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ファフデクラーク 〜ラグビーワールドカップ優勝の南アフリカ代表選手にインタビュー!〜 記事翻訳

BBCによる、南アフリカ代表のスクラムハーフ、ファフデクラーク選手へのインタビュー記事がとても面白くモチベーショナルだったので僕なりに翻訳をしてみました!

元記事:Faf de Klerk: Pants, coffee, and Shrek: Q&A with South Africa’s World Cup winner  https://www.bbc.com/sport/rugby-union/50519816

ファフデクラークQ&A!

ラグビーワールドカップで優勝を収めた南アフリカ代表スクラムハーフのファフデクラーク。今回BBC スポーツは、今年のトーナメントの中で間違いなく一番輝いていた彼に、30分で出来る限りの質問をぶつけてきた……

ワールドカップ優勝を精巣ガン啓蒙のためにパンツ一丁で祝ったファフは、全ての男性にぶらぶら過ごすのをやめて、ボールを扱うスキルを高めるように呼びかけている。新たなロイヤルフレンドにも彼のチャレンジを申し入れるのか?



最初に聞く質問は決まってました。-ワールドカップ決勝後のチェンジングルームでの写真、なぜ南アフリカの国旗がプリントされたパンツを履いてたんですか?

あれ実は海パンなんです。南アフリカ代表選手全員に配られているもので、3年くらいずっと試合の時に履いてます。すごく着心地がいいんです。

幸運をよぶパンツみたいなものですか?

はは(笑)(イギリスの)ハリー王子に会えたのと、精巣ガン防止の呼びかけに繋がった点ではそうかもしれません。でも、勝負パンツや勝負ソックスのような特別なラッキーアイテムは試合に持ち込まないんです。多くの人がそういうアイテムを持ってるかも知れないけれど。

ハリー王子にパンツ一丁で会うのはとても奇妙な経験だったと思います。

僕以外にも何人かは同じような格好をしていました。選手達は特別な扱いをせずに、ハリー王子を1人の男として歓迎しました。ハリー王子本人もその雰囲気を楽しんでくれたと思います。彼は分別のある気の利いた人物で楽しく話せました。彼のような高いポジションにいる人が人格者であるのはとても気持ちが良いことです。

南アフリカのチームメイトがパンツ一丁になってファフチャレンジをしているところを見かけますが、それについて教えてください。

チャリティー団体に精巣ガン防止の呼びかけの運動の手伝いを頼まれてから、今や南アフリカの著名人がパンツ一丁になった写真を撮って活動を拡散してくれています。ボール使いのスキル向上が全てです!

ファフはパレードに集まったたくさんの国民から英雄的歓迎を受けた。

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ワールドカップ優勝後の帰国時、南アの空港の人だかりに驚きました。

はい、僕らも少しはいるだろうと思っていましたが、ここまでとは予想していませんでした。ただただとてもスペシャルでした。警察にガードされながらあの群衆の中を歩きさるのはとても申し訳なかったです。本当は立ち止まって一人ひとりに挨拶をしたかったのですが、そうすると空港をいつまでも抜け出せなくなってしまうので。でも、優勝がホームの人々にとって何を意味するのかを見ることができて素晴らしかったです。

屋根なしのバスでのパレードはいかがでしたか?

ありえない体験でしたよ。日本にいる間はホームから応援されてる感覚がなかったので。あの日は国全体がバスの上に乗って手を振る数名の選手を見るためだけに集まってくれたように感じました。ありえないことです。予想だにしませんでした。

パレードで、サインを貰って泣いていた男の子の動画がありましたが、心動かされたと思います。

はい、でもそのシーンだけではありません。年配の人も、若い人も、すべての人種の人々が泣いていたし、叫んでいました。南アフリカにはたくさんの問題があります、しかしあの日は全員が一つになり、この国の全てが完璧なように感じました。忘れることのない光景です。

その動画: https://m.youtube.com/watch?v=wOK69dBZmVM&feature=youtu.be

今、南アフリカでの問題について話されましたが、ワールドカップ優勝は難しい現状を変えるきっかけになると思いますか?

そうであると心から願っています、しかしとても批判的な目で見ると多分そうはならないでしょう。僕が知っていることは、適切な人々が適切なポジションに今立っているということです。特にラグビーの面で。ラシーエラスマスは監督としての役割に専念し、南アフリカのラグビー界をより良い方向に向かわせることを、僕たちと約束してくれました。彼らはラグビーの発展と、ラグビーを始めるチャンスがなかった人々への機会の提供に、これまで以上に尽力しています。ワールドカップのおかげで、南アフリカのラグビー人口は間違いなく増えました。スポーツには偉大なパワーがあるので、たとえ1%でも、この国が変わることを期待しています。

ラグビー選手にしては笑顔が多すぎると言われるファフだが、フィールド内でもフィールド外でも、常に自信に満ち溢れている。

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デクラーク選手は、常に笑顔でとてもエネルギッシュで注目の的ですが、昔からそうだったのですか?それとも最近のことなんでしょうか?

昔からいつもエネルギーはみなぎっていました。そしてそれを正しい方向に使うように心がけてきました。たまに鼻につくのは自分でも分かってます。でも、これが僕の生き方なんです。フレッシュな見た目で生活するのはいい事だと思います。特に雲行きが怪しい時なんかはそう感じます。

自分は夢を生きる子供のようだと感じますか?

それが一番ぴったりな表現ですね。選手達はみんな、ラグビーをやっていて楽しいと言いますが、ほとんどがあまりそれを表に出しません。そして中にはラグビーを実際に楽しめてない選手もいるように思えます。だから毎日、僕は笑顔で朝を迎えるんです。楽しいと感じなくなった時にはラグビーを辞めます。

若かった頃は、身長を理由によく見落とされていたようですがその時はどう感じていましたか?

とても残念でしたが、幸運なことに僕にはいつもサポートをしてくれる偉大な両親がいました。南アフリカの選手達はとにかくみんな大きくて、体の大きさだけで判断して、僕をメンバーから外すコーチもいました。どれだけ大きいかなんて、僕にとっては関係ありませんでした。常に自分を信じていたので、体格主義のコーチ達が間違っていると証明することが僕のモチベーションでした。

南アフリカ代表デビューを果たした最初の期間はファフにとって大変苦しいものだった。しかしセール(英国マンチェスターのクラブ)への移籍をきっかけに、家族のようなメンバーの助けもあり、彼のプレースタイルと自信を取り戻した。

2016年、南アフリカ代表が不調だった年に初めて代表に選抜されました。出場した11試合のうち8試合敗戦し、ウェールズ戦ではシンビンを受け、そのあと代表から落とされてしまいました。その時は、これで終わりだ。もう代表でプレーする事はないと考えましたか?

当時は多くの課題がチームの中にありました。ほとんどが新しい選手、新しいマネージャー陣でチームとしてのストラクチャーがなかったんです。プレーの明確な方向性がないままに試合をしていました。滑稽なのですが、僕は代表にこのまま選ばれ続けるだろうといつも思っていたし、十分にその力があるとも思ってました。でも、落とされてしまい、それがセールに来るきっかけになりました。

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2017年、当時の規定ではセールへの移籍は南アフリカ代表資格の失効を意味していました。移籍は難しい判断でしたか?

いいえ。英国かフランスでプレーしたいといつも思ってたんです。(代表から外れて)自分は気に入られてないんだろうなと感じていたし、そんな時にこういう機会が巡ってきたので、移籍をする事で失うものは無いが、多くの学びがあると考えセールにきました。次の2年と少しの期間は南アフリカ代表としてプレーできないと分かっていましたが、ワールドカップの時までには代表に選抜される資格が取り戻せたんです。ワールドカップ出場が僕の目標でした。

イングランドでプレーしてなにを一番学びましたか?

試合の中で状況に適応していくことです。風が変わることもあるし、雨が降り出すこともあるので、いつもただボールを持って走れるわけではありません。南アフリカではランニングラグビーを学び、ここではラグビーの核心的な部分を学びました。だからプレイスタイルの面でいいバランスが取れたと思います。

セールではなにが特別なのですか?クラブが一つの大家族のように見えます。

ダイムス(スティーブダイヤモンド、セールの監督)は家族志向なんです。彼は固く結束したグループを好み、選手が必要とするなら喜んで手を貸してくれます。クラブは、僕たち選手が可能な限り快適に過ごせるように尽力してくれます。パーティーなんかもありますし。フランスでプレーする時はチームの結束のため、休養日を数日間与えられます。だから、僕ら選手は多くのオフタイムを一緒に過ごすんです。

ファフ選手は田舎に行くのが好きだと聞きましたが、それは南アフリカにいた時のことを思い出させますか?

間違いなくそうです。もっと頻繁に田舎を訪れたいのですが、天気によるので。チームボンディングのためにみんなで田舎に旅行したこともあります。レイク・ディストリクトを散歩したり、ピーク・ディストリクトで狩猟したり。心からリラックスできるから、自然が大好きなんです。外に出て自然に触れると故郷を思い出して、つい立ち止まってしまいます。

両親、コーヒー、恋人。ファフの愛する3つ。

恋人が南アフリカにいて離ればなれなのはキツいと思います。

はい、とてもキツい時間を過ごしたのですが、やっと彼女が来年からイングランドに引っ越してきます。今は4週間から6週間に一回会って、2週間ほど一緒に過ごしています。メッセージしたり電話したり、沢山のことを話してます。彼女はあまりビデオ通話をしたがらないのですが僕が強制してます。どんなカップルもそうであるように、この2年間いろんなトラブルがありました。彼女は薬剤師になるために6年間勉強をしてて、それをここで諦めるわけにはいかないので、もし僕たちがイギリスに長くとどまるなら、イギリスの資格を取るためのコースをあと2年間受けなければいけません。まだはっきりしていないので初めは他の事をやるようです。

イギリス英語でお気に入りのフレーズを教えてください。

“Simply Lovely”がお気に入りです。いい感じですよね。

気に入っているイギリスの伝統や習慣はありますか?

コーヒーデートですね。イギリスの人達はいつもコーヒーを飲みに行きます。新しいカフェがオープンしたらチェックしに行くんです。こっちにきてから紅茶もよく飲むようになりました。サンデーロースト(日曜日に供されるイギリスの伝統的な食事)も何回か食べたのですが、南アフリカでも同じような食事が好きだったので、とくに不思議な体験ではなかったです。

ファフ選手の父親が、セールの報道係にファフ選手が出場した全試合のビデオを送ってくれと頼んでいると聞きましたが、彼がファフ選手の一番のファンですか?

ええ、いろんな方が、私があなたの一番のファンですと言ってくれますが、間違いなく、父と母が僕の一番のファンでしょうね。両親は僕の試合を本当に楽しんでいます。とくに僕が子供だった頃は、全部の試合を見に来るために、相当頑張っていました。大人になった今でも、両親が見にきてくれている事は僕にとって大きな糧になってます。

ファフは彼のファンからよく、シュレックに出てくるチャーミング王子に似ていると言われる。ソーシャルメディアでのファンとの会話と、インスタグラムでモチベーショナルな格言を見るのがお気に入りだ。

ファフ選手はとても几帳面だと伺ってますが、完璧主義なのですか?

いや、完璧主義とかじゃなくて、ただフィールド外でもいろんなワークをするのが好きなだけです。例えば自分たちの試合を見返して、自分とチームがどうやったらレベルアップできるか考えたり、これから戦う相手の試合を見て、9番と10番のウィークポイントとストロングポイントを探ったり。そうする事で、いざ試合となった時に明確なプレーができます。

試合の準備の一環で、ノートをつけていると聞きましたが本当ですか?

はい。試合に行くバスの中でノートを読み返しながら、その試合の中で達成したいゴールをいくつか書き出すんです。これは僕が学んだ事で、確実に役立っています。覚えとかなきゃいけないことを書き留めておいて、それを試合当日に読んだら絶対忘れないでしょう。

ワールドカップ優勝を果たし、多くの人がファフ選手が世界一のスクラムハーフだと考えています。次の目標はなんですか?

僕は試合がとにかく大好きで、いつもレベルアップしたいと思ってます。ワールドカップで優勝したと言っても、僕は完璧なプレーヤーではありません。常に取り組まなければいけない課題があります。僕は、僕自身がなにかで一番になる事はないと思うんです。セールでも達成しきれていない目標が、まだたくさんあります。プレミアシップでもチャンピオンシップでも優勝したいし、もっと沢山の子供達がクラブに入ってくれるような活躍をしたいと思っています。もっとレベルアップしたい。そしてもし4年後のワールドカップに出られたら、最高ですね!2021年には南アフリカでの(ブリティッシュアンドアイリッシュ)ライオンズツアーも控えています。そこでもプレーをする機会がもらえたら素晴らしいです。

ブリティッシュアイリッシュライオンズとは:ラグビーユニオンのホームユニオン(イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランド)の代表選手から選ばれ構成された特別連合チーム。「ライオンズ」の愛称を持つ。ライオンズは南半球への遠征のみに結成されて、4年ごとに南アフリカ・オーストラリア・ニュージーランドと順次遠征している。Wikipediaより。


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ツイッターでファフ選手がシュレックのチャーミング王子に似ているという投稿を見かけたのですが、よく言われるのですか?

はは(笑)はい、よく言われるし、ファークアード卿に似てるとも言われますよ。あのシュレックに出てくる小さい人。ただただ身長が低いってことだけを理由にね。でも、ファークアード卿に似てるとは思わないな。ファンから面白いミームをもらったりもします。それをすごく楽しんでるし僕自身もユーモアのセンスはあると思います。

最後に、次のファフデクラークになる事を夢見る子供たちに、3つアドバイスをお願いします。

1- 相手が君に対してどんなにネガティブであっても、気を落としちゃダメだ。

2- ハードワークするんだ。他より時間はかかるけど、たった1%でも隣のやつより多く力を出しきれたら、結果がついてくる。

3-自分を信じ抜くんだ。俺ならできるって自分にいつも言い聞かせよう。

いかがでしたか?僕もニュージーランドの高校でプレーしているので周りは一回り二回り大きい選手だらけです。ワールドカップでのファフデクラーク選手の闘志溢れ出るプレーには、本当に勇気とモチベーションを貰いました。彼に一歩でも近づけるように、プラス1%のハードワークを積み重ねていきます!

ご拝読ありがとうございました。


















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