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地下に降りた先で演劇を見た
11月26日。私は佐賀市内を自転車でうろついていた。この日は、中ノ小路賓館と旧百﨑家住宅主屋という2件の歴史建築が公開されていて、それを見に行くためだった。
中ノ小路賓館を見に行った後、旧百﨑家に向かっている途中、古めかしいビルを通りがかった。よく見ると地下に降りる階段があり「寺本地下街」と書かれていた。なんとなく何かを感じ取った私は、その階段を降りていく事にした。
長くない階段を降りきった先には、何件かの飲み屋があった。どれもまだ開店前だと思った矢先、1件だけ賑わう店があった。近づいてみると、飲み屋ではなくイベントスペースとして使用されている場所だった。イベント関係者に話を聞けたが、アート作品の展示と演劇をやっているという。演劇は私が来た時間にちょうど終わったとの事だった。
今日がイベントの最終日で、演劇は2時間後にあと1回行われるというので、先に説明した2件目の物件に行ってからまた来る事にした。
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2時間後、ようやく演劇を鑑賞する事が出来た。内容は、この世界の意味があるもの、無いものについて2人の演者が問答をするという物だった。普段、演劇に触れる事が全く無いため、かなり新鮮だった。
終演後、別の日にまた別の演劇をやるので見に来ないかと案内を受けたので、それも行く事にした。
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別の日。再び同じ場所へ出向くと、前回やりとりしたスタッフさんが挨拶してくれた。なんと、顔を覚えられていたらしい。私は他人の顔を覚えるのが苦手なので素直に凄いと思う。この日は二組の劇団が来ていた。
最初に公演があったのは「月夜組☆ゴジタ」による「月夜の森」。いつの間にか、あの世に近い森へ迷い込んだ一人の男が、死神のような森の主のような存在と問答をして、無事に現世へと帰っていくという内容だった。ステージを縦横無尽に移動して、セリフの声量も大きく、とても迫力のある演劇だった。
二組目、「猫を飼う」による「お葬式」。葬式が終わり、故人の遺品整理をしている二人の会話から、故人がどんな人物であったかだんだんと明らかになっていくという内容だった。セリフ回しがどこか文学的だったのが印象的だった。
・終わりに
ふだん演劇に触れる機会が無いため、どの劇も思わず見入ってしまった。日常的に触れる娯楽コンテンツといえばyoutubeが手軽で頻度も多いが、どこでも見られる代わりに映像と音声という、2つの情報でしかない。演劇というものは目の前に演者が居て、その場所の空気感や生の声など、得られる情報が段違いに多い。機会があれば、また見に行きたいと思う。
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