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笑顔が素敵な女性がタイプとか言うやつきもすぎるだろ

(写真は2019年ロンドンにて。パイナップルの着ぐるみが道端に落ちてた。ナイススマイル。)

4月からUniversity of the Peopleっていう、完全オンラインでしかも無料(!)のアメリカの大学のマーケティングの授業を取ることにした。いつの頃からか、自制心と持続力皆無の人間になってしまったので、急に正規の学位とかじゃなくて、一旦ショートコースを受けることにした。それで、なんかいけそうだったら来年MBAとかに申し込もうかな。(あと、今年は推薦状とかが間に合わなかった。普通の日系企業に勤務する会社員は、一体誰に頼めば良いんだぜ?)
でさ、たぶん課題とか出るんだよね。だから、自分の考えをぱぱっと2000~3000字くらいにまとめるスキルが必要だから、ちょっと因果関係意味わかんないかもだけど、長年のもやもやを纏めることにした。


「どんな人がタイプですか?」
男女が複数人集まってアルコールがあったら、ほぼ自然発生する質問。
それで、男性側から1人くらいは必ず聞かれる「笑顔が素敵な人」
これ、まじできもくね?


ずっと前から、なんか納得いかないんだよね。
なぜ自分が納得がいかないのか、検証してみた。


1. なんか胡散臭い

いや顔やん。顔で選んでるやん。
「笑顔」とか言うと、なんか「自分は見た目じゃなくて、内面重視側の人間」みたいに聞こえるし、本人も「笑顔が〜」発言してる時、だいたい彼の持てる渾身の聖職者顔してるけど、全然見た目側でしょ?
外見から興味を持って、好意を抱くことが忌々しいとは全く思ってない。寧ろ「自分はルッキズムの塊です」とか「自分の中で0から10までレベルがあって、8以上なら可」とか「150cm台童顔巨乳」とか言ってくれた方が誠実だなと思う。なんだよ笑顔って。

数年前に、東京の英会話カフェで、ベルギー人の先生と、数人の日本人とそんな話になって、「笑顔が好きとか言うやつまじ信じられん」って私が言ったら、そのベルギー人が「てかそんな奴おる?初めて聞いた草草草」とか言ってて、その後やってきた日本人男性が立て続けに笑顔側の聖職者だったから「実在するliar!www」ってなってたな。


2.笑顔が素敵は理解している

いや、でも、わかる。笑うとクシャッとなって可愛いとか、静かにうふふって笑うの可愛いとか、豪快に笑って見てて気持ちいいなとか、そういうのは人並みに理解してるつもり。反対に笑い方とか生理的に受け付けない人もいるし、だから、その「笑顔の相性」的なものはあるよなとも思う。


3.予防線的なやつ?

もしかしてだけどさ、これって女性が女友達に彼氏の写真とか見せる時、モデル並みにイケメンでない場合(というか、ほとんどの場合そうなんだけど)「でも、すごい優しい人なの」って言うあれと似てるのかな。別に友達の現実世界での推しに関して「顔がいいのか?」とかこちらとしては期待していないのだが、なんかあのくだりあるよな。だから「顔面が合格点」と言う意味ではなくて「可愛らしい」と言う意味での「笑顔が可愛い」なのかな。。。?


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(帰国直後にこのポスター見た時、キモ!!って思ったよ。きっとクレームがあったんだろうね。「気持ちが伝わらない」的な?ちなみにこれ見たの、道の駅ね。)


4. もしかしてプラスの面しか見てないとかないよね?

3秒前に、一旦笑顔側の男性に歩み寄りを見せたけど、ひとつ確認したいことがある。まさか、まさかだけど、プラスの面だけ見てる訳じゃないよな?私は昔の東洋の考え方って、結構理にかなってるなと思っていて、陰陽学の本を読んで興味深いなと思ったことがある。全てのものは中庸で、中庸っていうのは、プラスに働く力があれば、それと同じ分のマイナスに働く力が加わって、ゼロになって均衡を取ろうとするというもの。ちょっとそれらしく難しい言葉を羅列してみたんだけど、知り合いでも「いつも笑ってていいね」と言われる人は、だいたい根暗。根っから暗いのではなくて、根っこは暗い。別にいつも無理して笑ってるとかじゃなくて、人より振れ幅が大きい。笑顔側の聖職者たちは、そのことも把握しているのだろうか。マイナス面が現れたら、彼らはどう反応するのかな?わざわざ"タイプの女性"として掲げてるんだから、行動パターンも把握してるよね。「案ずるな。存じておる。」ってなるんだよね?もしくは、都合よくプラスの面だけ見て可愛いとか言ってるの?な訳ないよな?


5. たぶんテンプレートが嫌いなんだわ

たぶん私は他の人よりも、テンプレートが嫌いなんだと思う。もしくはテンプレートの意図するものが理解できないのかな。例えばだけど、最終結論が「PDCAサイクル回していきましょう」とか「顧客満足度を上げましょう」とかふわっとぼやっとしてたら「は?だから何?具体的に何したらいいわけ?」とひとり憤っていることが多い。(今思うと変なんだけど、新卒で働いてた会社での悩みは「みんな同じ言葉を喋ってて気持ち悪いし、何を言ってるか理解できない」だった。)でも他の人は熱心に「PDCA」とメモしたりして、ふむふむなってることが多いから、よく使われてるフレーズへの嫌悪感や失望感は自分特有のものなのかもしれない。割と頻出フレーズの「笑顔が素敵な女性がタイプ」に対して、もしかしたらオリジナリティ度が低い上に、発言者の思考や意思を感じないから、その発言自体に魅力を感じていないのかもしれない。


6. 己のジェンダー論的にややアウト

「笑顔が素敵な人〜」って多くの場合で男性→女性に向けられると思う。女性→男性は、あんまりなくない?女性→女性でもあまり聞かない。聖職者たちは、あたかも「ルックスではなくて性格で共感している」と主張しようとしているけど、笑顔なんて中身とも言えないのでは?むしろ表層じゃない?なんだろ、人間の体で言うならコラーゲン層くらいかな。真皮。中身までは到達してない。だって、知性や能力やセンスや性格じゃない。

そもそも、彼女たちはなぜ笑っているのだろうか?本当に楽しくて笑っているなら良いけど。聖職者たちが皆エンターテイナーだとは到底思えない。

聖職者たちと彼女たちは対等な立場なのだろうか?
もし会社で役職が違うんだったら、「いつもニコニコ」しているのは働くのが楽しいからでもないし、単に彼女が天真爛漫だからでもない。
多くの女性は、いつも笑顔でいることが美徳だと刷り込まれてきてしまったし、社会や習慣への違和感に対して声を挙げるのは、あまり賞賛されるものではないと感じ取ってきた。
その結果としての笑顔かもよ?彼女がそれを認識しているか否かは別として。

なんでもジェンダーの議論に結びつけると、それこそ煙たがられるのは承知なのだが、このような「プラスの表現」や「なんなら褒めている」ことであっても、根底を紐解くと「あれ?なんか違くね?」ってなることもある。(他の例だと、海外で「君すごく日本人的で礼儀正しいね」みたいなやつ)
話を戻すと、やっぱり「笑顔」で評価されてしまっている以上、対等には見られていないんだと思う。それは彼らにとって都合のいい状態なだけなのではないかな?彼女の人格へのリスペクトが感じられない。


これだ。あーだからずっと気持ち悪かったんだ。
すっきり。
博士号👏👏👏

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(コロナが拡大した時、ロンドンの街中にあったポスター。不都合の多い世の中になったけど、お互い優しくしようや、的なやつ。好きだったなー)

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