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「着飾る恋には理由があって EPISODE:2」今という時代から未来を見つめるドラマ

時代の変わり目を感じさせるドラマだ。原宿、渋谷を舞台の中心にした恋愛ドラマにしては、結構、若者の心の機微がちゃんと描かれていたりする(昔のトレンディードラマみたいなうわついた感がない)。いや、そういうものを描こうとしているのだろう。

田舎から出てきた、川口春奈の仕事に対する一生懸命さがなかなか刺さる。こういう一生懸命さは、時代とは関係ないとは思う。だが、昭和の時代に比べたら、今は着地点が見えない世界。そんな中で、会社のためにSNSをあげるという行為はなかなか辛いかもしれない。1日でも更新しないと、どう思われるかわからない?でも、SNSはそういう義務感の向こうに面白さがあったりもする。そう、寝て起きるように、それができればそれがいいと私は思う。スマフォの中の自分も、潜在能力の置き場だと思っているからだ。

そんな川口春奈の、無理な生活を批判する横浜流星。その批判は、大人がするようなそれではない、頭がこちんこちんでそんなことやってもダメだろうという話だ。そこに、彼の自分の店の失敗が重なっていたりする。そういう、シェアハウスの中のみんなの心が、少しづつオーバーラップしていく感じがこのドラマの心地よさなのだろう。

そのハウスの持ち主である、夏川結衣は、今回で海外に行くという役なのだろうが、そういう今と昔のスタンスの違いもわかった中で、昔話、経験談をしたりする。これも、心地よい。夏川さん、随分、穏和な顔になったなという印象だった。石井隆監督の映画に出ていた人ですものね。これからも、いい芝居をしてくれる役者さんだと思う。

今回は、最初の方で、丸山隆平が川口にアタック開始。この辺りは、恋愛ドラマのルーティンみたいだったが、花見を終えて、ラストに横浜流星と川口が、もうキスしてしまうとは?まあ、このくらいの勢いつけないと、昨今の恋愛は成立しないのか?

そして、ハウスの中での一人の異端児である、中村アン。その作品をバックに最後に川口と横浜が飲むことになるのだが、作品がこういう扱いされるということは、これから、さまざまに作品がドラマの流れとシンクロするということでしょうね。しかし、中村さん、髪型もそうだが、役的にも今までとは別人。ストイックにトレーニングに励んでる人だから、こっちの方が素顔に近いのかもしれないですな?クールで、とても良い。

川口の会社は社長がかわり、会社のSNSを「無理して続けなくていいよ」という上司がいる。その、続けてファンを増やした5年間を全く理解していないし、SNSの意味合いもわかっていないセリフ。実際にこういう人は多い。担当に勝手にやらせて、自分の手柄にしている人も多い。それはそれでいい。だが、企業アカウントであっても、個人の意思がないと動かないのがSNSである。そういう事実がわかってる人が増え続ければ、またその世界も変わっていくだろう。パンデミックもあるし、世界は一瞬で変わっていくだろう。

しかし、このドラマ、私的には今期の拾い物の気がする。

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