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福岡マラソン2019 レース記【前半編】

前回の【準備編】の続きです。

非現実的な景色の中でスタートが迫りました。50mほど視界の先でうねうねしているのは、テレビカメラのクレーン。そう、毎年スタート直後に大勢のランナーをなめるように上がっていくアレです。

号砲が鳴り、Y師匠が先陣切るようにバーンと飛び出しました。のはいいのですが、そのカメラに突っ込んでいくではありませんか。そして思ったよりなかなかクレーン上がるのが遅い!

後から映像を見たら頭が当たりそうになってて笑いました。カメラ上がんのおせーよ!って本人言ってましたけど(笑)

↑この22:29のシーンです

他の仲間も師匠を追うようについて行きますが、僕はつられないように我慢。それでも最初のlapは3:50。雰囲気に流されすぎてる・・。

とは言え心の中の興奮は収まらずスピードはなかなか落ちません。5kmまでキロ4分前後をうろうろし、5km通過は19:57。速い。。

先日の展望についての記事では、丹田と上半身の角度とつま先に意識を置くと書きました。でもね、この高揚感、興奮の中、フォームを意識している余裕がまるでないのです。

とは言え、沿道の数も半端ないでしょうし、周りは知り合いばかり、アドレナリンが上がりまくって冷静ではいられないとは思いますが。序盤ぶっ飛ばして後半撃沈したら、あぁあいつ学習能力ないなと思ってやって下さい。

うん、やっぱり学習能力ない!
少し意識しても、沿道の応援の存在が凄くてすぐ忘れてしまう。平常心なんてやはり無理でした。

途中で、ラン仲間であり前回女性優勝者の花田さんが極限なるピッチ走法でスタスタと抜いていきます。体重めっちゃ軽そうなのに足音がすごい!あぁ今年もサブエガ狙うのかなぁ。恐ろしくて着いていけません。

焦って少しペースを落とすとK池君が合流。しばらく並走します。ちょっと後ろに集団ができた。とにかく飛ばしすぎてしまったタイムを戻すように、マリノア手前の坂ではスピードを落としました。

10km地点で家族の応援が見え、子供とハイタッチ。この頃から、いやもっと前からなんですけど、しばらく僕の後ろを着く長身で格好が大迫スタイルのランナーの存在がやや気になりました。もしかして、ペースメイクに使われてる?

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↑このカーブ地点はわざと大回りして子供とハイタッチするのが毎年恒例になってる。左が大迫スタイルの方。


いや、全然良いんですけど、俺なんか使って大丈夫?って逆に申し訳なくなりました。恐らく長さにして10kmぐらいずっとすぐ後ろにいたと思います。(ちなみにその人は僕より全然速いタイムでゴールしていた。チッキショー!)

大体この辺あたりのキロlapは4'05前後、もともと想定ペースですが最初の突っ込みがあったのでもっと落としてもいいかなと迷ってました。とにかく前半は楽をして脚を残したい。矢先にK池君は3-50mぐらい前に行ってしまった。

すると15kmぐらい、長垂海岸の手前あたりで聞き慣れた声がしました。「大崎君!楽しんで!リラックス!」振り返ると同じ練習会の大ベテランK藤さんでした。

この方は僕の中でペースメイクの達人、ペーサー of ペーサーであります。思わず聞きました。

「もしや、405ですか!?」
「うん!」

これで迷いは完全に吹っ切れました。よっしゃ、着いていこう!

K藤さんが凄いのは、目当てのランナーについてはいくのだけど、その人がついつい速くなってしまった時に絶対に無理に追わない冷静さを持っていること。これは今回幾度となく感じさせられました。

なので、自分も着いていくだけで405が刻めて頭を使わなくて良い。精神的にもだいぶ楽に。

そこからしばらく集団になるのですが、ひとつ気になることが。僕のすぐ前に年齢50台後半はいってそうなランナーがいまして、その人が給水取るのめっちゃ下手!

紙コップは上から人差し指を突っ込んでつまんで取るのが基本だと思うんですけど、普通に手のひらで取りに行こうとしていて、それなりにペース速いわけだから当然掴めず、バッコンバッコン他のコップも吹っ飛ばしてる。いかにもベテランなので、うそーん!っと思いました。まぁ、どうでもいいんですけど。

そんなこんなで19km地点あたりから九大前の登り坂を迎えます。ここで家族も来てて子供とは2度目のハイタッチ。4歳娘の声援がウケた。「パパー、頑張ってー!1番になってね〜!」大変ありがたいけど、保育園のかけっこじゃねぇんだから(笑)

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このあたりでタメの親友F光君が後ろから合流。ようやくといった感じだが、声をかける暇もなく、しばらくしてすぐ前方に抜けてしまった。ここも敢えて追わず集団で進む。奴は後半タレてくるだろう、と(笑)

スライドでは同じ位置でスタートした、同じくタメのK田君からの声が聞こえた。彼は東京から来ていて40分台で走る高速ランナー。「大崎さん!ここから上げて上げて!」まるで、なんでそんな遅いペースで走ってるんだと言わんばかりの表情だ。いや、君とはレベルが全然違うんス、、。

九大前の折返しを超えて、いよいよ下りへ。まだ脚は残ってる。逆に坂を登るランナーで仲間がいないか探して、声をかける。なんたってコース唯一のスライド区間だ。5人ぐらいエールし合えて、楽しかった。

ハーフ通過は、1時間26分32秒。グッド!予定通り。単純に倍で目標タイム。でもまぁ、脚は残ってはいるものの前半と同じペースでは行けないだろうと少し弱気になった自分もいた。正直。

まぁいい、やや下方修正し55分切りと考えれば2分の貯金。これならいけそうだ。

しかし、ここで次なるミス。すれ違うランナーに気を取られ、集団から前へ抜けてしまった。K藤さんは後ろだ。ここで緩めればよかったのだけど、前のランナーを思わず追ってしまった。

元岡小学校を左折すると、福マラ特有、しばらく苦難の道に入る。沿道の声援がガバっといなくなり、しばらく田舎の小さなマラソン大会の風景になる。遂にきたなーと思っていると、ここでもまたちょっとしたアクシデント。

その着かせてもらっていた前のランナーが、サッと脇道に抜けてトイレに行ってしまい、途端に単独走になってしまった。うっそーん!

すると急激にキツくなってきた。まだ25km手前である。なんとなくの焦りから、ペースも落とすに落とせない。こんなに自分でペース維持するのが辛いなんて。

【後半編】へ続きます。


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