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基礎構築期から移行期へ /2024-2025シーズンに向けた練習計画

5月から8月まで、4ヶ月にわたる基礎構築期が終わり、9月は「移行期」と位置付けています。この「移行期」の練習計画の基本方針とおおまかな練習内容について書いてみたいと思います。
ちなみにこの記事をはじめとして、最近の練習計画や考え方は池上秀志さんの「アドバンストオンラインスクール」や無料ブログ、無料・有料講義動画や、深澤哲也さんの無料・有料講義動画の考え方の影響を強く受けています。


●「期分け」の考え方

現在のターゲットとなるレースは12月1日の「防府読売マラソン」。ここへ向けた練習方針を以前書いた記事がこちら。

ここでは、練習計画をレースに近いほうから逆算して「期分け」をしています。

【防府読売マラソンに向けた期分け】

  • 基礎構築期 レース26週間~14週間前 ~9月1日

  • 移行期 13週間~8週間前 9月2日~9月29日

  • 特異期 7週間~3週間前 9月30日~11月10日

  • 調整期 3週間前~レース当日 11月11日~12月1日

このように、9月上旬の今はちょうど「移行期」に差し掛かったところ、というわけです。

●そもそも「移行期」とは?何が何へ移行するの?

「移行期」とはつまり、レースへ向けたトレーニング計画の中で、「基礎構築」のフェーズから「特異的練習」のフェーズへ移行していく時期です。
「基礎構築期」はレースまでまだまだ時間があるので、家を建てるとしたらしっかりした基礎を組み上げ、良質な部品を手に入れる時期、ということになります。また料理に例えるなら良質な食材をそろえ、高品質な調理器具や調理環境を整えること、ということになるでしょう。
レースに向けて一番重要なのは、上記の期分けでいうなら10月から11月初めにかけてやってくる「特異期」で、これはレースに近い練習をしっかりやって体をレース仕様に仕上げていくフェーズであり、練習内容も30km以上の距離をレースペースの90~95%で走るようなものになってきます。
「移行期」とはつまり、先の建築の例でいうなら、基礎の上に部材を組み上げていく時期、料理の例でいうなら良質の食材の下ごしらえをして、実際の調理ができる状態まで仕立てていく時期、ということが言えます。いずれも、出来上がった家や料理の形に整えられる前の重要な時期ということができます。
マラソントレーニングでは、基礎構築期に、「速く短く」で基礎的なスピードを、「ゆっくり長く」(ゆっくりといってもレースペースの80%くらいですが)で持久力を養った後で、少しずつそれらを段階的に「速く長く」に近づけていく時期ということができます。言い換えると、基礎構築期に比べると、スピード面ではやや遅くなる代わりに距離が長くなる、持久面では距離を伸ばしつつペースもレースペースに近づける、ということになります。これにより、先にやってくる特異期には、レースペースに近いペースでのロング走が無理なくできるようになる、というわけです。

●「移行期」の練習方針

「移行期」の練習は「基礎構築期」と同様に「スピード」と「持久力」に分けて考える必要があります。
まず「スピード」ではやはりインターバルが中心になりますが、「レースに近づける」ということは基本的に「ペースはやや遅くなり、代わりに距離が長くなる」ということになります。「基礎構築期」ではショートインターバルがスピードワークのメインでしたが、徐々にインターバルの距離が長くなり、または本数が多くなります。ペースはショートインターバルでもレースペースの110%程度(例:サブスリー目標のランナーで400mインターバルなら92秒)とし、ロングインターバルなら105%程度(例:同じく1000mインターバルなら4分2秒~3秒)となります。その分本数は多めで400mなら15本~20本、1000mなら8本~10本行います。
「持久力」では「特異期」に32km走や35km走をレースペースの90%~95%で行うための準備として「基礎構築期」に行っていた「150分走」などの距離走のペースを段階的に上げていきます。例えば32km走でビルドアップ的にレースペースの80%くらいから最後は95%くらいまで上げる練習から、「移行期」後期にはレースペース85%~90%で30kmは走れるようになっていたいところ。
とはいえ自分に照らして考えると、「基礎構築期」には思った通りの練習はできておらず、100点満点でいうと60点か65点くらいでしょうか。特に貧血になってしまった影響でスピードワークが途中からまったくといっていいほどできなくなりました。この状態で9月上旬の「移行期」の入口に立ってしまったのは残念ですが、こればかりはしょうがないので、今の状態でこの移行期を考えていきたいと思います。

●「移行期」の練習計画の例

基本的な考え方は上記の通りですが、自分の場合は、当面は不足しているスピードワークや距離走に力を入れて、9月前半は「移行期」といえどどちらかというと「基礎構築期」に近い練習を行います。

■移行期前半の練習計画
月 低強度走6~7km
火 中強度走10~12km 200m×3~5
水 ショートインターバルまたはレペティション
  400m×10
木 低強度または中強度走
金 休足日
土 練習会で距離走またはテンポ走
日 中強度走12~15km

そして移行期後半までには、段階的にスピードワークの距離や本数をのばし、逆にペースは落とす(というかレースに近づける)という方向性で行きたいと思います。

■移行期後半の練習計画
月 低強度走6km
火 中強度走10~12km 200m×3~5
水 インターバル800~1000m×6~8
  またはファルトレク 3分+1.5分×8
木 低強度走10~12km
金 休足日
土 練習会で距離走またはテンポ走
日 低強度走 15~20km

●まとめ

  • 「移行期」とは夏までの「基礎構築期」からレースに向けた練習が増える「特異期」に向けて練習内容を移行させる時期

  • 基礎的な持久力やスピードをレース仕様に近づけることが目的

  • 「移行期」の長さは目標レースの時期により4〜6週間程度

  • 「移行期」前半は基礎構築期に近く、後半は「特異期」に近く、段階的に練習を変化させる

  • 練習内容をスピードと持久力に分けて考え、スピードでは距離を眺め、インターバルなら本数を多め、ただしペースはややゆっくり(レースペースの110~105%)

  • 持久力では、距離走をレースペースの80~85%くらいで30km~35kmくらいまで段階的に伸ばし、特異期の本格的なロング走に備える


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