人生を変えた一冊【キャリコンサロン編集部】
キャリコンサロン編集部からの、今週のお題は「人生を変えた一冊」。
57歳の時に60歳以降の方向性について考えました。
書店の店頭に並ぶ「定年退職」と名のつく本を60冊以上読みました。映画も観ました。
60冊以上の本は、ほとんどkindleで読みました。実は、kindleについては、専用の端末を購入しなければ読めないと勘違いしていました。会社の後輩から、iPhoneでもiPadでも読めるということを知り、隙間時間で貪り読んだのを覚えています。
本によっては、60歳まで働いてきたのだから、これからは、のんびり暮らすべきだ。人間関係も狭めて年賀状もやめよう。携帯も格安携帯に。マイカーも手放そう。とにかく年金だけで生活できるように節約しようというものもかなりありました。
人生100年時代といわれる昨今、このような考え方には、賛同することはできないと思いました。
「専業主夫」に関する本も何冊か読みました。というのも、妻が、約35年間、個人事業主として、ラボ教育センターのチューターとして、国際交流の仕事をしており、いっそのこと、妻をサポートしようかとも考えたのでした。しかしながら、やはり、収入が全く無くなることと、おそらく時間を持て余すだろうと考えました。
早期退職あるいは定年退職後、独立して起業された方の体験本も何冊も読みました。
結果として、私も独立して個人事業主になりましたが、実は、この時点では、全く考えられない選択肢でした。何故なら、38年間、会社の傘の下で仕事をし、肩書の書いた名刺を持って仕事をしてきた自分が、果たして独立して何ができるのだろうと言う不安しかなかったのです。
■人生を変えた本との出会い
そんな時、人生を変えた本に出合うことが出来ましたのです。
原澤修一さんの「男のロマン 女の不満 あゝ定年かあ クライシス」という本です。55歳で役職定年になり、58歳で早期退職した著者の体験本です。
思い描いていた退職後の思いと、家族の思いとのギャップに悩み、その結果「国家資格キャリアコンサルタント」の資格を取得、現在セミナー講師としてご活躍されています。
目標もなく、日々やることのない人のことを「生きがい難民」という。つまり「キョウヨウ」と「キョウイク」のない人のことをいう。もちろん「教養」「教育」のことではない。「今日、用がない」「今日、行くところがない」人のことである(まえがきから抜粋)
この冒頭の文章を読んだとき、自分の定年後の姿が頭に浮かびました。
「会社を辞めれば自由になれる。好きなマラソンも毎日できる。娘家族のいるシアトルにも長期滞在できる。年金が出るまでは、退職金と貯金を切り崩していかば何とかなるだろう・・・」
「サンデー毎日・・・ そんな夢を描いていた・・・」
しかし、おそらくそんな生活は、すぐに飽きてしまうだろう。
「生きがい」や「やりがい」の無い生活。
「誰にも感謝されない」生活。
この本で、初めて「国家資格キャリアコンサルタント」を知りました。大学受験以来、試験というものから遠ざかっており、今更、試験勉強などやれるのだろうかというのが、率直な気持ちでした。しかも、養成学校を卒業しなければ、受験資格が与えられません。著者も、本に書かれていましたが、6冊もテキストが有り、なおかつ、本番の試験では、ロールプレイングの実技試験も有ります。
60歳というこの年で、ついていけるのか?しかも、養成学校に通うためには、約30万円の費用がかかります。
しかし、頑張ってこの資格を取得すれば、何か道が開けるのではないか、との思いで、頑張って勉強しました。そのおかげで合格することができました。
■最後に
もし、この本に出会えてなければ、今の自分の人生は、全く別の方向に向かっていたと思います。
今では、著者の原澤さんとは、時々ランチに誘って頂くこともあり、いつも大きな刺激を頂いています。
私の人生を変えた本を書いて頂いたことに感謝しています。