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初めの連れ去り 18

午後から昼食を済ませた後は、子供たちがメインで遊べる施設に行き夕方ごろまで子供たちと遊具などで遊び、夕食を食べに行った後ホテルに戻り、2日目が終了しました。

3日目は、帰りながら遊んで帰るという予定を立てていたので、朝食のバイキングを食べてからホテルを出発し水族館に行くようにしていた。

妻に何が起こっているのか、この旅行の最中は機嫌が良かった。

午後になり水族館の中で昼食をとり、お土産売り場で長女がイルカの形のヘアピンを僕に買って欲しいと、おねだりした時のこと、「パパ〜これ欲しい!買ってぇ〜」「いいよ〜どれが欲しいのかな?」と会話を交わしていると「あかん!なんでも買ってもらうな!」と、ずっと機嫌の良かった妻が急に怒り出した…

え??ここ??ここで?こんな普通の事で???

それまで楽しそうにしていた長女が妻の一言で恐怖のあまり萎縮してしまった…

「何でアカンの?」と僕が妻に聞くと「そんなしょうもないモン買ってどないするねん!」と言い出した。

「ゴメン…パパ…もういいよ…ゴメンね…だから喧嘩しないで…」と泣きそうになりながら長女が言った…

その後、妻には内緒でトイレに行くフリをしてイルカのヘアピンを購入した。

家に帰ったら長女に渡してあげよう、きっと喜ぶだろうなと考えながら、今は、何も起こらないのが1番だと配慮した。

せっかくの楽しい旅行の時間を無駄にはしたくなかった。

その後、夕飯時までは妻の機嫌が悪くなることはなく、夕飯は子供たちのリクエストで、ハンバーグを食べに行くこととなった。

夕飯に食事をしている時も、子供達は妻に怒られないかと顔色を何度も伺いながら食べていて、まったく落ち着いて食べれていなくて「おまえら食べるスピードが遅いねん」と早く食べるよう、妻に急かされていた。

その後、妻と長男は帰る事となっていたので、妻たちの乗るバス停まで長女と送っていった。

妻は、今回楽しめたのか、不機嫌になり急に怒り出すような事は普段に比べ少なかった。

そして、妻と長男が乗るバスを見送った後、自宅へと帰り内緒で買っておいたイルカのヘアピンを長女に渡すと、長女は満面の笑みで僕に抱き付き「だからパパの事大好きやねん」と言われ、僕は照れていた。

数時間後、妻からLINEで実家へ到着したとメッセージが届き「お疲れ様」と返事を返し、長女と入浴し寝る準備をした。

寝る前に、長女はよほど楽しかったのか旅行での出来事をずっと話していて、ヘアピンも明日から幼稚園につけて行きたいと言っていたが、幼稚園ではピン系統が危険という理由で禁止されていたため、長女には休みの日につけるよう「これは可愛いし無くなると悲しくなるから、お出かけ用にしようよ」と僕が言うと長女は笑顔で「うん!そうしよう」と納得して眠りについた。

その、お気に入りのイルカのヘアピンの存在も数日で妻にバレてしまうこととなった…

数日後、テレビ電話で妻と長女が会話をしている時のことだった、画面越しに長女の頭にイルカのヘアピンが付けられていることに気付いた妻は「おまえら!裏切りやがったな!」と大声で電話越しに怒鳴りはじめた。

その妻の怒鳴り声に驚いた長女は、泣きそうになりながら慌ててヘアピンを取ったため、ヘアピンに絡み付いた髪の毛も一緒に引きちぎってしまっていた…

その後も妻は、長女に罵声を浴びせながら強い口調で興奮していたため、何も言わず一旦テレビ電話を切り中断した。

そして、妻から何度も着信があったが応答せず、僕は震えながら泣きじゃくる長女を抱きしめ「痛かったね?もう大丈夫だよ」と落ち着くまで何度も長女の頭を撫でた。

まさかこんな事になるなんて…と悔しくなった。

10分ほどして落ち着いてきた長女に「もう1度ママとお話する?」と聞いてみたが「パパが悲しくなるんだったら我慢して電話する」と長女は困った顔をしていたので、この日は妻へLINEで「急な来客で電話ができなくなったので、また明日にでも、こちらから連絡するね」とメッセージを送った。

興奮して激怒していた妻は当然、怒りの言葉で何度も返事してきていたが既読にはせず、その後は長女と楽しく過ごした。

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