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2022年新作テレビドラマ放浪記

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2022年の新作テレビドラマの感想です
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#黒島結菜

「クロサギ(第10話)」結果的にはハードボイルドな感じが恋しくなった私でしたが、平野紫耀は、期待できる俳優でした。

銀行に所属し、政界と繋がり巨悪な詐欺をして日本の金融をその手中に入れようとした佐々木蔵之介が逮捕されて大団円という話である。ある意味、親の仇と言いながらも、世の中のクズを葬ろうとした主人公の動きは、今日の一つのヒーロー像なのだろう。 そんな屈折したヒーローを平野紫耀は、なかなかニヒルに演じ切ったと言って良いだろう。ジャニーズ退所も決まっているわけだが、これからの仕事に期待できる主演ドラマだった。前作が山下智久主演だっただけに、どうなるやらとは思ったが、山下よりも影みたいなも

「クロサギ(第9話)」銀行と政治家と刑事と詐欺師と、求めるのは正義か?私欲か?

最終回前、平野が警察に擦り寄っていたりして、佐々木蔵之介を逮捕するために警察も動くが、結果的には上に圧力がかかり、証拠を持っていると平野に言った山田キヌヲは殺されてしまう。それをやったのは中村ゆりのようだった。つまり、佐々木、平野、三浦友和の三つ巴の食い合いが始まっているわけだ。その中で、十分に戦える平野は、詐欺師としては一流になったということなのだろう。佐々木蔵之介と対峙するときの、特殊メイクにやる気を見せているのは、ドラマとしてなかなかの高揚感があった。 しかし、資金源

「クロサギ(第8話)」世の中の金の動くところに詐欺がまかり通るという筋書き

冒頭、前回、平野の詐欺にあった山口紗弥加が、平野に協力している図。その傍で山口が札束をカバンに入れてるのはわかりやすい。まあ、彼女を誘き出したところは描かないでもわかるだろうという感じなのだろう。詐欺師の周辺には似たような臭いの人間が集まり、詐欺師は自分が世の中で上にあると思っているから、意外に相手が詐欺を仕掛けてるとは勘付かない。という構図は確かにあるのだろう。そして、企業の重役や政治家など、皆、詐欺師感覚がないと務まらないというのも確かな気がする。 そして、佐々木蔵之介

「クロサギ(第7話)」最後の標的は銀行。そこに正義など存在しないということ?

平野の本当の仇は、銀行にいる佐々木蔵之介ということだろう。今回の話を見ればわかるが、銀行のやってることは、こういうことだ。金をふくれた奴らに貸して、ふくれたものをポケットにしまう。それは、金をただ世の中がうまくいくように流通させるわけではなく、自分たちの利益にあるために流通させるただのゲームである。だから、ここに出てくるように、人が1人死ぬなんてことは、ゲームの一部であり、そこには、愛も希望もないと言ってもいいのではないか?しかし、それで言い訳はないですよね・・・。 ここで

「クロサギ(第6話)」人のつながりが複雑になっていき、ドラマ的には興味深くなってきた

前回、平野の仇である坂東彌十郎が逝き、今回から第二章というところなのだろうが、新しい人物と、その相関関係が複雑になっていき前より面白くなってきた。 まずは、刑事の井ノ脇海が執拗に平野を追うのは、彼もまた詐欺被害者でシロサギが許せないということからだった。このあたりはもっと前に出してもよかったのではないか?そういうバックグラウンドを知って、この間の上海の彼の姿を見たら、また違う感じに見えただろう。そして、そうしていたら、ドラマの作り方も変わっていた感じがする。こういうキャラの

「クロサギ(第5話)」上海マフィア相手にするには、緊張感が足りない気がする

ここで前半戦終了ということなのだろう。平野の親を殺した仇ということで坂東彌十郎を倒すことが一つの到達点ということなわけで、そういう意味ではもっと激しい詐欺合戦みたいのが行われると思ったが、三浦友和がバックにいなくなった坂東は、頭があまり回らないという役柄だったようだ。ラスト、彼がピストルで自決を行うところは、あまりセンセーショナルに感じず、なんか虫ケラが落ちていくような感じに見えた。 つまり、このドラマ自体は、世の中の結構な裏社会を描いているわけなのだが、全体的に出演者たち

「クロサギ(第4話)」華麗に復讐開始も、敵は上海に!部隊が大きくなるほど詐欺も大きくなっていくのか?

4話目にして、主人公が復讐の相手に見事に詐欺を仕掛けて追い詰めるという図式。なかなか面白かった。M&Aの詐欺を行おうとした敵に対し、こちらは、もう一つ大きな会社を作って全ての資産をそこに移す。すると、敵が買ったものはすっからかんという構図。詐欺を仕掛けてから、どう事を動かすかのタイミングが大切ではあるが、なかなか面白い。ただ、この施策の立案は山本耕史が行なっているわけで、そういう意味では主人公が「やった!」という感じでもないのですよね。 その上、敵である坂東彌十郎は警察に連

「クロサギ(第3話)」詐欺師たちの繋がりみたいなものは本当にあるの?

ドラマを見る前に平野紫耀のジャニーズ退所の話。これだけ、主役を張れるような若手が退所するというのも時代が変わってることを示してるのだなと思ったりする。まだクレジットにKing & Princeの名前が入ってるが、それを見るのも悲しい感じがする。まあ、これからジャニーズのグループも長続きさせるのはなかなか大変だということだろう。日本の映画のクレジットを見ると、制作に藤島ジュリー景子の名前をよく見るが、彼女自身の露出も変わってくるのか? そんなことは、ともかくドラマは、三浦の店

「クロサギ(第2話)」親の敵をどのように取っていくかが見どころ?

ラスト、平野が警察の井野脇海に殴られる。本当の警察がこういう態度は取らないだろうが、このドラマの話自体がアンタッチャブルな世界なわけだ。そういうふうに見れば、平野の敵である坂東彌十郎や、敵であり詐欺の師匠である三浦友和も、これだけのプロの詐欺師というのも、なかなかあり得ない話なのだろう。まあ、芸能人との引き合わせ屋みたいなのはいる気がするし、ネット内の詐欺情報は底なし沼なのはわかる。そういう、リアルとフィクションをうまく絡めて提示しているから、ドラマとしての面白さが出ていると

「クロサギ」新作として、もう少し新しさは欲しいきがしたが、十分面白かった

2006年に放映された「クロサギ」の16年ぶりの再登場。前シリーズは山下智久、堀北真希だったキャストを平野紫耀、黒島結菜に変更して、再度、シロサギを食うクロサギを描く。元締めというか、仕事を持ってくる役は、山崎努から三浦友和に。まあ、16年経つと世代交代的なキャスティングになるということだろう。 そして、出来は前作に比べても問題ない。16年前の山下に比べれば、平野は芝居はうまい気がした。そして、少ししゃがれた声がなかなか私は好きであったりする。ただ、隠の部分だけが強調されて

「ちむどんどん」沖縄の復帰50年を描くということは、どういうことか?

連続テレビ小説106作目。もう、100作目の「なつぞら」から3年経つわけだ。本当に月日が過ぎるのは早く。その3年のうち2年はパンデミックの中にあり、そういう点でも早かったのかもしれない。そして、105作目「カムカムエヴリバディ」は、藤本有紀氏とBKスタッフの渾身の一作という感じで、久々に朝ドラの世界を堪能した感じ。 その後に続く作品はなかなか厳しい気もしたが、沖縄の自然の風景に心洗われ、今日の3回目まで、楽しませていただいてる。初動がなかなか良いということだ。脚本、羽原大介