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スポーツ観戦記(楽天イーグルス創設1年目)【キャリコン編集部】

2004年11月、ついに仙台にプロ野球チームが誕生

その名も「東北楽天ゴールデンイーグルス」

2004年3月から、2度目の仙台での単身赴任生活がスタートしたばかり。まさか東北に、しかもドームでもない球場に本拠地を置くプロ野球チームが誕生するとは、本当にびっくりでした。

10月13日、初代監督に田尾安志氏が就任決定。22日に新球団のチーム名が東北楽天ゴールデンイーグルス(通称:楽天イーグルス)と発表されました。

しかし、何と言っても最初の課題は選手の確保です。新規参入決定後の11月8日、近鉄とオリックスの選手を合併球団「オリックス・バファローズ」新規球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」に振り分ける「分配ドラフト」が行われ、40選手の楽天入団が決定。他球団から戦力外となった選手や無償トレードなどで選手を確保したわけですが、ほとんど有名な選手はいません。しいて名前をあげれば、近鉄の岩隈投手くらいでした。

当時、岩隈久志投手はプロテクトされていましたが、後に自ら志願して楽天にトレード移籍。交互に選手を指名していく形は取られていたものの、オリックスには25人を先にプロテクトする権利が与えられていたため、やはり他球団と戦力を比較すると楽天の戦力は劣っていると言っても過言ではなく、こうして結成された楽天を「寄せ集め球団」と揶揄する声も当時は多かったと思います。

■年間シーズンチケット購入を決断

2005年1月18日。福岡から仙台へ出張で来ていたマラソン仲間の吉川さんと飲む機会がありました。その時、4月開幕の話になり、吉川が「三井さん、せっかく地元にプロ野球チームが出来るんだから、シーズンチケット買ったら?そしたら、ジャイアンツとの交流戦も、全て見られるよ」と言われたのです。年間試合数が136。そのうち本拠地での試合が68試合くらいだったと記憶しています。そして、初年度のため、料金がとても安く設定されていて、3塁側内野席(楽天側)で、13万円くらい?だと記憶しています。内野席の料金が3000円くらいだったので、全ての試合に行けば、1試合当たり2000円くらいの計算になります。当時は、仕事で出張も多かったので、さすがに全部の試合は行けないと思いましたが、その時は、誰かに譲るか、買ってもらえるかなと思い購入を決断しました。

■初観戦

仙台での開幕戦は4月1日。相手は西武ライオンズ。何と16対5での快勝。翌日2戦目も、松坂投手を打ち崩し5対3で快勝でした。しかし、その後は、ほとんど負け試合の記憶しかありません。

しかも、4月の仙台はまだまだ寒く、ドーム球場だったらなと震えながら観戦したのを覚えています。

■年間シーズンチケット購入のプラスマイナス

年間を通じて、35試合を観戦することができました。仕事の都合で開始時間に遅れても、とにかく、自分のシートが有るというのは、とても嬉しいものでした。

しかし、大きな誤算もありました。ひとつは、自分の席が決まっているということは、隣の席も毎回同じ人だということです。実は、私の左側の方は、60代の中小企業の社長だった方で、正直、酒癖の悪い方でした。とにかく試合中、ずっと飲み続け、肝心の試合もほとんどが負け試合だったので、機嫌も悪く、試合を楽しむことができないことが多かったのは事実です。そして、チケットが1枚しか無いため、誰か友人を誘って一緒に観戦することができません。また、行けないときに誰かに譲ったり、買ってもらうのも1枚ではなかなか難しいわけです。但し、たまにその方が事前に用事があって観戦できない時は、そのチケットを譲ってくれたりもしましたし、代わりに私も譲ったりしたことも有りました。そんな時は、友人を誘って観戦することが出来たのは、嬉しい誤算でした。

■創設1年目の苦難の船出

球団初の公式戦であり、2005年の開幕戦となる3月26日の千葉ロッテマリーンズ戦はエース・岩隈久志が完投し、球団初勝利を挙げます。

それも束の間、翌日は0-26という歴史的大敗に…2リーグ制以降の最多得点差となる屈辱的な記録となりました。

結局、初年度は38勝97敗1分、勝率.281で優勝したロッテから引き離されること47ゲーム差という結果でした。

チーム最多勝は岩隈の9勝。他に5勝以上の投手がいないのですから、戦力差は明らか。田尾監督は1年限りで監督を辞任します。

■1年目の振り返り

1年間で35試合、マイシートで観戦した感想です。とにかく試合に関しては「負け試合」のイメージしかありません。それでも、自分の目のすぐ前で、プロ野球を生で応援できる。内野席には、ファールボールも直接飛んできます。サッカーと違って、どんなに大差で負けていても、9回まで、もしかしたら大逆転劇があるかもしれない・・・そんな奇跡を信じて、最後まで観戦する。そんな気持ちで観戦しました。そして、その思いは、私だけでは無く、球場に来ていたイーグルスファンは同じ思いだったと思います。他の球団の試合であれば、ある程度、大差になれば、試合の途中で、どんどん帰っていく方が多いと思います。ところが、ほとんどの観客が試合の最後まで帰らない。それだけ、地元のプロ野球団が誕生した喜びを地元の方は感じていたのだと思います。

そして、シーズンチケットは、1枚では面白くないということを痛感しました。かと言って2枚購入するには、ポケットマネーでは贅沢な趣味になってしまいます。そして、2シーズン目は、料金も倍になったり、そんな経験もあったので、購入は辞めることにしました。

今から思えば、1年間に35試合も観戦することができ、貴重な体験だったと思います。



 

 

 


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