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【都市計画・都市デザインをこれから学ぶ人向け・おすすめ4本】 都市系ブックソムリエ2

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#都市系ブックソムリエ として、おすすめ本を紹介していきます。
今回は新年度ということで、これから都市計画・都市デザインを学び始める人にとってのおすすめ4本です。


都市計画の教科書、種類も多いですし、都市計画の授業でも指定のものもあるでしょう。

ここでは、教科書とその先に自身で都市系の思考を深める入り口となるものを紹介します。私自身も都市計画Ⅱの講義の中でよくでてくる質問の一つです。 他にもありますが、まずは4本を紹介しましょう。

1.初めて学ぶ 都市計画(第三版)

▶︎書名の通り、初めて学ぶという視点で書かれた都市計画の教科書です。都市計画の基礎的な部分をなるべく古典的都市計画だけでなく、都市開発、景観や協働などにも触れられているものです。
特筆すべきは、フルカラーの事例編が25事例あり充実していること。私も執筆を一部していますが、実際にまちあるきをして、問いに答えるようなMBAのケースメソッドのような学びもあり、ビギナーだけでなく手も楽しめます。理論と実際の都市計画のフィールドを紐付けながら学ぶことができる点でおすすめです。

2.図説 都市空間の構想力

▶︎ちょっと文章を読むのは苦手だなという人に向けては、図がたくさんあるという点でも本書がおすすめです。
さらに、都市計画・都市デザインにとって、今の都市の文脈をどう読み解くかは非常に重要です。そこには、歴史や当時の都市計画家(都市プランナー)、都市デザイナーの計画意図もあります。しかし、それらは、都市を訪れるだけでは見ることがほとんどできません。文献や地図、時には空間に残った痕跡などから、都市の文脈を読み解き、構想する、都市空間の構想力が必要です。それらを事例ベースに解説し、読み解く図説の教科書になっています。都市デザインには、見えているものだけでなく、見えないものを読み解き、構想することが求められます。

3.都市計画学: 変化に対応するプランニング

▶︎こちらは、都市計画・都市デザイン全般の教科書としても役立ちます。他の都市計画の教科書とも重なる部分はありますが、「変化に対応するプランニング」に視点を当てっているところが特徴です。これからの時代に都市計画がどう対応するのか、という視点で書かれているので、同じ項目でも復習や初学で学ぶのもあれば、視点を変えて読むところでもおすすめです。最後に、都市プランナーの職能論の話も都市系キャリアデザインを考える上でも大事ですね。

4.白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか


▶︎白熱講義とあるように、対談形式で都市計画の熱い議論が収録されています。何に熱くなっているかというと、2011年の東日本大震災以降(それがトリガーとなって)、都市計画の制度疲労や都市計画の限界、あるいは都市計画のアップデートが求められています。これまでの都市計画の振り返りとこれからの都市計画でアップデートすることをレジェンド都市プランナーと最前線の(広い意味での)都市プランナー、専門家が議論している内容です。
2014年に出版されたというところを意識しつつ、様々な議論を批判的に読み、自身の思考やアイデアを研ぎ澄ませるためにもおすすめです。

いかがでしたでしょうか。

都市計画・都市デザインはたくさんの本やその先にあるナレッジをベースに議論をする要素が多いです。まずは、基本的な知識やナレッジをインストールし、また批判的に読み込み、自身の考えや思考を研ぎ澄ませていくことが重要です。そして、コンペやプロジェクトで都市系のアウトプットを出す時に、どんどんアイデアや提案を出せるように自身の都市系思考を鍛えよう。

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