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与える人間になる

人間関係を表す言葉で、”Give and Take” という言葉が使われます。
これは、何かを与えたら代わりに何かをもらう、何かをもらったら代わりに何かを与えるという、対等な相互関係をいいます。

例えば、友達が誕生日の時にプレゼントを渡したら、自分の誕生日の時に、その友達からプレゼントをもらう。
反対に、自分が誕生日の時にプレゼントを受け取ったら、友達が誕生日の時にプレゼントを渡すというケース。

このような形を、”Give and Take”と言います。
このGive and Takeが継続的に行われれば、良好な関係を築くことはできます。

しかし、現実の私たちは、この通りではありません。

人に何かを与えるなんて損だとか、これを与えれば相手が自分より得をするからやめておこうとか、与えてもいいけど、見返りを期待したりと。

結局、”自分の得ばかりを考えてしまうのが、人間というもの”です。
特に最近は、損得で行動している人が多いのではないかと思っていたりします。

今回のテーマは『与える人間になる』です。

一見、損をしてると思ってしまう”与える人間”ですが、
本当に得をしている人、
つまり、本当に成功(活躍)している人というのは、この”与える人間”なのです。

※成功の定義はそれぞれだと思うので、成功(活躍)と表記しています。

●勝つのはギバー:与える人間

アダム・グラトン氏の著書「GIVE&TAKE」によると、人との関わり方は3つのタイプに分類できるそうです。

・ギバー
ギバーは、自己犠牲を払ってでも他人に対して惜しみなく与える人です。常に他人を中心に考え、相手の利益や何を求めているのかに注意を払う。また、自分が受け取るよりもそれ以上に”与えようとする人のこと”です。
ギバー=与える人

・テイカー
自分が与えるのではなく、まずは自分が受け取ることを優先する人です。常に自分を中心に考え、相手の必要性よりも自分の利益を優先し、与えることよりも”多く受け取ろうとする人のこと”です。
テイカー=受け取る人

・マッチャー

与えることと受け取ることのどちらを優先するのでなく、損得のバランスをとろうとする人です。”損得勘定で動く人”は、まさにマッチャーというタイプに分類されます。

この3つのタイプの中で最も成功(活躍)する確率が高いのは”ギバー”であるとアダム・グラトン氏は明記しております。
一見すると、利益優先のテイカーや、状況判断に優れていそうなマッチャーの方が成功を手にすることができる印象を受けます。

一方、ギバーは”お人好しで世話好き”なので、出世やビジネスにおいての成功(活躍)とは無縁なのではとないかと思われがちです。
しかし、前述した通り、アダム・グラトン氏は”成功(活躍)する確率が高いのはギバーである”というのです。

ギバーが成功(活躍)する秘訣というのはどこにあるのでしょう。

●圧倒的信頼貯金

他人のために行動することを厭わず、惜しみなく与えることができるギバーは、当然ながら他のタイプと比べて感謝されます。人は自分に対して親切な対応をしてくれる相手を信用する傾向があります。感謝は目に見えるものではありませんが、感謝されることは、まるでお金を貯金するかのように、信用を貯蓄していきます。

キングコングの西野亮廣さんは、著書「新世界」で、
これからは”貯信の時代”と明記しておりました。どういうことか。「新世界」にあった内容を一部抜粋したいと思います。

・ホームレス小谷さんの話

ホームレス小谷さんは、「一日50円でなんでも屋」を始めます。
日給50円で草むしりやヌードモデル、iPhoneの新作発売に並ぶなど、小谷さんはなんでもしていました。

購入者は50円で小谷さんがよく働くので、”お金以外のもので恩返し”しようとします。
昼飯代を出して、夜飯代を出して、呑み代も出したりと、、、
50円どころか、そこそこの金額を支払っていました。
ところが、購入者の口から出てくる言葉は、いつもこれ。

「小谷さん、今日は本当にありがとう」

日給を一万円に設定していたら、こうはならない。
「一万円を支払っているのだから、それぐらい働いて当然でしょ」って感じで、ホームレス小谷さんとの関係は終わっていたはず。

(中略)

これまでは労働の対価として「お金」を受け取ってきたけど、ホームレス小谷さんはお金を受け取ること(お金を稼ぐこと)を放棄して、その代わりに「信用」を稼ぎ続けた。
その結果、ホームレス小谷さんが結婚式を開く際、クラウドファンディングで結婚式の費用を募ったところ、3週間で250万円が集まったのです。このクラウドファンディングに参加した人は、過去に小谷さんを50円で買った人たちでした。

↓ここから西野さんは以下のように考察しています↓

ホームレス小谷さんは「お金持ち」ではなかったが、「信用持ち」であった。
信用を稼ぎまくっているから、「クラウドファンディング」という「信用をお金に換金する装置」を手にしたときに、お金を作り出すことができた。

(中略)

現代、クラウドファンディングやオンラインサロンといった「個人の信用を換金する装置」が次から次へと登場している。信用さえあれば、お金が作れるようになってきた。

「お金を貯めた人間ではなく、信用を貯めた人間がメリットを受け取れる時代が幕を開けた。」

と。考察しておりました。

なるほど。”信用を貯める”
つまり、”貯信する人”が成功(活躍)するということ。

そして、この”貯信ができる”というのが、ギバー(与える人)の”最大の特徴”であり、常に見返りを求めるテイカーや損得勘定で動くマッチャーとの大きな違いとなります。

ホームレス小谷さんは、ギバー、”与える人間”だったからこそ信用を獲得することができ、貯めることができ、
結果として、お金を作り出すという形で成功したのだと考えます。

アダム・グラトン氏は、こういった”感謝から生まれる信用”というのが成功(活躍)する秘訣という意味で
ギバーが最も成功(活躍)する確率が高いと明記したのです。

●まとめ

現代では、SNSの普及によって、ギバーのしたことが顕在化しやすくなってきています。普及前を思い越してみれば、テイカーの利己的な振る舞いも、ギバーの利他的な行いも、人が知ることになるには時間がかかりました。

それが現代では、誰がどんな貢献をして、どう信頼されているのかがクリアに見えるようになってきています。
例えば、YouTubeのチャンネル登録者数やSNSのフォロワー数、クラウドファンディングで集まる資金額など。

チャンネル登録者数の多い人やフォロワー数の多い人、クラウドファンディングで資金を多く集める人というのは、
人々から信頼されているため、それが数値として表れているのです。

そして、この数値を獲得している人、つまり、信頼されている人というのは
”与える人間”であることが共通しているのです。

与える人間になることは、そう簡単なことではありません。
ですが、是非とも損得勘定とかではなく、他人のために動ける人間というのを意識してみてください。
例え見返りがなかったとしても、信頼は獲得することができるはずです。

与える人間。僕も意識していきます。

しかし、気をつけていきたいのが、”与える人間を悪用する人”です。

何でも与えてくれるからそれを、都合の良いように利用してくる人には
注意してください。

最後に、全国青少年教化協議会が「私たちの願い」と題して発表した一部を残したいと思います。

よろこんで与える人間となろう
物があれば物を 力があれば力を
知識があれば知識をみんなに与えよう
なければ自分の中に育てて与えよう
花は美しさを惜しまず
小鳥は楽しい歌を惜しまない
誰にでも 与える
与える時 人はゆたかになり
惜しむ時 いのちは貧しくなる
よろこんで与える人間となろう

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