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人の金300円で世界を少し知る一歩を出した

この前友人に300円を払い忘れた。
たぶん駐車場代とかそんなの。
その友人に、300円PayPayで送るから電話番号教えて~とLINEしたら、


「300円くらい別にええよ」と言ってくれた。
やさしい!!!

「また次合ったときにソフトクリームでも買うね」と言うと、
適当なスタンプが返ってきて会話が終わった。




300円くらい30分もバイトでぼーーーっとしてれば、稼げる金額だけど、
友人の優しさで浮いた300円はなんか特別に感じる。

同じ300円なのに、何十倍も嬉しくなる。

人の金で食べる焼肉はうまい、みたいな感じかな?(多分違う)




友人の優しさから得た300円を何も意識せず、使ってしまうのはもったいないと思った。

なんか思い出に残る使い方をしようと思った。

ソフトクリームは、また違うお金から出せばいい



コンビニに置いてある募金箱に入れるのもなんか違う

ちょうどよく誰かに奢るタイミングもなかった。




なんかいい方法ないかなあと思ってた時に、
目に入ったのが

「ビッグイシューを販売してる人」だった。






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最近卒論に関わる本を読んで知ったことで、恥ずかしいのだが、

ビックイシューはホームレス状態にある人や
生活困窮者に対して「雑誌販売」という仕事を創る社会的企業である。  


たぶん都会に住んでいたら、見たことある人が多いと思う。

赤いベストを来て、
ちっちゃいカートをもって、
「ビッグイシュー」という看板を無言で持って立っている人を。



本を読むまでの私は知らなかった。
あそこに立っている人がホームレス状態だったり、生活困窮者だったことを。 

なんなら、変な宗教の勧誘かと思ってかなり敬遠していた。  


販売者は雑誌を売った半分の利益を現金収入とできる。
その収入をもとにまずは、その日の寝床やごはんを自分で賄う。
いずれは、家を借り、就職できるようになれるように支援しているそうだ。


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その”ビッグイシュー”を販売している人を、六甲道駅でたまたま見つけたとき、買ってみようと思った。


少し近づいてみた。





ビッグイシューは450円だった。
300円じゃ買えねえや、じゃあいっか。




本当は、なんかちょっと買いに行くのが怖かった。

駅前でたくさんの人がその人を素通りしていく中、
私はどんな顔でビッグイシューを買いに行けばいいかわからなかった。


だから、けち臭い理由をつけて、一回素通りしてバス停に向かった。





でもそんな日に限って、いつも3分くらい待てば来るバスが、今日はなぜか全然来なかった。



胸がすごいドキドキした。

お財布を見た。
ちょうど100円硬貨が4枚、50円玉が1枚。





「んーーーーーーーー。行くか!!!!!」
心の中で、一人で決心した。


なかばかバスがこなくて、後ろにはかなり人がたまってた列から抜けて、
450円を握りしめながら駅前に戻った。







雑誌を売ってた赤いおじさんのもとへ、近づいて

「買います。」

とだけ言った。


するとおじさんは微笑んで、450円と引き換えに雑誌を売ってくれた。

「ありがとうございます」と私がいうと、

おじさんも「ありがとうございます」と言った。


私がその場を去るとき、おじさんはとても深いお礼をした。





とても緊張した。だから、おじさんの目は全然見れなかった。
ありがとうは人の目を見て伝えろと、ママに教えられてきたのに。


生活に困っている人だから、もっとちゃっちい服なのかと思ったら、
ちゃんとジーンズチェックシャツを羽織っていた。


それを見ていろんなことを考えた。
もしかしたら、その服はその人にとっての一張羅かもしれない。
ビッグイシューから配布された服なのかも。
いや、でも私が変に考えすぎてるだけで生活に困ってる人が汚い服を着てるとは限らないか、、とも思ったり。



買ったビッグイシューを早速読んでみることにした。
中には、オードリーヘップバーンに関する特集が特別に組まれていた。
他にも、これからの梅雨で厄介なカビに関するおもしろい研究の話から、今世界や日本で起こっているストリートニュースまで。

いろんなことを知れた。






買ってよかったと思った。




友人からもらった300円で、
私はいろんな世界のことを、
いろんな人の生き方を、
ちょっと学ぶことができた。





そして、この300円は、
誰かのごはん一食分くらいに
なったかもしれない。











来月は、ちゃんと目を見てありがとう、と言えることが目標です。





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