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生き物なんかきらいだ

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嫌いで愛しい生き物たち ごめんなさい
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生き物なんかきらいだ:左右の目の色が違うハスキー

動物のシッターしてました。 左右の目の色が違うハスキー。仕事を始めて、すぐ依頼をくれたお客様。 目の色が違うハスキーはお茶目で、方向音痴で、とても優しい女の子。散歩にいったら、2人で迷子になって、人に帰り道を聞いたよね。 私たちはなかよしになった。お母さん(飼い主さん)の代わりに病院にも連れて行ったよね。 どんどん追い越され、私より君が老いていく。 風邪をひいたというお母さんから、君がもう動けないのと、聞いたその夜。 君にこっそり会いに行った。 屋内から庭に出ること

生き物なんかきらいだ:ミニチュア・ピンシャー

ひとり暮らしの学生時代、稼いだバイト代で、犬を飼った 毛が短くて小さな体をプルプルとふるわせていた すがるような眼でいつも体のどこかを私にくっつけていた 親に仕事と犬がばれ、犬は没収、仕事はやめさせられた 久しぶりに会った犬は男盛りで人を見下すように高い塀を乗り越え 近くの女に会いに行った ある日、車に轢かれたのであろう、足を引きずりながら帰ってきたという 傷がいえる間に去勢もした でも、奴は隙をついて塀を乗り越えた 人を見下すように、意気揚々と それっき

生き物なんかきらいだ:しろいいぬ

ものごころがついて初めて家族になったしろいいぬ ふわふわのまっしろな綿に埋まった真ん丸の黒い点がみっつ さわろうとしたら綿がぱかっと開いて自分の指の先に食いついた いたい~あははは かわいい~ いつもソファーに隣どうしでお座りしていた いつの間にか私の座高を超えた ほわほわの毛は 全身をみっちり覆う白い絨毯になった その時代、いぬは外につながれていて、いわゆる残飯が主食 人が来れば吠えて教えてくれた かけっこは私を馬鹿にするように横をかけぬけていく でも、