見出し画像

神奈川県内の新型コロナウイルス感染症(covid-19)の感染者データに見る「第一波」と「第二波」の比較について2020年7月16日に思ったこと

1. はじめに

本記事は筆者(福本 塁)が神奈川県内の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 感染者数マップを自身で運営する研究室WEBに公開しており、そのデータを眺めている中で「ん?」と思ったことを書いているだけの記事です。ある程度の事実に基づいてはいますが、科学的な正確性や議論の正当性について、時間をかけてしっかりと精査したものではなく、あくまでも個人的な思いつきの域で私見を述べている点にご注意ください。


2. 神奈川県内の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 感染者数マップについて

このマップは2020年4月6日に公開しました。

主旨としては、「神奈川県で公開されている感染者の情報が多く蓄積されてきましたが、 できるだけ神奈川県民として知りたい情報に集約できるようグラフ等を掲載する」目的で作成しました。

2020年7月16日時点では、「市町村別カラムマップ」「30日以内の市町村別新規感染者数」「退院・入院比率」「男女比率」「年齢階級別感染者数」「日別新規感染者数」「日別累積感染者数」「日別累積PCR検査者数」「濃厚接触者の比率」「海外渡航歴がある者の比率」「症状別感染者数(年代別に切り替え可能」「感染者の自覚症状別人数割合」「感染者発生施設の発生経緯と事後対応マップ」「神奈川県オンライン・電話診療対応医療機関マップ」等を掲載しています。

神奈川県内の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 感染者数マップ

公開以降、2020年7月16日時点までほぼ毎日更新しておりますので、神奈川県にお住まい・お勤め・関心のある方は情報収集の足しにして頂ければ幸いです。


3. 神奈川県内の新型コロナウイルス感染症(covid-19)の感染者データに見る「第一波」と「第二波」

さて、ここからがタイトルの中身に関連する内容となっていくのですが、神奈川県で公開されている感染者データに基づいて、2020年7月16日時点で図示した「日別新規感染者数」「日別累積感染者数」を以下に示します。


画像1

図1 2020年7月16日時点の日別新規感染者数(神奈川県内)

画像2

図2 2020年7月16日時点の日別累積感染者数(神奈川県内)

上記を見ていただくと「第一波」と「第二波(のはじまり)」が明瞭に存在することがわかると思います。

日々、こうしたグラフを眺めていると「ん?」と思うこと、気になることや気がつくことがあり、本記事ではその内容を紹介しつつ、上記「第一波」と「第二波(のはじまり)」の中身を(厳密ではない)比較してみようと思い立ち書いています。

ちなみに、本記事で扱う「第一波」と「第二波(のはじまり)」は以下とします。

画像3

図3 「第一波」と「第二波(のはじまり)」(神奈川県内)

波の成分をどこからどこまで扱うべきか厳密に考えだしたら、それだけで考えを書く時間がなくなってしまいそうな気がしたので「2020年6月1日~2020年7月15日まで(n=457)」を「第二波(のはじまり)」とし、それ以前を「第一波(n=1380)」としました。(乱暴ですみません。)


4. 「ん?」と気になったのは年齢階級別感染者数

百聞は一見にしかず…ということで神奈川県内の新型コロナウイルス感染症(covid-19)の感染者数を年齢階級別に図示したものが以下です。(グラフの原図はchart.jsで自動生成したもので縦スケールがズレてますが差は読み取れると思います。)

画像4

図4 「第一波」と「第二波(のはじまり)」の年齢階級別感染者数

「第一波」と「第二波(のはじまり)」を比較してみると、「第二波(のはじまり)」の方が明らかに「20代(192人)」が突出して多いことがわかり、次いで「30代(80人)」が多くなってます。その次が「40代(50人)」「50代(46人)」となっています。総じて「働く世代」で感染者が多いことは第一波と共通していますが、「20代」「30代」の感染者が増えていることが読み取れます。

ここで、「第二波(のはじまり)」で突出して多い「20代」の職業別感染者数を以下に図示します。

画像5

図5 20代(第二波(のはじまり))の職業別感染者数(神奈川県内)

「会社員」「アルバイト」にどのような職種が含まれているか不明な点は多分にありますが、「働いている方」に限らず「無職」「学生」の方も多く含まれていることが読み取れます。また、自己申告ベースではあるものの、接する人数が多い or 接する時間が長そうな「飲食店勤務」「接客業」「保育士」「美容師」「教職員」「介護職」が少ないことから、各現場で本当に気をつけて感染予防に取り組まれている様子が推察されます。(念を押しますが「会社員」「アルバイト」に上記業種が含まれている可能性もあります。)なお、「接客を伴う飲食店」については新聞で話題になった「ホストクラブ」のクラスターであり、ランチや夕飯を食べる通常の飲食店とは異なる点にご留意頂ければと思います。

次に、同じく「20代」の症状別感染者数を以下に図示します。

画像6

図6 20代(第二波(のはじまり))の症状別感染者数(神奈川県内)

死亡者はおらず、「重症」「中等症」も少なく、「軽症」が大多数であることが読み取れます。一方で「無症状」の感染者の方が10%以上いることから、神奈川の中でも人口の多い「横浜」「川崎」を始めとする「他者との接触機会が高まる地域・場所」を利用する機会のある方が感染予防を怠ると今後第二波がさらに拡大していく可能性が示唆されます。


5.  自覚症状別人数割合の「第一波」と「第二波(のはじまり)」の比較

最後に20代に限らず全年代の「自覚症状別人数割合」について「第一波」と「第二波(のはじまり)」を比較したものを以下に図示します。

画像7

図7 自覚症状別人数割合の「第一波」と「第二波(のはじまり)」の比較(神奈川県内)

内容を見てみると、「発熱」「咳」「倦怠感」が三大自覚症状であることは「第一波」と「第二波(のはじまり)」ともに共通していますが、「喉の痛み」「頭痛」「味覚異常」「嗅覚異常」の割合については、「第一波」よりも「第二波(のはじまり)」の方が増加していることが読み取れます。

日々生活していると、体の不調を感じることがある方は多いと思いますが、不用意に怯えるのではなく、ご自身の関わりの深い地域で集積されたデータに基づいて、「年代」や「時期」などを見極め、正しく恐れ、各自が予防につとめていただく動機とすることが重要ではないかと思います。


6. おわりに

本記事は神奈川県内のデータに基づいたものですが、いつまで続くのかわからないコロナ禍の状況下において、情報収集の足しに頂ければ幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?