文芸坐に通った傍で、ロマンポルノを追いかけた日々の記憶を辿ります。スクリーンの向こうに展開された、日本映画外伝的な風景が描ければと思っています。
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ロマンポルノと対峙した日々(「あの頃、文芸坐で」外伝)【25】アイドル路線の混迷とSM路線の役者不足と…。「桃尻同級生まちぶせ」「奴隷契約書」
1982年3月20日、高田馬場東映パラスで「桃尻同級生まちぶせ」「奴隷契約書」「女の穴場・三度目の絶頂」の3本立てを見る。しかし、この頃は私も春休みであることもあったのだろうが、3日に一度くらい2本立て3本立てを観ている。ネットもない時代ではあるが、よくこれだけ映像を吸収しようとしていたものだったと感心する。テレビもそれなりに観ていたとは思うのだが、やはり、映画に魅せられていた日々だったのだろう。その中で、ロマンポルノは異次元への遭遇であり、かなり刺激にはなっていた。 「桃
ロマンポルノと対峙した日々(「あの頃、文芸坐で」外伝)【18】美保純に感じた最初のこと「愛獣 赤い唇」「女体育教師 跳んで開いて」「制服処女のいたみ」
1981年11月21日 高田馬場東映パラスで三本立て。この日は、「愛獣シリーズ」の最新作を観たくてここに行ったのだと思う。そして、美保純のデビュー作を観た日。考えれば、美保純という人が、40年も芸能界で生き残るとはこの時誰が思ったであろう。本人にしても不思議なのではないか? 「愛獣 赤い唇」(加藤彰監督) 泉じゅん主演の「愛獣シリーズ」4作目にして最終作。刑務所帰りの泉が過去の精算と復讐をするようなハードボイルド風のロマンポルノだったのは覚えている。だが、4作の中では最も