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散文詩の朗読

イカした見出しの犯罪をしてみたい。サマーオブラブ以降初の大パノラマパーティー。リビングデッドの呼び声も強いし、戸締りをしましょうね。テープで目張りするのも必ず忘れない様に。あなただけのランタンはゲロに塗れてドロドロに汚れている。色々なものを照らす側の人間でありなさいと、皺皺の手の老婆が語りかけてくる。デッドボールの跡は一生肌に刻まれたまま、残っている。あたりを見回す目には、どうも何かを引き摺る様な音がする。歯型だらけのビート板、警察官、どこでついたか分からない泥。もういっそ笑いに変えてしまおうかと見せびらかせば冷笑を投げかけられた。しまった、今日は肉の下処理をまだ済ませていないんだった。

(ラップ音)

紫煙は別の色とは混ざり合うことはない。メンフィスの少女がミシシッピ川でザリガニ釣りをしている時、日本のあるところでは負けの込んだ男がダブル役満を上がった。左右と正面の卓を囲むサラリーマンが優しい目で分かった様なフリをしている。ありえない出来事が起こるとして?それでもまた冬が来ます。そして私はデキャンタの中を全て自分にぶっかけてそれが楽しみだと、アルパカの匂いを嗅ぎながら運がいいと、叫ぶ。きっと誰かには届いてる、そうでないはずがない。そうじゃなきゃおかしい。だから、大丈夫だ。必ず、大丈夫だ。ヴァニタスとかって言ったっけ、あのアプリ。気が向いたら入れてみようかな。

始まりは誰も気づかない。気づかぬ様に確実に進んでいる。気づくはずがない。何年も前から?誰かがどこかで気がついたっていいはずだ。そんなに沢山の人間が、誰にも分からないように、記者どもの目を逃れることなんてありえないはずだ。ありえるはずがない、僕の知り合いの中にも複数いておかしくない計算だ。一体、いつから。 

元気の出る言葉、中身のわからない小瓶、デイタイム・ディライト。それにしても今日はよくランニングシャツ姿のおじさんとすれ違う。ジョギングに精を出すのはよいが、深夜の2時にこんなに沢山のおじさんがジョギングするなんてさすがに妙に思える。そういう健康法が、どこかの雑誌か何かで流行っているのだろう。通知が鳴り止まない。また向こうからランニングシャツ姿のおじさんが走ってくる。妙に明るい笑顔は深夜には似つかわしくない。

最近やけに外人が多いね!どこかで面白いことがあるんだよ、きっと!そう言ってダッシュボードから灰皿をらんぼうに手にとり、窓を開けて道の脇にあるゴミ溜めのような花壇に捨てた。大広間に7時に集合だったな。チェーン、手袋、懐中電灯、それに塩を1キロ。一体こんなものを持たせて何をさせるって言うんだろう。さっきから、カバンは肩にめりこみそうで、もう感覚がないし、底に詰め込んだチェーンがいやな音を立てている。

一人分のエレベータ、芸能界、どうやって使うか見当もつかないスナイパーライフルの部品。そんな目でおれを見るな。どうせ使わないんだから貰ってくれたら嬉しいんだけど。絶妙に、何の動物がモチーフか分からない人形。そんな目でおれを見るな。

(ラップ音)

マイケルジャクソンの魂を呼んでコンサートだなんて、イカレてるけど面白いじゃあないか。ポゥ!娘は今年で二十歳になります。アッバース朝を建てたアッバース・イブン・アブドゥルムッタリブ。とても素敵な言葉、人の気持ちを変える言葉、意志を持つ言葉、本当に君を想うための言葉。ヴァニタスがなければ出会うことのなかった友。かけがえのない仲間。全身が蛇皮の服の男がこんなにも屈託なく笑うとは意外だった、そのナンセンスさに僕もつられて笑ってしまった。

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