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お茶会に参加した話

 福岡にユウアヒアという施設があり、古い団地の地下1階にある図書館とコミュニティスペースを兼ねたような場所が存在する。
ここでは毎週末にイベントが開催されていて、時には子供向けの食堂だったり、セミナー会場だったり、ワークショップだったりといった具合である。
その中で参加してみたいイベントがあり、行ってみた日があったのだが、講師の方が体調不良との事で急遽中止になってしまった事があった。

 中止の件は数日前に告知があったようで私が知らなかっただけなのだが、暇だからこの場所に立ち寄ったというような方が数名その場に居たので、このまま帰るわけにはいかないと思ったのもあってつい話し込んでしまった。
そこで、今度お茶会があるから参加してみないかと誘いがあったので参加してみる事にした。というか、いつのまにか人数に加えられてしまっていた。

 当日。行ってみると前回居合わせたメンバーに加えて更に数名、合計で6名ほどの人数が揃っていた。お茶会といっても、ただお茶とお菓子を食べて終わりではなく、対話型コミュニケーションという概念がテーマとなっていた。主催者の私物である何点かのアート作品が用意してあって、それについてそれぞれ感想を述べるという形式。そこで新たな発見や見る人による視点の違いを楽しむというのが、この対話型コミュニケーションの醍醐味なのだという。

 まず事前準備として、参加者は即席の名札を渡され、色付きのペンでそれぞれ色にちなんだ名前を書く。そしてなぜその色を選んだのかを発表するという流れだ。ちなみに私は「あお」にした。以前乗っていたバイクが青色だったためである。

 色についての発表が全員分終わったあと、アート作品についての感想を述べ合う。ここで用意された作品は「むくむくしたけもの」さんという方の作品群であるという。名前の通り、柔らかいタッチの絵画であった。
いざ感想を述べ合ってみると、思いのほか人によって様々な視点がある事に驚いた。例えば、絵に人物が描かれているとしよう。それを見て各人が感想を述べる。驚いてるように見える、悲しそうに見える、そもそも人間じゃない生物に見える、といった具合だ。

 SNSにおいては、意見の相違はトラブルになりやすい。しかしこの場では純粋に自分には無い視点や考え方に触れて、ただひたすら驚きと新鮮さを感じる事が出来た。楽しい時間はあっという間とよく言うが、本当にその通りで気が付けば解散時間となった。

 そして、お茶会と名の付く通り、紅茶を頂いたのだがとても美味しかった。しかし私はカフェインが体質に合わないタイプなのである。味は好きなのに体が受け付けない。なんとも歯がゆい。途中から紅茶を飲むのを止めてハーブティーと牛乳を頂いたのがなんだか申し訳なかった。無論、それも美味しかった。

  対話型コミュニケーションがテーマだったが、ふと思えば日常生活でこのような形式のやりとりをする事は殆ど無い。決まった人と決まった会話、やりとりをする毎日だ。そのルーティンにスパイスが加わったようで、良い刺激となった。
叶うのであれば、また別の機会も参加したいと思う。

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