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妄想連載「ハーフボイルド家族」

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ハードボイルド、とまではいかないけれど、ちょっと変わった家族の記録。ぶつかったり離れたり、時々進むけど、しょっちゅう後戻り。 自由と正義を掲げた船に乗り込んだ私と4人の子どもた…
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#家族

何倍か、何十倍か。それが問題だ。(パプア滞在記①)

円だと思ったのだ。 だからまあまあ英語ができるふりをして、「noted」と返事をした。 (本当…

Z
3週間前
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当たり前の、ウラガワで

朝起きると、ブリキ缶のようにベコベコと音がした。 ような気がした。 疲れているのかもしれな…

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1年前
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大好きだった祖父が亡くなっても涙が出ないほど不自由だった私が自由を取り戻した話

夢を見た。もう死んでしまった、祖父と祖母の。 祖父母は慈愛にあふれる人たちだった。私が私…

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4年前
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インドでロックダウン生活

世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)。 WHO勤務の夫が、年明けに「中…

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4年前
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踊ろう、歪んだ世界で。

デリーがロックダウンされて27日目。 9歳の長男のイライラは日に日にエスカレートしている。…

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4年前
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長女のピアスとルパンの思い出

「ピアスあけてけてみよっかな」 8歳の長女がある日言い出した。 「いいじゃん、この前アラ…

Z
4年前
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インドへの旅立ち編 〜ハーフボイルド家族〜

ハードボイルドを目指して夫と結婚するまでの私は、わずかな自尊心にがんじがらめになって身動きがとれず、弱くて惨めな少女だった。中学から親元を離れ、ストイックに勉強して入学した大学では、その先の道を見失い、自分の生き方を見失い、周囲の新しい環境や刺激に面食らって、足がすくんだ。文字通り身も心もボロボロだった私は、すがるように夫と結婚した。 中学の先輩だった夫は、中学卒業と同時に休学し、インドへ旅に出た。何モノにもとらわれず、自由に自分の疑問を追求し、どんな障壁もいとも簡単に乗