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海外企業格付を取得する手法とは?皆さんならどうする?

本日は、日頃より「与信管理コンサル」をやっていて、最近お客様からよく聞かれるテーマを取り上げて、簡単にその内容を紹介させて頂きます。

それは、海外企業の信用度チェックの手法についてです。国内企業と比較して断然情報量が少ない中で、如何に自分達の客先の信用度を判断したら良いのか、といった極めて重要かつ素朴な質問が出されてきます。

勿論、原則決算書の提示をお願いして取得するのが王道のやり方であり、仮に新規先であれば直近過去3期分の決算書を取得するのが基本です。国内企業同様に、決算データ(定量データ)に基づきある程度信用度の色分けを行い、その上で、支払い振りや信用不安情報の有無といった定性評価を加味して、最終的な格付を決定・付与することになります。

ただ、お取引先のポリシー(決算非開示方針)や、国のレベルによってもそうですが、全ての客先からこちらが求めているような決算データが出てくるとは限らず、定量分析の壁にぶち当たるのが自然の成り行きです。ましてや、取引の最初の時期から決算書の提示を求めていたならまだしも、途中から切り出すのも中々交渉上ハードルが高いですよね。

そのような時に、是非活用して頂きたいのが、第三者の立場にあるあるコンサル会社様が提供している「海外企業格付サービス」です。勿論、一つ前提条件があり、対象決算期を定めて(通常は直近決算期)、その決算期から導き出される格付情報を手に入れることができるのですが、その対象企業様が信用調査機関宛に決算データを開示している場合に限定されるという条件付きになります。

このサービスを利用するメリットは、自社内で海外企業向けの信用度ランク(格付)設定の為の判断基準(下敷き)を作成する必要がなく、決算データが入手できる限り、その格付付与業務を完全に外出しできることにあります。

しかしながら、全く決算情報を取得できない会社様に対しては、上記の格付付与サービスを利用できないことになり、最終的に自分達で判断せざるを得ないという現実に直面します。

そこで、ポイントになってきますのは、営業マン自らが、海外のお取引先様を訪問した際に、相手方から必要最低限の決算・財務情報を聞き出す上で必要とされるノウハウ・テクニックの習得になります。その際の営業マンの聞き方は非常に重要であり、謙り過ぎることなく、かつ礼儀を尽くした上で、大胆にそして堂々と聞く姿勢が求められます。これは、ある程度、現場での場数をこなす必要があり、いい意味での慣れとしつこさが求められます。

最終的には、全ての営業マンが、上記の聞き取り能力を習得してしまえば、正直外部会社から一定の費用を掛けて海外企業の格付データを購入する必要もなくなってしまいます。社員全体の与信管理能力の向上とコスト節減の一石二鳥を得ることに繋がり、これはトライしない手はないと考えます。

弊社では、上記で述べた海外企業格付サービスを付与している会社様をご紹介できると同時に、皆様の会社様の営業マンの方々がお取引先に訪問した際に、具体的にどうやって決算情報を聞き出したら良いのか、また決算情報以外でも訪問時に着目すべき点などを指南したコンサル業務を提供しております。同時に、そのようなテーマでの研修・セミナーも行っていますので、お気軽にご相談頂ければ幸いです。

与信管理コンサル 髙見 広行