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【オーストラリア留学】成績評価方法/Assessment の種類/私の成績マネージメント術

今回は、大学の成績評価方法や Assessment の種類についてお話していきます。また、今回と前回紹介した内容を踏まえた上で、私が好成績をキープするためにしていた事を、参考までに紹介したいと思います。

成績はどのようにつけられるのか

成績評価点の種類

日本の大学では、科目は『秀・優・良・可・不可』又は『S・A・B・C・D』というふうに評価されることが多いですね。一方で、オーストラリアの大学では、次のように評価点が設定されています。※大学によって多少異なる

High Distinction (HD):80% - 100% の成績
Distinction (D):70% - 79% の成績
Credit Pass (C):60% - 69% の成績
Pass (P):50% - 59% の成績
Fail (F) :< 50%  こちらは残念ながら不合格なので、単位はもらえません

オーストラリアの大学では成績の評価基準は厳密に設定・管理されています。例えば、HDに求められる知識やパフォーマンスのレベル等は具体的に設定されており、評価する者はその Grading Criteria(評価基準) や Marking Criteria(採点基準)に沿って公平に評価点をつけていきます。また、この Grading Criteria や Marking Criteria は、Unit Plan や Blackboard上で確認可能なので、学生はそのレベルに達するための努力がしやすくなります。

成績評価方法

成績評価方法については、通常 Unit Plan に詳細が記載されていますので、第1週目の授業が始まる前にしっかり確認しておくことが大事です。

通常、セメスターを通して複数の Assessment が行われます。一般的には、エッセイやレポート、ディスカッションでの貢献度、期末テスト等があり、最終的な評価点(i.e., HD, D, C, P, or F)はその総合点から決定されます。

参考までに、私が実際に受講したクラスの評価配分を例にしてみました。

Example A
Case Study (40%) + Assignment (60%)
Example B 
Tutorial Participation (15%) + Online tests 1, 2 & 3 (5% each) + Assignment Report Part A (5%) + Assignment Report Part B (15%) + Exam (50%)
Example C
Participation (10%) + Assignment (20%) + Group Planning Written Report (20%) + Group Report Presentation (10%) + Exam (40%)

見てお分かりのように、課題中心な評価プランもあれば、授業参加や小テスト、グループワークなどを満遍なく取り入れた評価プランもあります。中には期末テストが無いものもあります。

Assessment の種類

先述の通り、Assessment の種類は様々です。このセクションでは、一般的な Assessment について簡単に説明したいと思います。

1.Assignment

Assignment の大半は、リサーチや分析を含むレポートエッセイなど、ライティング形式の提出物となります。個人で行う場合もあれば、グループワークとして複数人で取り組む場合もあります。通常は Word limit が設けられており、Unit のレベルが上がるほど、指定の Word数も増えていきがちです。尚、Word limit は日本語にすると「文字制限」や「字数制限」と訳せますが、実際のところ、英語では「字数」ではなく「単語数」を意味しますのでご注意下さい。

また、Reference(参考文献)の数が指定されることもあります。たとえ明確な指示が無い場合であっても、自分の意見やポジションには理由付けが必要ですし、信頼のある文献の使用はエッセイやレポートの質を上げますので、1年次レベルであっても10以上は読んで引用する必要があるでしょう。尚、オーストラリアでは参考文献の引用に関する規制がとても厳しいため、自分の大学や学部が採用している Reference Guide をしっかり確認しておきましょう。

※文献引用のルールを含む Academic writing skills に関しては、今後改めて別の記事にする予定です。

2.Presentation

これもよくある Assessment の一つで、個人・グループともに、スライドを使っての Presentation が一般的です。Assignment とセットで課される場合も多いですね。その場合は、まず Assignment の内容をプレゼンで発表し、その1~2週間後に、Assignment の完成品を提出するという流れになると思います。

3.Perticipation

これは Tutorial への参加度・貢献度に対しての評価です。前回の記事で紹介した通り、Tutorial では Lecture で習った内容の理解を深めるため、少人数で練習問題をしたりディスカッションをしたりします。そこでのアクティビティに、どれだけ積極的に参加し、建設的な発言をしているかが評価されます。

4.Quiz/Test

こちらは小テストのようなもので、授業中に行うものもあれば、各自オンラインで行うパターンもあります。私が受けてきた中では、1時間くらいのQuiz形式のものが多かったです。オンラインの場合は一定の期間だけオープンになっているかと思いますので、スケジュールをしっかり管理しておく必要があります。

5.Exam

学部によっては中間試験がある場合もあるようですが、私のようにビジネス系の学部の場合は、Examといえば基本的には期末試験を指します。科目にもよりますが、試験時間は大体が2時間~3時間で、その制限時間内に4~5つのエッセイを書くことが多かったです。ファイナンスのように計算式が必要な科目では、A4サイズの紙一枚分のメモなら持込みOKということもありました。

メジャーな Assessment はこのような感じです。その他にも、自分が Facilitator として議論を進行させるセミナーや、学会用に Academic Poster を作成するといったケーススタディなどもありました。

求められる勉強量について

まず、日常的にしなければならないこととして、次回の Lecture/Tutorial の準備があります。いわゆる予習ですね。Unit Planには、各授業の前に読んでおくべき文献やチャプターが提示されており、教授や講師は学生がそれを既に読んでいることを前提に授業を進めていきます。リーディングの量は、科目にもよりますが、1教科につき週50~100ページほどはあったように思います。また、事前に練習問題を出題されている場合もありますから、その場合は自分で用意した答えを持参して授業に臨まねばなりません。

この『準備』が不十分のまま授業に参加した場合、ディスカッションで建設的な意見を述べることはまず不可能ですし、内容によっては授業についていくことさえままならないでしょう。評価プランに Participation が含まれている場合は成績に直に影響するので、予習はとても大事です。フルタイムの学生は、このような予習を毎週4教科分こなさなければなりません。

それに加えて、Presentation や Assignment の準備もしなければなりませんし、これがグループワークとなるとミーティングプレゼン練習の時間も必要になります。

1週間に4教科と聞くと、タイムテーブル的には大したことが無いように感じるかもしれません。しかし、上記の通り、オーストラリアの大学では膨大な自己学習の時間が求められます。

私の学業成績マネージメント術

とはいえ、ただ我武者羅に時間を使って頑張るだけでは効率性にかけます。逆に、貴重な時間を無駄にしてしまうことさえあるでしょう。実際のところ、全てを完璧にしようとしたところで、時間はいくらあっても足りないのが現実だと思います。よって、"Study smarter, not harder"と言われるように、Study skillsManagement skills を身に着け、効率性を高めることも非常に重要です。

というわけで、このセクションでは、私が学部生時代に実行していたマネージメント術を紹介しようと思います。好成績をキープするには英語力や学力ももちろん大切ですが、このセクションで述べる内容に関しては、それらは一切関係ありません。つまり、この部分に関しては誰にでもできるということです。では、ご参考までにどうぞ!

効率的なタイムテーブルを作る

自己学習の時間を確保するには、出来るだけ自分のライフスタイルに合ったタイムテーブル(時間割)を作る必要があります。私は仕事も週20時間していたので、出席が必要な授業をできるだけ集中させ、大学に通う日数を週に2日、ないしは3日になるよう調整していました。

集中できる時間帯に、集中できる場所で勉強する

時間には限りがあるからこそ、できるだけ集中力が高い状態で勉強できるようにしていました。私は当時ホテルに勤めていたのですが、基本早朝スタートで一人勤務も多く、機転を利かせた判断や体力も必要な仕事内容だったため、帰宅後はぐったりで勉強する気力が残っていませんでした。その状態で机に向かっても集中できずに非効率だと思ったので、夜は早めに寝て、午前2時や3時に起きて予習や課題をするという方法を取っていました(静かで脳もクリアなのでとても捗ります!)。一方、授業のある日は朝から勉強モード一色なので、授業後もそのまま大学に残り、午後10時頃まで図書館で課題をするというパターンを習慣化させていました。簡単に言うと、仕事の日と勉強の日に分けて、休息もしっかり取りながら、生活にメリハリをつけていたということです。

空き時間/隙間時間を有効に使う

私の場合、空き時間というものはほぼ無かったのですが、隙間時間のほとんどはリーディングに充てていました。例えば、大学はバスと電車で片道約1時間の道のりでしたが、その間は常に教科書や文献を読んでいましたし、友達を待っている間や仕事が始まるまでの時間など、いつでも読むことができるように、常に何かしらの文献を持ち歩いていました。リーディングはどこでも簡単にできるので、隙間時間を使ってする事としては丁度良かったです。

Unit Planを読み込む!

これはもう、私が口を酸っぱくして言いたいことナンバーワンです!グループワークにおいて、何度もチームメイトに「ちゃんと Unit Plan 読んで!」と言っていました(笑)

前の記事にも書きましたが、Unit Plan には授業内容、教科書や参考文献情報、具体的な学習準備の指示、成績評価方法、課題内容などが事細かに書かれているので、その通りにやってさえいれば、ある程度の点数は取れるはずなのです。それにも関わらず、Unit Plan に書かれている Task Descriptions や Marking Criteria を軽視する学生が少なくありません。

私が課題に取り組む時はいつも、この Unit Plan に書かれている内容を確認しながら進めていました。そこには、どういったポイントを押さえれば加点につながるか、ご丁寧にも事細かに書かれているからです。これを Marking Criteria(採点基準)と呼ぶのですが、深く説明すると長くなりそうなので、今度別記事として紹介しようと思います。

Assessment のスケジュール表を作る

先述の通り、学生はとにかく膨大な量の予習と課題をこなさなければなりません。ここで必要になってくるのがタイムマネジメントのスキルです。課題の提出日が重なるなんてことは日常茶飯事ですので、どの週でどんなAssessment があるのかを常に意識し、計画的に課題を進めていく必要があります。

そのために私が作っていたのが、4教科全ての Assessment を一つにまとめたスケジュール表です。セメスターが始まる前に全科目の Unit Plan に目を通し、Assessment の日程やボリュームを確認します。そしてExcel で簡単なカレンダーを作り、そこに Assessment の日程をまとめておくのです。これを印刷してファイルのトップページに綴じ、常に確認できるように持ち歩いていました。

参考までに、昔のUnit Planをもとに作成してみたので、興味のある方は見てみて下さい。(即興で作ったので、あくまでイメージですが…)
↓↓↓

とてもシンプルな表ではありますが、毎週何かしらの Assessment があるので、こういった一覧表があると計画的に動きやすくなります。私にはとても役立ちました。

期末試験の前にPass(50%)を取る!

これは、私が目標として設定していたものです。私は常にHDを目指しており、それを達成するためには、期末試験の前に50%を取っておくのが理想的でした。

というのも、期末試験はやはり緊張します。時間制限がある中でエッセイを書かなければいけませんし、苦手なトピックが出題される可能性もあります。それに対し、Assignment や Quizレベルのテストは、努力が報われやすいです。Participationにいたっては、きちんと予習をして参加すれば良いわけですから、これほど点数を取りやすいものはないでしょう。

先に50%を達成しておくと、少なくとも単位を落とす心配は無くなります。その分、試験での緊張も軽減できるのでお勧めです。もちろん、Assessment の配点によっては物理的に不可能な場合もありますので、あくまで目標としてです。

まとめ

本日の記事はここまでとなりますが、いかがでしたでしょうか。海外の大学って大変そうだなと思いましたか。それとも、勉強は大変そうだけど、色んなスキルが身に付きそうだし、なんだかワクワクすると思ったでしょうか。

オーストラリアの大学は学ぶことに貪欲な学生にとっては、勉強意欲を満たしてくれるカリキュラムやツール、設備等が揃っており、とても素晴らしい環境です。意識の高い学生も多いため、図書館や E-Labs は常に込み合っており、こちらの意欲も掻き立てられます!

次回は、Assessment 攻略術の一部として、Task Descriptions と Marking Criteria について取り上げたいと思います。

では、また次の記事でお会いしましょう!
Have a wonderful weekend! 

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