトは舛田利雄監督特集の後が、浅川マキ3週連続オールナイト公演って、すごいことやってるし、演奏者見ると驚きますよね。これが前売り2500円で見られたんだものね。いい時代だった。

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そして、ヴィスコンティの話、と言っても、寝てた部分もあったりしてヴィスコンティは、苦手な私です。当時、ちょっと映画かぶれしてしている人はヴィスコンティはいいと言わないといけないようだったので、批判するようなことはなかった私。まあ、閉館で騒がれる「岩波ホール」で上映されて、それもあって、なんか高貴な映画ファンの見るものみたいになってましたね。

「ルードウィヒ神々の黄昏」
私は、この映画に出てるロミー・シュナイダーという女優は好きなタイプだった。どちらかというと西洋の女優に関しては、肉感的な人より細く見える人が好きだったりする。彼女が出ていたことと、いつもながらの豪華な美術だけが脳裏に残り、話の筋はほとんど覚えていない。バイエルン王国の国王のルードウィヒの苦悩と謎の死までを描いた作品と言われたが、彼のことについていまだによく知らない私である。そして、もう一度見ようとも思わないのは確かのことである。時間の無駄だ。

「ベリッシマ」
こちらは、時のヴィスコンティブームを受けて、その頃、日本初公開となった1951年の作品。母親が娘をスターにしようとする話なのは覚えてるが、中身はあまり覚えていない。当時の私の評価を見ると、「ルードウィヒ」よりは面白かったようだ。

考えれば、昨今はビスコンティのような監督も、生まれることはないだろう。CGでなんでも作ってしまう中で、豪華な本物志向の美術など考えることもないだろうし、それを仕上げる美術監督もいないと言ったところだと思う。ある意味、最近の私の言い方で言えば、古臭い映画であると言えると思う。でも、これからも、これが好きと思う作家は数多くいるだろうことを私は否定する気はない。

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