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厚底カーボンシューズ

今回は手持ちの厚底カーボンシューズの比較を行います。個人の感想ですが、参考になれば幸いです。ちなみに私の走力は現時点で5000m15'38です。ハーフマラソンは今年は出場していませんが、ここ2、3年は1時間15分前後で、マラソンは最近は出場しておらず、基本的に短い距離の方が得意なランナーです。

写真の右から順にいきます。検討内容は重量、履き心地、接地、安定感、スピードの切り替えとします。

①VAPORFLY NEXT% 25cm173g

説明不要のトラック、ロードでシェアNO.1シューズです。重量はFuelcell  RC ELITEと並び最軽量です。アッパーのヴェイパーウィーブが若干伸びる素材のため、足の甲全体をしっかりホールドするため、幅広いランナーに合うのだと思います。接地についてはフォアフットはもちろんフラット、ヒールストライクのランナーでも問題なさそうです。ただし、個人的にはややフォアの外側からの接地を要求されている気がして、特に、秋にアキレス腱を痛めてからはその接地の要求がストレスに感じます。厚底の割にはトラックでのスピードの切り替えも十分対応可能ですので、やはり現時点でのNO.1厚底シューズとして異論はありません。

②Fuelcell  RC ELITE 25cm173g

神野大地選手愛用、New Balanceから発売された厚底カーボンシューズです。構造やスペックとしては1km3分以内での高速走行が可能だと思われます。ただし、Fuelcellという素材はスピードがない状態では柔らかく、最初に履いた時にはやや「グニグニ」する印象がありました。これについてはスピードを上げればその分反発してくるので問題ありません。アッパーはメッシュのためヴェイパーフライに比べると優しく包み込みます。アキレス腱炎を抱えるランナーにとってはかかと部もしっかりしており問題なく走れました。またエリートモデルシューズでは珍しくインソールが外れるため、自分のインソールへの変更可能ですので、こちらも今の私にとっては嬉しい構造でした。接地はフォア、フラット、ヒールいずれでも、まったく問題ないと思われます。むしろフォアよりフラットの方が走りやすいのではないかとすら思いました。その分、強制的に前に傾く力はあまりないため、自分で前への方向付けが必要で、ここがヴェイパーフライと比較して、やや高速走行が難しい部分なんだと考えました。そのためトラックでのスピードの切り替えもやや遅いかもしれません。私はロードで4'00-3'30/kmでペース走やビルドアップ走をする際に重宝しています。

③ALPHAFLY NEXT% 24.5cm186g

大迫傑選手がフルマラソンで日本記録を出した際に着用していたシューズです。私のサイズでは200gを余裕で切っており履いても重さは感じません。アッパーにアトムニットといわれる新しい素材のニットを使用しており、ニット素材でありながらフィット感は十分にあります。接地は前足部にエアポッドがある構造上、フォアフットでないと十分にシューズの恩恵を得られない可能性があり、フラット、ヒールストライクのランナーは重さが軽いこともありヴェイパーフライを使用したほうが、結局いいタイムが出るかもしれません。またフォアフットのランナーも長い距離、特にハーフマラソン以上になると、フラット接地なで休む時間を作るのが一般的ですので、そういう場合もやはりヴェイパーフライを使用したほうがいいでしょう。安定感についても、連続してエアポッド部分で接地できるランナーはやはり5000m15分前後で押し切れるランナーだと思うので、現在の私の走力では5000mではヴェイパーフライよりいいタイムがでるが、10000mでは逆にその反発が足かせとなります。トラック練習、例えば400mのインターバルなどでは十分に使用可能だし今年の5000mもアルファフライで最もタイムが出てはいますが、切り替えは無理に行うとケガのリスクがありそうです。私もタイムを追いかけ、アルファフライを多用し、無理なフォアフットを続けた結果アキレス腱を負傷しましたので、現在一旦アルファフライはお休みとしました。ekiden packのカラーにも非常に惹かれましたが今回はパスしました。

④ADIZERO ADIOS PRO 24.5cm190g

先日男子ハーフマラソンで世界記録が誕生した際に着用されていたシューズです。アディダスについては前作のアディゼロプロがやや不発に終わっており、今回のアディオスプロでどういう結果がでるか非常に楽しみでした。というものの私はここ数年ナイキユーザーでしたので、当初は購入するつもりはなく、世界記録誕生も横目で見ている状態でした。しかし、最近アキレス腱炎を発症し、これまでのフォアフットで蹴り上げていくスタイルに限界を感じていたこともあり、また世界記録誕生時のイエローのアディオスプロに直感的に惹かれた部分もあり、今回購入しました。重量は上記記載の通り24.5cmで190gと問題なし。履き心地についてはシュータンに工夫がされており、シュータンの端の部分がソール部分とつながっている構造になっており、密着感を得られ、タイトなフィットを好む私には合いました。ただし、ここは好き嫌いが出る部分と思われます。接地はフラット接地で問題なく、キロ4分程度より速く走れば、かなりの反発を得られ、安定感が抜群でした。3分20秒/kmまでの速度でしか試していませんが、ヒールカップもしっかりしており履きやすく、何よりアキレス腱が痛くない。最近の世界のレースでもヴェイパーフライと遜色ない結果を出していることからも、今後のメインシューズにと考えています。箱根駅伝出場校のランナーもアディオスプロを試しているとの情報もありますので、今年の箱根駅伝は昨年のヴェイパー祭りからナイキvsアディダスの構図が生まれるかもしれません。またアディダスがサポートしている青山学院大学の選手たちが今年はアディダスを着用するかも注目です。

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