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ロマンポルノと対峙した日々(「あの頃、文芸坐で」外伝)【22】2大女優共演の正月第2弾「美姉妹・犯す」「宇能鴻一郎の濡れて騎る」

1982年1月9日。池袋北口にっかつに、正月番組第2弾の「美姉妹・犯す」「宇能鴻一郎の濡れて騎る」「ドキュメントポルノ・主婦売春を追え!」の三本立てを封切りで観る。とにかく、この頃は、新しいロマンポルノを早く観て、誰よりも早く、傑作にありつきたい感情が強くなっていた。ということで、この年からは封切りで観ている事が多くなっているのだ。また、この当時は池袋と新宿に関しては、封切り館の方が、綺麗で観る環境も良かったということもある。

「美姉妹・犯す」(西村昭五郎監督)

この映画は何回か観ていて、ファーストシーンで、風祭ゆきと山口千枝が二人で着物を着て、世田谷線から降りてくるような画だったと思うが、そこから「美姉妹」というタイトルに偽りなしの映画だと印象的であった。そして、相手役の男優が内藤剛志。内藤のロマンポルノ出演作品としてもとても記憶に残っている一作だ。内藤が下宿した本屋の二人娘の風祭と山口の二人と関係を持って、最後には、3Pに落とし込むという、ただただ、男のエッチな願望通りの作品。西村監督の映画としては出来は良かった。正月からレイプクイーン風祭ゆき全開という感じの映画だった。そして、風祭、山口ともに、スレンダーというしかない身体付きであり、そういうのが好きな性癖を持つ人にはたまらなくエロチックな作品だ。(私がそうなのもあった)

「宇能鴻一郎の濡れて騎る」(鈴木潤一監督)

この頃には、風祭と並んでローテーションで二代美女になっていた、この間亡くなられてニュースになった朝比奈順子主演。この作品もとても正月作品らしい一作。助演女優が夏麗子で、こちらはグラマーな2人。にっかつはそういう男の好みも分けながらプログラム作っていたところはあるのでしょうな?そして中身はというと簡単に言えば、3組でスワッピングをする話。コメディポルノは、そういう異次元に引っ張っていって笑わせるものが多かった。ここで、朝比奈のご主人を演じているのが、田山涼成。この頃の彼はまだ駆け出しで毛もふさふさしていた。みなさん、苦労して今があるわけです。そして、助演で美保純が出てくる。にっかつ制作の作品出演はこれが最初か?まだまだ、そんなに大器の雰囲気はしなかったと思う。ロマンポルノの中では印象的ではあったが、彼女が現在の位置に至ったのは本当に今考えても不思議な感じはする。そして、この作品、男優陣が中丸信、野上正義、益富信孝となかなか豪華!やはり正月ということは考えていたのでしょう。当時の私の評価もそこそこになっている。

「ドキュメントポルノ・主婦売春を追え!」(中村幻児監督)

主演 亜希いずみ、水月円。脚本は吉本昌弘ということだが、中村監督の作品としては、全く内容を覚えていない。にっかつ買取の中村作品は、本当にインパクトが弱かった気がするのですよね。

ということで、正月9日目で、もう6本もロマンポルノを観ている。なんちゅう正月だということなのだが、まだ大学も始まっていなかったということもあるのだが、試験前で優雅な生活を送っていたというか、勉学に励む気が全くなかった大学二年の終わりの冬であった。


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