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初めの連れ去り10

事件は…事件だけど…

え?…

しかも、この人(弁護士さん)やるだけムダだと言い切りましたよ…

父親に、一度退席をする様に伝え、父親と弁護士事務所の外で話をした。

「ダメだと言い切りしている人より、可能性があると言う弁護士さんにお願いしよう…」

すると僕の父親は「もうそんな弁護士を探している時間はない!向こうが裁判所に申立てして期日までの期間もないし!あの弁護士に任せておけば大丈夫だ!◯◯(長女)や◯◯(長男)の事も心配だし1日でも早く戻って安心した生活をさせてあげないとダメだ!」と言い父親は、事務所の中に戻っていった…

この時、それでも反対して、違う弁護士さんに依頼すれば良かったなど、後に死にたくなるほど後悔するとは思っていませんでした…

そして、翌日から自宅へ戻った僕と弁護士さんが電話やメールで、やり取りをして1週間後に「答弁書」という初めて耳にする書類を作成し完成した。

家庭裁判所から、封筒が届いて2週間後に期日が決められていた為、1回目の審判当日には、僕の弁護士さんは都合が合わないという理由で、電話会議システムすら対応出来ないとの事でした。

そして、審判当日までの毎日は、1人で家庭裁判所へ行くというプレッシャーと、妻や妻の代理人である弁護士さんと会う事を思えば寝れない日が続いた…

それまでにも、長女は、僕に別居中の出来事を思い出すと色々と僕に話してくれた、それを、メモや日記に僕は書き残していっていた。

審判当日、眠れないまま家庭裁判所へと向かう…

弁護士さんから電話があり「緊張しなくても、話をするだけなので、相手方の嘘は必ず否定してください」と1分ほどの短時間の電話だけだった…

家庭裁判所へ着くと、待ち合い室へと案内され、「番号札を渡しますので、番号を呼ばれたら来てください」と、なんだか病院の診察室みたいな感じだった。

そして40分ほど、待ち合い室で座っていると、番号を呼ばれ、今度は会議室へと案内された。

中に入ると、3人が僕に向かい合うように着席しており、座る様に指示された。

妻や代理人弁護士さんはいなかった。

裁判官や書記官、調査官と自己紹介され、僕がその3人と対話する形で話が始まった。

話というか「尋問」ていうみたいですね…

まるで犯罪者…

そして、妻の主張する事や実際あった出来事を聞かれましたが、否定をしたり、事実を言っても、裁判官は「ふ〜ん」という感じで、内心本当に話を聞いているのか?と思う様な雰囲気でした。

そして10分程して、調査官と言う方に、裁判官は「調査をお願いします」と言っていたので、これで妻の嘘が暴かれる

そう!何も知らない僕は、調査官が行う調査というものを、この時、僕は何も知らなかった。

そして、審判は終了した…

え?これだけ??

妻は、代理人と先に家庭裁判所を出て帰ったと、帰る前に書記官から聞きました。

そして、家庭裁判所から自宅に帰り、家に着く頃に弁護士さんから電話が鳴り、今日の事を話すと「まぁそんなもんでしょう、次回は出席しますので、よろしくお願いします」と言い、弁護士さんとの短い電話は終了した。

自宅へ帰ると、長女が笑顔で迎えてくれる…

何と幸せな瞬間か…

そして、そんな幸せな日常を過ごしていると、1回目の審判から2週間後、家庭裁判所の調査官が家庭訪問と長女が通う幼稚園に聞き取り調査と家での長女の状態を確認したいという連絡がありました。

基本的に、綺麗好きな僕は、調査官が来る事で掃除をする、片付けをするなどの心配はありませんでした。

長女の通う幼稚園にも、お父様の方から、家庭裁判所の調査官が聞き取りに来る事を伝えておいてくださいと言われていた為、幼稚園の担任の先生へ伝えると「どうしたんですか?何があったんですか?」と聞かれましたが、担任の先生には、調査官が来た時に、良く言わなくても大丈夫ですので、ありのままを調査官へ伝えてくださいとお願いした。

そして、調査官の調査までに、きっと妻からの通報だろうが、警察官と児童相談所の職員が自宅へと来た…

「児童虐待の通報で、お父様が子供さんに暴力を振るっているみたいだと聞き状況を確認しに来ました」と言われた…

僕は「近所の目もありますので、中に入って確認してください!」と言うと「中には入れない規則なので、子供さんを連れて来てください」と言われましたが「構わないので、どうぞ中に入って確認してください」と言い家の中へと案内した。

警察官も児童相談所の職員さんも、長女を見るなり笑顔になっていた。

笑顔の理由は、長女がテレビを見ながら大きな声で歌を歌い踊っていたからだった。

そして、小さい頃から人見知りをしなかった長女は、警察官や児童相談所の職員さんに、笑顔で「上手に踊れてた?歌を歌うの上手でしょ?」と聞いていた。

その状態をみた、警察官達は疑うどころか、何も言えなくなっていたのは言うまでもない事だった

その後、念のためと児童相談所の職員さんが長女と少しだけ2人で話をしたいと言っていたので「どうぞ、部屋の中なら大丈夫です」と伝え、僕と警察官は外に出て待つ事にした。

5分程して、児童相談所の職員さんが、外へ出て来て「疑うなんて申し訳ない程の良い環境下で育てられている事が確認出来ましたので、その様に報告させていただきます」「もう来る事はないと思いますが、時々連絡を取り合いたいので、連絡先を教えて頂いてもよろしいですか?」と言われ、職員さんに快く僕の連絡先を伝えた。

帰り際に、警察官と児童相談所の職員さんは「突然の訪問にも関わらず、ご協力ありがとうございました」と深々と頭を下げていた。

家に戻ると長女に「さっきの人は誰?パパのお友達?」と聞かれたので、長女を不安にさせないように「そうだよ」と答えると、長女は「良い友達やな」と言っていた。

その後、長女と食事を済ませて、仲良く入浴している時に長女は児童相談所の職員さんとの会話を話してくれた。

「パパと仲良く出来ているかな?」「うん!パパが大好きで優しいから喧嘩もしないよ」

「パパは、毎日ご飯を食べさせてくれるかな?」「ママと居たときは1回だけ、パパと居たら朝も夜も食べれるから、お腹はいつもイッパイで、お腹がすかないよ、お昼は幼稚園で食べるから、朝と夜がパパなんだよ」

「パパは、毎日お風呂に入れてくれているかな?」「パパが◯◯(長女)を、お風呂に入れてくれるんじゃなくて、◯◯(長女)が一緒にパパとお風呂に入ってあげてるんだよ、そしたらパパは、そのお礼に◯◯(長女)の頭とか体を洗ってくれるの、だからパパは「ありがとう」って毎日◯◯(長女)に言ってくれるよ」

「パパには言えない秘密とか、内緒にしておいて欲しい事とかあるかな?」

「ホントはね、◯◯(長女)と◯◯(長男)は、ママにイッパイ叩かれてて、それをパパに言うと、パパ泣いちゃうから言えないの、パパが悲しくなっちゃうから内緒ね」

こんな会話を、児童相談所の職員さんとしていたらしい…

入浴中や、寝る前に僕に長女が教えてくれた…

児童相談所の職員の方に、話をした内容を僕に伝える時に、「あ!パパが泣いちゃうから、内緒にしておいてね!って言ったけど、パパに言うと内緒にならないやん!」と長女はペロッと舌を出して照れていた…

泣きそうだった…

けど、長女に心配をかけたくないため「大丈夫!パパは強いから!もう泣かない!」と上を向き、長女に強がってみせた。

続く…


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